森村誠一著"遺書配達人"を読みました。
棟居刑事が登場する連作短編集です。
"ケルンの石"
棟居の入っている俳句結社の一員の笛吹彩香は病気で
余命が限られています。
強請りをしている柳川が殺されました。
柳川は子供のころクラスメートを完全無視するいじめを
していました。
いじめられていたのは落合です。
落合は現在は実業家であり、家庭を持っています。
愛人がいることで強請られていました。
棟居が彩香にあげたケルンの石が殺人現場にありました。
"遺書配達人"
仕事で四国へ行った棟居は仕事が終わった数日を遍路
することにしました。
同室となった野田は元区役所職員でした。
ホームレスとして亡くなった人が残した遺書を遺族に
配達をしています。
ホームレスが娘に路上で売られていたネックレスを
送ろうと持っていました。
その人は殺されネックレスは見つかりません。
コンビニ強盗がありました。
店員の首に掛かっていたのはなくなったネックレス
でした。
"不倫車"
福島は駅まで自転車で行きます。
帰宅時に自転車が盗まれているのに気づきました。
妻の祥子が轢き逃げされて亡くなりました。
しばらくして自転車が戻っていました。
自転車のかごにはゴミが詰まっていました。
ゴミから妻の不倫相手に行き着きます。
警察が福島の元を訪れます。
"花びらの残る席"
棟居には行きつけの喫茶店があります。
よく顔を合わせる女性がいます。
彼女は犬を預かっています。
飼い主は行方不明です。
飼い主の男性が死んでいるのが見つかります。
頭部挫傷と刺し傷がありどちらが先かはっきりしません。
"青春の破片(かけら)"
棟居は出張の帰りに高山へ寄ることにしました。
槍ヶ岳で単独の女性に出会います。
初心者が危険な箇所で戸惑っていたのを助けました。
彼女は病気で亡くなっています。
彼女の妹が姉の言葉を伝えたいといいます。
彼女の夫が山で救助した人物が、棟居の家族を殺しました。
この話は事件とは関係ありません。
"戦場の音楽祭"
老人に取り入ってお金を騙し取るグループがあります。
お金を騙し取った後は口実を設けて姿を消します。
老人たちはだまされたことに築かずにずっと帰りを
待っています。
グループの騙し役にさせられていた女性が警察に助けを
求めてきたことからグループの全貌がわかりました。
音楽祭を楽しみにして待っている老人のため執行停止が
認められ老人と共に音楽祭に行く彼女の姿がありました。
"異国の風"
行きつけの喫茶店には客が書いた俳句が展示されています。
最上川を読んだ俳句が掲げてあります。
喫茶店の近所で殺人がありました。
被害者は暴力団員で闇金融業者です。
俳句から事件を見つめます。
"迷惑屋"
大音響を出したりゴミを放置して近所に迷惑をかけている
男がいます。
近所の人は引っ越していってしまいます。
この男に目をつけたのが立ち退き屋です。
この男にお金を出して迷惑行為をさせ人を追い出すように
仕向けました。
ある出来事から自分の生き方を見直すようになりました。
引ったくりにホームへ突き落とされあわや電車に轢かれる
というところを飛び込んで女性を救い自分は亡くなった
人がいます。
"人生の駐輪場"
駅の自転車駐輪場の整理員に人気があった塩谷という
女性が川原で殺されているのが見つかりました。
いつも彼女の隣に自転車をとめる男、自転車を盗んだ
男などが捜査対象となります。
彼女の自転車に付け文を入れる男がいたことを突き止めます。
この内容は不倫車と通じるところがあります。
森村さんの作品に慣れてないからなのか読みにくかったです。