またもや、向かいの犬が疾走した。
いや、失踪したのだ。
彼は失踪の前科1犯で、
今年の2月にも一度失踪をしている。
そのときも家族は大騒ぎで、
いろんなところを探し回ったり
あちこちにポスターを貼ったり、
地域のミニコミ誌に
尋ね犬の広告を載せたり
したおかげで
ようやく見つかったのだが、
1週間くらい前に
またぞろ、いなくなってしまった。
飼い犬が、飼い主の下を離れ
失踪するには、それなりの理由があるだろう。
そもそも、その家は
高い塀に囲まれていて
犬の這い出る隙間などはない。
逃げたとしたら、家人が門扉や
ガレージの扉を開け放してあった隙に
そこから逃走したのだろうが
問題はその理由だ。
飼い犬が安住の地を離れ
外の世界に飛び出して
帰ってこないのには
それなりの理由があるのだろう。
そこで、日頃の彼の状況が
いやでも目に入ってくる
ご近所の目で
その理由について
いろいろ推察をしてみた。
その1
【通りかかった雌犬に一目ぼれをして駆け落ちをした】
犬の発情期が
どんな周期で訪れるのかよく知らないが
前回の失踪から
ちょうど半年というのが
どうも、その辺の線をにおわせる。
高い塀に囲まれて
異性と出会うことなく暮らす毎日。
わずかに開いた隙間から
犬フェロモン
(そんなのがあるかどうかもしらないが)
を振りまきながら
通りかかった雌犬に
心魅かれて
ついていってしまったということも考えられる。
すっかり意気投合して
トロッコに乗って
明日に旅立つ
トレーシーハイドとマークレスター
見たいなもんじゃ。
トロッコに乗ってこぎながら
去っていく2匹の犬。
最近は、ソフトバンクの
お父さん犬のCMのおかげで
簡単に犬を擬人化してしまえるのう。
しかし、犬の恋が
そんなに長続きするとは思えん。
目的を達すれば
また帰ってくるだろうに
行方不明のままなのは
どうも、そういう理由からじゃ
なさそうじゃ。
その2
【自分の犬生に嫌気がさして自由を求めて旅立った】
う~ん、これもなあ
どうなんだか。
ご近所のよしみもあるので
言いにくいが
それほど思慮深い犬だったようには
思えないしなあ。
では、その3
【飼い主に愛想をつかした】
聞くところによると
飼い主さんは
たまにご飯をあげ忘れたり
するようなので
空腹のあまり
餌を求めて飛び出したという線は
ありえる話ではないかと思うなあ。
その4
【雷とか何かに驚いて、わき目も振らず逃げまくって帰り道を見失った】
これは、ひと昔の
クイズ番組じゃないが
「ある、ある、ある~」と叫びたくなるね。
別の知り合いの犬も
雷に驚いて
半狂乱になって出て行ったきり
帰ってこなくなったらしいしね。
ほかにも
・ 母を訪ねて旅に出た
・ 認知症になって徘徊している
等々考えられるが、
果たして真実やいかに。
今度帰ってきたら
ぜひ飼い主に探ってみるよう
言っておこう。
名前は呼んでいるのを
聞いたことがないので知らない。
豆シバの茶色で
細切れに
「アンッ」、「アンッ」と
憎たらしく鳴く犬です。
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