先週末、職場の同じ職場の人たち59人と仙台に旅行をした。
今回の旅の目的は2つ。
ひとつは、仙台周辺でしか手に入れにくいホヤの購入。
もう10数年前、仕事で仙台に行った時に
旅館で夕食時に出て、初めてその存在を知った。
そのときは
「ふ~ん、おいしいやん。こんな食べもんもあるんやあ」
と思いまたどこかで買おうって思ってて
それ以後に出かけた北海道や盛岡の方でも出会うことがなかったので
(がんばって探したわけでもないけど)、
今回の旅で見つけたら必ず買おうと思っていた。
そして、旅の目標はもうひとつ。
読みかけになってた本を
移動の飛行機やバスの中で読みきることだった。
はたしてその目的は果たしたのでしょうかあ。
1月14日。
出発の伊丹空港は、かなりの雨。
チェックカウンターではベルトのバックルがひっかかって
何度もゲートをくぐりなおし、
靴まで脱がされて大騒ぎする始末。
前途多難やあ。
出発は少々遅れただけで
ほぼ定刻に離陸した。
周辺地域への騒音の影響を考慮して、
伊丹からの飛行機の上昇角度は急だ。
あっという間に雲の上へ。
そして、程なく対流圏界面へ。
いつもながらその高度から見える成層圏の空は怖いくらい青い。
それは、波長が青よりも短い紫はエネルギーが弱く、
対流圏内では散乱してしまうが、
対流圏より上の成層圏ではエネルギーを保持しているため、
青に紫がまざった濃い色になるからで、
そのことを、今年の僕はもう知ってしまっているのだ。
シートベルトのサインが消え、
しばらく本を読んでいるとドリンクサービスが始まり、
飲み終えたらと思ったら
「ただ今当機は仙台空港に向かって降下を始めています」
との機内アナウンスが流れた。
はやっ
仙台空港は曇りだった。
空港を出るとバスが待っていて、
乗り込んだら早速読書。
「左手に見えますのが蔵王連峰です」
「右手にフルキャストスタジアムです」
のガイドさんの声には少しだけ反応し、
「まつしまあ~の・・」の民謡には耳を塞ぎ、
バスはやがて塩釜漁港へ。
昼食タイムだ。
席がお土産やさんの二階だったので、
さっそくホヤをチェック!
ありました。
「ホヤの燻製」「ホヤの塩辛」「ホヤの酢漬け」
とホヤづくし。
さすが仙台!
横にあった牡蠣の佃煮にも興味が湧きましたな。
でも旅はこれから、
塩辛や酢漬けは冷凍してあるので、帰る日に買うことにし、
ここでは燻製のみをお買い上げ。
家と職場と友達と今夜の部屋でのおつまみにね。
そのあとは遊覧船で仙台湾めぐり、
いわゆる松島の海をひとめぐりした。
おどろいたのは、
かもめが船と並んで飛翔し、
客からのえさを待っている。
窓から投げた餌を空中でキャッチ。
だからといって旅行社の添乗員さん、
気をきかそうと思ったか、
餌を配って回っていた。
それはあんまりだよな。
カモメのためにはならんぞよ。
約1時間で到着したのが、
かの民謡で有名な瑞厳寺の目の前の港。
下船したところからすぐに「奥の細道」だ。
少し前に降った雪が積もり、
境内はみちのくのお寺らしい
それなりの風情をかもしていた。
用材を紀州熊野の山中から取り寄せて
造営されたというこのお寺。
国宝なんだそうだ。
う~ん、京都や奈良のお寺と比べたら、
すこし権力のにおいがする、そんなお寺でした。
再びバスに乗り込み、
ようやく今夜の宿へ向かいました。
仙台の都会の町並みも、
バスガイドが歌う民謡第二弾にも心を奪われることなく
僕はひたすら読書。
気がついたら、バスは秋保温泉に到着していました。
即効で温泉へ入った。
大きな露天風呂があり、
ひと気もまだ少なかったので写真の撮影会。
え?違います違います。男湯ですよ。
そんな犯罪しませんから~。
それにしても風呂での撮影は湯煙が邪魔ですな。
よくあるテレビドラマの「混浴露天風呂殺人事件」は
きっとぬる~い風呂なんでしょうな。
タイマーを使って渾身の1枚を撮影。
珍しくてうれしくて、
ついメールに添付して知り合いに送ってしまいました。
その節はスンマソ。
宴会は、カニと塩沢牛の焼肉懐石。
普段あまり話すことのない他の部署の人と
親交を深めましたあ。
そのあと、朝までに温泉に4回はいったら
次の日のバスでガイドがこんなこと言ってました。
「温泉に一度も入らなかった人は愚か者。
1回の人は淑やか者、
2回の人はきれい好き、
3回の人は欲張り者、
4回以上の人はあつかましい」だって。
どうせ行くなら入らにゃ損、損。
翌日早く目覚めたので温泉街を歩いてひとめぐり。
渓谷の滝が氷壁になっていたのは圧巻でした。
磊々峡(らいらいきょう)と言うそうです。
二日目の観光は、ニッカウヰスキー仙台工場から。
寒い中、屋外見学コースを
こけしみたいな真っ赤なホッペのおねえさんが案内してくれました。
ここで、興味を引いたのが二つ。
板一枚で作ったシンプルなワインホルダー
(これはサイズと形状をひかえてきたので近々製作予定。完成したら報告します。)
と熟成過程のお話で、
最初樽にいっぱいだった蒸留後のウイスキーを
寝かしていると、
アルコール分の揮発等で10年間で7割くらいにまで
量が減るのだそうだ。
僕らの飲むのはこの残った7割部分なのですが、
減った3割は「天使の分け前」と呼ばれているのだそうです。
夢、あるじゃん!
