葉室麟著"いのちなりけり"を読みました。
水戸光圀がいた時代の話です。
雨宮蔵人と咲弥との惹き合う心と、武士の世界を描いた
話です。
読んでいると嫌な気分になってきます。
現実の武士は本当のところ何考えて生きていたのでしょう。
この本の描く武士社会ってほんとうにばかみたいです。
こんな人生生きて満足ですかって言いたくなります。
生きている甲斐がありますか。
とにかく腹が立ってきます。
人を刺客に仕立て上げて殺すよりしょうがないように
追い込んでおいて殺したら誰が命じたかばれないよう
すぐ刺客をまた殺そうとする。
そのひきょうさを殺されようとする方も、殺すよう
命令する方もおかしいとぜんぜん思っていないのは
どう考えてもおかしい。
陰謀と裏切りばかりで誰も信頼できない世界です。
雨宮蔵人と咲弥は夫婦になりましたが咲弥が自分の心を
表している歌を見つけ出して見せてくれなければ
夫婦と認めないと蔵人を拒否します。
蔵人は仕えている人に咲弥の父親を殺すようにと
命令されます。
咲弥の父親が家の中で殺され蔵人の姿が消えます。
その後蔵人と咲弥は十何年も会うことはありません。
咲弥は水戸光圀の奥女中として仕えることになります。
蔵人は何度も刺客に襲われます。
当たり前のように蔵人は襲われ続けますがよくよく
考えれば彼が襲われなくてはいけない理由などない
はずです。
蔵人は咲弥に言われた和歌をずっと探しています。
ずっと咲弥のことを思っているのです。
咲弥も彼のことを思っています。
蔵人と咲弥のロマンスはこの本の大きな部分です。
蔵人と咲弥が相手を思っている部分は美しいです。
なんだかすっきりとしない話でした。
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