松本麗著"恋文"を読みました。
1992年の横溝正史賞受賞作です。
松本さんはこの時現職の検事です。
この本の主人公はやはり女性検事です。
書けない小説家が大量のインシュリン注射で死ぬと
いう事件が起こります。
自殺かと思われたのがその妻が殺したのではないかと
いうことで逮捕、起訴、裁判が始まります。
検事惇子の実母は十歳の時に突然死し、その後
養母絢子と生活します。とてもうまくいっている
母と娘です。
犯人とされた規世子も兼重の再婚相手で息子邦夫が
います。こちらも母と息子の繋がりは強いです。
2組の義理の親子がいてその関係が繊細に書かれて
います。この2組は何の関係もありませんが惇子が
事件を考える時に自分のことを引き合いにしています。
これ以降はねたばれになってしまいます。
この小説を読むことはないという方は読んでください。
規世子は最初自白しますが、裁判になってあれは
自殺なのだと言い出します。
そして提出されたのが兼重の書いたとされる小説です。
この中で前の奥さんのことが忘れられない、ずっと
思っている。そしてその人が亡くなったことを知り
後を追って死のうとしていると書かれています。
結局無罪となります。
その小説の中に息子が義理の母親への思慕の情を
こめた手紙が挿入されています。
この小説は出版されこの手紙によって評価されます。
実際にどうだったのだということは書かれていません。
しかし惇子は規世子と息子の邦夫が共謀して殺した
のだろうと思っています。
遺書だとみなされた小説は規世子が書き、息子の手紙は
邦夫があとから挿入したのだろうと思っています。
完全犯罪となってしまいました。
推理小説としてはどうかなあと思います。
殺さなければならない理由が弱いです。
離婚すれば済むことなのになぜ殺す必要があるのか
説明が納得できるものではありません。
事件以外の部分、惇子と絢子との交流とか、長年の
男友達が結婚してしまうさみしさを描いた部分等が
しっとりとしていいです。
無名だった人が賞を取った作品は渾身の力が込められて
いて有名作家が大量生産しているものよりずっと
いい物になっています。
1992年の横溝正史賞受賞作です。
松本さんはこの時現職の検事です。
この本の主人公はやはり女性検事です。
書けない小説家が大量のインシュリン注射で死ぬと
いう事件が起こります。
自殺かと思われたのがその妻が殺したのではないかと
いうことで逮捕、起訴、裁判が始まります。
検事惇子の実母は十歳の時に突然死し、その後
養母絢子と生活します。とてもうまくいっている
母と娘です。
犯人とされた規世子も兼重の再婚相手で息子邦夫が
います。こちらも母と息子の繋がりは強いです。
2組の義理の親子がいてその関係が繊細に書かれて
います。この2組は何の関係もありませんが惇子が
事件を考える時に自分のことを引き合いにしています。
これ以降はねたばれになってしまいます。
この小説を読むことはないという方は読んでください。
規世子は最初自白しますが、裁判になってあれは
自殺なのだと言い出します。
そして提出されたのが兼重の書いたとされる小説です。
この中で前の奥さんのことが忘れられない、ずっと
思っている。そしてその人が亡くなったことを知り
後を追って死のうとしていると書かれています。
結局無罪となります。
その小説の中に息子が義理の母親への思慕の情を
こめた手紙が挿入されています。
この小説は出版されこの手紙によって評価されます。
実際にどうだったのだということは書かれていません。
しかし惇子は規世子と息子の邦夫が共謀して殺した
のだろうと思っています。
遺書だとみなされた小説は規世子が書き、息子の手紙は
邦夫があとから挿入したのだろうと思っています。
完全犯罪となってしまいました。
推理小説としてはどうかなあと思います。
殺さなければならない理由が弱いです。
離婚すれば済むことなのになぜ殺す必要があるのか
説明が納得できるものではありません。
事件以外の部分、惇子と絢子との交流とか、長年の
男友達が結婚してしまうさみしさを描いた部分等が
しっとりとしていいです。
無名だった人が賞を取った作品は渾身の力が込められて
いて有名作家が大量生産しているものよりずっと
いい物になっています。
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