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雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

乱鴉(らんあ)の島

2017-05-14 21:00:00 | 

有栖川有栖著"乱鴉(らんあ)の島"を読みました。
この本、つい最近読んだことあると読み始めて
気づきました。
ところがどんな結末だったかすっかり忘れて
いました。
クローズド・サークル(孤島)物です。
臨床犯罪社会学者の火村とミステリー作家の
有栖川有栖は火村の下宿のお婆ちゃんの紹介で
三重県の賢島の近くの島の宿に休養に行くことに
なります。
漁船にのって烏島に着きました。
しかし目指す宿はありません。
烏(からす)島と読んだのは実は鳥(とり)島であり
烏(からす)島と呼ばれる島もあったというわけです。
島を間違えて到着してしまい迎えの船もきてくれない
二人は有名な作家の所有する館に泊めてもらうことに
なります。
一軒しかない島の家に多くの人が集まっていました。
藤井という過去にクローン作りで世を賑わせた医者、
拓海、鮎という10歳の子供たちとその叔父や叔母、
その他の人物達が何が目的か集まっています。
そこへヘリコプターでカリスマ経営者と言われる
初島がやってきます。

初島の目的は自身のクローンを藤井に作ることを
承知させることです。
彼は集まっている人々は藤井にクローンを作ってもらう
ことだと思っています。

館の管理人夫婦の夫の木崎信司が殺されているのが
初島が借りていた家で見つかります、
初島は見つかりません。

犯人と見なされた初島は翌日に死体で見つかります。

なぜ人々は集まっていたのか、犯人は誰なのでしょう。

結構クローズド・サークル物は好きで読んでます。
クローンで作られた人は自分自身ではあるまいし、思いの
ままに出来るわけでもなく、結局別人格でしかないのに
作りたいとはどういう感覚なんでしょう。
でも近い将来には実現するでしょうね。

浮雲 心霊奇譚 赤眼の理

2017-05-13 21:00:00 | 

神永学著"浮雲 心霊奇譚 赤眼の理"を読みました。
時代小説です。
お小夜は夜道を歩いていて幽霊に出会いました。
それ以来幽霊に憑かれました。
弟の八十八は姉を心配して憑き物落としに頼みに
行きました。
目を布で覆って赤い目を隠しています。
名前は八十八がつけて浮雲と呼ぶことになります。
最初はぐずぐずと嫌がるのですが引き受けたとなると
しっかりやってくれます。
17年前子供を身ごもっていた加代は殺されました。
夫の伍郎は絵師でした。
赤ん坊は加代が斬られた後、伍朗が取り出しました。
伍朗も殺され赤ん坊は呉服屋に引き取られ育ちました。
八十八は十七歳、絵師になることを目指しています。
この出来事は八十八の出生の秘密を明らかにしました。
姉は憑き物が落ち、加代は去りました。

柳の木の下に現れた幽霊は武家屋敷の中へ入って行きました。
八十八はそこで木刀を構えた萩原伊織に出会いました。
彼女の兄の新太郎は眠り続けています。
幽霊は娼妓のお露です。
殺されてもなお慕う男の元へ現れます。

新太郎は眠りから目を覚ましました。
武士の幽霊を見ました。
隣の青山家から悲鳴がして女中が切り殺されていました。
掛け軸があってぼろぼろのかっこうの武士が切り落とした
四つの首を下げている図が描かれています。
作者は狩野游山です。
青山家で起こった事件が元で殺人が起き、幽霊があらわれました。
恵に呪いをこめた游山と浮雲とはいわくがありそうです。

なかなか素直に動こうとはしない浮雲ですがいい人そうです。
八十八、伊織、それに薬売りの土方歳三とおもしろい登場人物達です。
次作があるようです。

魔術師 (イリュージョニスト)

