畠中恵著"いっちばん"を読みました。
妖が見える体が弱い長崎屋の息子の一太郎が登場する
シリーズの一冊です。
"いっちばん"
日切りの親分が一太郎のところへきてぐちをこぼしています。
擦摸が横行しています。
犯人はわかっているのですが掏り取った男から建物の
外にいる女にどうやって手渡ししているのか検討が
つかずに捕まえられません。
妖たちが一太郎を喜ばそうと策を練っています。
外に出た一太郎や妖や親分は大騒ぎです。
擦り取ったものを運ぶ方法はわかりました。
"いっぷく"
唐物屋の小之屋と西岡屋が長崎屋に品比べを開こうと
挑んできます。
小之屋の息子の七之助は鳴家のことが見えているような
振る舞いをします。
品比べの情報を流してくれたりもします。
七之助に鳴家がひとり捕まってしまいます。
七之助が弟の話を始めます。
一太郎は弟が誰なのかわかりました。
過去に会ったことがあります。
"天狗の使い魔"
一太郎は天狗にさらわれてしまいました。
天狗は山で修行をしていた山伏と仲良くなり酒を
飲んで語る友達になりました。
山伏は修行をして管狐を持つようになりました。
管狐がいると裕福になります。
山伏はやがて死んでしまいます。
天狗は孤独になりました。
天狗はいいことを思いつきました。
管狐を連れてきたら共に過ごせると管狐を探しました。
管狐は王子稲荷の裏にいることがわかりました。
しかし管狐は嫌だといいます。
一太郎は皮衣の孫です。
孫と引き換えに管狐を渡せと脅そうとします。
そこへ狛犬が飛び込んできます。
昔からいる狛犬を差し置いて狐がしゃしゃり出て
きたことを怒っています。
一太郎がうまく収めます。
"餡子は甘いか"
隣の菓子屋の息子の栄吉はよその店に修行に行っています。
餡を煮るのはぜんぜんうまくなりません。
砂糖を盗もうとした泥棒を捕まえます。
栄吉は砂糖を盗もうとした泥棒を捕まえます。
八助は菓子に使われている砂糖を言い当てます。
主人は八助の菓子作りの能力を見越して雇います。
栄吉は入ったばかりの八助の方が能力がありすっかり
やる気を失くて辞めようかと悩んでいます。
八助は能力があるにもかかわらず泥棒の道から抜け
られません。
栄吉はやはり菓子作りをやる決め努力を続けます。
"ひなのちよがみ"
紅おしろい問屋の一色屋の雛が白塗りの化粧から
薄化粧に変え一太郎を訪ねてきます。
火事になって傾いた商売を立て直す方法を考えています。
千代紙で袋を作って商品を入れてお客さんに渡そうと
考えつきます。
千代紙の入手先を相談にきました。
この方法は当たりました。
雛には正三郎という許婚がいます。
紙問屋の秀二郎が雛にまとわりついてきて正三郎は
いらいらしています。
そのうち秀二郎は雛に結婚を申し込んできます。
雛と正二郎とで店を立て直す知恵を出してやって
いくんだと心するまでを描いた話です。
いつまでも体が弱くて兄やたちに薬づけにされ
ふとんに押し込まれている一太郎ですがしっかり
してきたようです。