秋月達郎著"京都丸竹夷殺人事件 民俗学者竹之内春彦の
事件簿"を読みました。
たぶん秋月さんの作品は初めてだと思います。
テレビドラマになりそうな作品です。
ですから犯人も理詰めでなく雰囲気でこの人なんだろうと
だいたいわかります。
民族学者の竹之内は老舗の料理旅館の月の宮に下宿して
います。
月の宮は小比類巻ゆたか警部の住んでいる家でも
あります。
ミニコミ誌の記者の辻本千里も竹之内と共に事件に
関わります。
最初は千里が包丁をつきたてられた雛人形を見つけた
ことから始まります。
老婦人が贅沢な着物を着せられ、刺されて放置されている
のが見つかります。
しかし婦人は殺されたのではなく病死したのち刺されて
います。
その後も殺人が続いて起ります。
関係者の中には車で轢かれた人もいます。
やがて洛中女子大学の文学部の輿田教授の研究室に
行き着きます。
輿田は昔のわらべ歌の採集をしています。
竹丸夷という京都の通りの名を順につないでいく
数え歌の存在に当たります。
人形や死体が置かれた場所が歌の順の通りになって
いるのに気づきます。
京都に住んでいて通りの名が身近で頭に地図が思い
描ける人にはうんと楽しめることでしょう。
わかったような気分で読んでいる者にはいまいち
おもしろさがわかりません。
探偵役の竹之内さん、ゆたかに誘われるとほいほい
出かけて仕事はいつしてるのっていう気になります。
千里は竹之内が好きなようで竹之内が食事に行った
女性に嫉妬心を燃やしています。
こんな風に女性は嫉妬するものなのかと感心して
読みました。
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