誰ですか?どこかのバーでネタに使こたろと思てるのは。
そして昼食は仙台といえば、牛タンですな。
伊達牛タン本舗で、牛タン食べながら
三人テーブルのビールを飲める2人で大ビン3本飲みましたわ。
「おっさんの分け前やあ」なんていいながらね。
夢、なさすぎ!
それにしても
食べて飲んでばかりした旅やったなあ。
そのあとほろ酔いで青葉城、
ケヤキ通りも行きましたが、
仙台てほんまに都会やねえ。
びっくりしました。
堺市より10年以上早く政令市になってるんやて。
杜の都というよりもビルの都という感じでした。(座布団1枚!)
見学の合間合間も頑張って読書を続け、
あともう少しというところで空港到着。
それにしても恐るべし仙台観光社。
一日中しゃべり続け、(しかも仙台訛り)
歌い続けたバスガイドさんでした。
空港で、お土産のホヤづくしを購入し、
ベルトをはずしてズボンのすそを引きずりながら
午後5時発のANA738便に搭乗。
掲示板で、ANAとJALの大阪行きが
同じ5時発になっていたのでどうなのかなあと思っていたら。
機長のこんなアナウンスが・・
「機長の○○です。当機は先ほど札幌からのフライトを終え、整備も万端で皆様の搭乗をお待ちしておりましたところ、皆様の迅速な行動のおかげでJAL機よりも早く離陸許可がおりました。ご協力ありがとうございました。」
って別に競わなくても。
アナウンスはさらに続き
「先ほどのフライトでは、成層圏の青い空に宝石が散りばめられたような空。そして西の空には、ついさっきまで純白のスノーのようだった雲が真っ赤に染まって行く様がとても美しく見えるような穏やかな景色でした。また、機体の整備も全く滞りなく完了し、当機の運行にはまぁ~~~ たくっ支障はございませんのでご安心して空の旅をお楽しみください」
機長の性格にちょっと不安をいだいたのは僕だけだろうか。
帰りの便は空いていたので、
後のほうの空席の窓際に席を移動した。
ディスパッチャーの
「重心が変わるから席の移動はしないで下さい」て声が聞こえてきそうやな。
一人で時折窓の外の夕焼けの名残に目をやりながらつつ、
本の残った部分を読破。
ちょうどぴったり伊丹到着前に読み終えました。
え?何を読んでたかって?
実は「博士の愛した数式」を読んでました。
作者の小川洋子さんの文書がとてもきれいなこと、
理系の僕に数学は馴染みあることで
夢中になってしまいました。
そしたら、あとがきである数学者が、
文学と数学が結婚した作品だと言ってました。
言いえて妙ですな。
今度、ずえ~ったい映画見に行くもんね。
伊丹空港に着くとすぐさまバスが迎えに。
もうほんま大名旅行でした。
職場まで送ってもらってそこからマイカーで帰宅の途に。
途中の飲酒検問では、少々びびりましたが、
昼間の大ビン1本半はすっかり抜けてたようです。
よかった、よかった。
これでひっかかったら、
わが社の社員59名が共犯ということになり、
一人30万円の罰金として総額1770万円が科せられるハメに。
う~ん、よかったあ。