2017-05-12 21:00:00 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"魔術師 (イリュージョニスト)"
を読みました。
リンカーン・ライムとアメリア・サックスが活躍するシリーズ
の一冊です。
今回の対戦相手はイリュージョニストです。
音楽学校生が殺されました。
犯人は側にいたのに閉ざされた部屋にいるように見せかけて
逃げました。
続いて男性のメイクアップアーティストが殺されました。
三人目の乗馬中の女性は危ういところを場所を特定した
警察によって助けられました。
犯人はまだ犯行中だったのですが別の顔、別の服装で
通りがかりを装おうとしました。
犯人はイリュージョンのプロだと判断したライムらは
イリュージョニストに聞いてまわります。
イリュージョンの修行中のカーラがライムたちを
手助けすることになります。
一旦は捕まった犯人は手錠を数秒ではずして逃げました。

検事補のグレイディは捕らえた極右武装組織の指導者の
コンスタンブルを有罪にすべく努力しています。
グレイディは命を狙われています。

やがて犯人の名前や過去がわかります。
過去の出来事に関係した人を恨んでいます。

犯人による誤導(ミスディレクション)に継ぐ誤導です。
あっという間に顔から服装まで姿を変えますからどんな人を
追ったらいいかわかりません。
捕まえても簡単に手錠、足枷をはずしてしまいます。
犯人の先を読んだとしてもそれは犯人に誤導されている
のかもしれません。

ライムの家に押し入ってきて危うく殺されそうになる場面も
あります。

カーラはイリューシンの知識を駆使してライムらをよく助けます。

アメリアや読者をそんなことあるのかと驚愕やがっかり
させる場面がいくつかあります。

犯人の正体はまたまた驚かされるものでした。

体を切ってその間に逃げるための道具を隠しもっているとか、
寸時に姿を変えるなどあまりにも現実離れしているので
冒険小説めいています。
帯には法月倫太郎さんが怪盗ルパンか怪人二十面相かと書いて
みえます。
ジェフリー・ディーヴァーの作品は本当におもしろいです。

テンペスタ

2017-05-04 10:43:16 | 

深水黎一郎著"テンペスタ"を読みました。
小学校4年生の姪を夏休みの一週間預かることに
なった美術の非常勤講師を務める賢一の話です。
田舎に住む姪のミドリは五番以内の成績になったら
東京に行かせてもらえる約束をしました。
見事約束を果たし、弟の竜二からミドリを一週間
預かって欲しいと頼まれました。

やってきたミドリは大人の健一が言い負かされる
口達者です。
子供が行きたがる観光地には目もくれず江戸時代の
処刑地や墓などを賢一を連れて巡っています。
知識欲は旺盛で星の話や賢一の仕事でもある西洋の
絵画のことも話せば聞いています。
お寿司や鰻など高級な食事にも連れて行かされます。
疲れはてた賢一はあと1日と帰る日を待っています。

大人を引き回す女の子と大人との中身の濃い夏休みの
日々を描いた物語だと思っていたら終盤でとんでもない
ことになります。
弟の竜二夫婦が交通事故で亡くなったとの連絡が
入ります。
思いもかけない出来事が続いて起きます。
ミドリの運命はいかに。

賢一とミドリの東京生活を描いた部分は楽しいです。
ちょっとばかりミドリの元気さに辟易となるところは
あります。
あとの話は登場する大人たちの勝手さが目について
むかっとします。
賢一にしたってそんなことしたらどれほどミドリが
傷つくかわからないのだろうかと思わされます。

悪魔の涙

2017-05-03 10:20:03 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"悪魔の涙"を読みました。
リンカーン・ライムシリーズの著者です。
この本にライムはちょっとだけ顔を出します。
今回の主役は元FBI科学犯罪文書研究室捜査官で現在は
家で子供二人を育てながら文章検査士をしているパーカー・
キンケイドです。
ディガ-と呼ばれる殺し屋が人の集まる場所で発砲し多くの
人が亡くなりました。
ワシントン市長宛にお金を求める脅迫状が届きました。
払わなければ4時、8時、零時にディガ-が発砲すると
ありました。

