山本甲士著"ひなた弁当"を読みました。
住宅販売の会社勤めを27年続け50歳目前の芦原芳郎は
会社のレクレーションの野球でボールを常務の頭に
当ててしまいます。
その翌日芳郎は部長からリストラの話を切り出されます。
同様にリストラ対象になった課長から「受けます」と素直に
応じた者は残してもらえるとの情報をもらいます。
しかし実際は「はいそうですか」とその日のうちに追い出さ
れてしまいます。
斡旋された人材派遣会社ではそこに勤めるのではなく
登録していってくださいとまったくのだましに会います。
家族にも相手にされず朝から外に追い出されます。
何日もあてもなく過ごしているうちに公園のどんぐりを
みて食べられるのではないかと、食べ方を調べて食べて
みます。
タンポポ、ウド、ぜんまい、わらび、なずな、ミツバ、
きくいもなどの山菜も採集して食べてみます。
川で釣りをしている人に何が釣れるのか聞いてみます。
釣れる魚の話、釣り方を親切に教えてくれます。
さっそく釣り道具を買ってきて釣りを始めて釣れた
魚を揚げたり焼いたり南蛮浸けにしたりと食べてみます。
会社の近所で弁当を販売していた老人が仕事が辛くなって
店を閉めたことを思い出して従業員として雇って欲しいと
相談にいきます。
商売は自分でやるから場所と道具と名前を貸して欲しいと
いうことです。
承諾してもらって山菜や魚を自分で調達して公園で売り
始めます。
前の会社に訪問販売させてほしいと依頼に行きましたが
よく来られたものだとけんもほろろに追い返されて
しまいました。
買った人たちがブログで紹介してくれたりクチコミで
しだいに売れるようになります。
リストラの方法、アコギですね。でも現実でもこんな
こと行われているのでしょう。
日本中の多くの会社がこんな体質になってしまって
いたら日本は働き難く住み難く、生き難い社会に
なってしまいます。
仕事は楽しくやりたいものです。
仕事を自分で生み出し良郎は営業当時の自信のなさは
影をひそめいきいきとしてきます。
本の中では一日30個の弁当を売ったらお終いと
なっています。店主と利益は折半ですから、これで
どうやって生活していくの?といいたいところですが
大事なことは自主的に働くということ、いろんなことに
興味を持つこと、それを仕事につなげることなどでは
ないでしょうか。
自分がリストラされた立場になったらおそらくもう
仕事に就くことはないのではないかと思います。
良郎はえらいです。 8/17
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