東野圭吾著"ラプラスの魔女"を読みました。
赤熊温泉で散策中の映画プロデューサーの水城が
硫化水素中毒で亡くなりました。
その少し後で苫手温泉で名が知られてない役者の
那須野が遊歩道で同じように硫化水素中毒で
亡くなりました。
どちらも事故扱いになっています。
この事故を調べている人がいます。
最初の件の水城の母親から息子の妻が息子を殺す
のではないかと手紙をもらっていた麻布北署の
刑事の中岡です。
もう一人二つの事件に関わった人物がいます。
地球科学の教授の青江です。
両方の地元から要請があって調べに行っています。
この時二か所で不思議な若い女性にあっています。
彼女は羽原円華と名乗り男性を探しています。
青江は水城と那須野を調べているうちに甘粕才生と
いう共通した知人を見つけました。
彼のブログから妻と高校生の娘が硫化水素で亡くなり
息子は意識不明の状態で見つかったことを知ります。
娘の自殺が引き起こした出来事だと見なされました。
息子の謙人は脳神経外科医である円華の父の
手術を受けています。
円華には桐宮玲という女性と、元警察官の武尾という
護衛がいつも付き添っていました。
二人を振り切って円華は事件を追っています。
普通ミステリーには一人の探偵役が登場します。
しかしこの本では探偵役がいっぱいです。
中岡もそうですし、青江、円華もそうです。
桐宮や武尾も加わっています。
事件の様相はだいたい想像がつきます。
最後まで読んでびっくりすることはありません。
特殊な力を持つ人たちが関係するのではなく、
普通の人たちだという設定での話を読みたかったなと
感じました。
発端は甘粕の一家の事件です。
時を隔てて起きた原因が硫化水素中毒事件です。
それにしても最近は異常な人物が引き起こす事件を
扱った本やドラマが多くてこういう人たちが多くの
割合で世にいるのだろうかとおそろしくなります。
普通と言われる人たちの方が多いことは間違い
ないでしょうけど。
普通であること、平凡であることがどんなにいいこと
なのか感じるこのごろです。