ひき逃げされた人物がありこの人が脅迫者だと見られました。
ディガ-はこの人物に命じられたまま行動して自分では
考えることが出来ません。
ディガ-の次の発砲場所を突きとめ逮捕するためパーカーに
文章鑑定の依頼がありました。

捜査の指揮を執るのはマーガレット・ルーカスです。
FBIと警察の連絡係としてレン・ハーディーが派遣されて
きます。
次の場所を突きとめますがディガ-は逃げてしまします。

脅迫者が潜伏していた家を突きとめますが、襲撃にあって
家は火に包まれ刑事たちはかろうじて逃れます。
その時に脅迫者が書き残した襲撃場所のメモの焼けたものが
手に入ります。

このメモが解析されます。
その次の場所を突きとめる作業をしている時にパーカーは
息子が怯えていると連絡があり家に戻っています。
ここだと確信した場所に赴きますがよく似た名前の別の
場所が襲われました。

最後の場所へと彼らは向かいます。

ディーヴァの作品らしく終盤はびっくりする展開です。
この犯人の頭の良さに感服します。
いろんな場面を想定してそれが起こった時の対処の仕方を
考えてあります。
ディガ-という思う通りに動いてくれる人があってこそとは
思います。

パーカー、ルーカスらの証拠から真実を求めようと没頭します。
悪魔の涙とはアルファベットの i の上の点が下の方が膨らんで
涙のように見えることです。
脅迫状に使われていた i の字の点がそうなっていました。

現在の話であるのに脅迫状が手書きでパソコンで書かれたもので
ないのが不思議です。
たとえ偽の証拠を残そうとしたって手書きではどうしたって
真実の証拠を残しますのにね。
FBIってこんなにセキュリティが甘いのかとも思います。
こういうようにあれっと思う所は所々ありますがおもしろい
作品であることは間違いないです。

ペンギン鉄道なくしもの係

2017-05-01 21:00:00 | 

名取佐和子"ペンギン鉄道なくしもの係"を読みました。
先日読んだ"なくし物をお探しの方は二番線へ 鉄道員・
夏目壮太の奮闘
"と鉄道といいなくしものといい題名が
よく似ていたので読んでみる気になりました。
内容は場所が鉄道ですから似ているといえば似ていますが
違うと言えば違います。

初めのうちはこれは現実離れしたおとぎ話のたぐいかと
思いました。
守安は大和北旅客鉄道波浜線遺失物管理所の職員です。
波浜線はペンギン鉄道と呼ばれてペンギンが乗ってきます。
初めて見た人はびっくりしますがそうでない人は当たり前の
顔をしています。
ペンギンは遺失物管理所がある波浜線の終着駅の海狭間駅へ
帰ってきます。
ここに冷蔵庫を改造したペンギンの部屋があり守安が
面倒をみています。
いろんな落とし物をした訪れてきます。

飼い猫が亡くなってその骨壺を1年以上毎日持ち歩いて
いた女性が電車に骨壺を置き忘れました。

引きこもりになった高校生が小学生の時にもらった
ラブレターをお守りの中に入れてずっと持っていました。
久しぶりに家を出て電車に乗った時に落としました。

千繪は嘘をついて自分をごまかして生きてきました。
夫にも嘘をつきました。
買った物を忘れたとなくしもの係を訪ねてきました。

最後は海狭間駅の前にあるフジサキ電気やなぜペンギンが
駅にいるのかということが説明されます。
みごとに話が収束しています。
最後の話のため前の話があったのだという感じがします。
守安さんの雰囲気いいです。

教室の灯りは謎の色

2017-04-30 21:00:00 | 
著者 : 水生大海
KADOKAWA/角川書店
発売日 : 2016-08-27

水生大海著"教室の灯りは謎の色"を読みました。
読み心地はあまりよくありません。
こんな世界に生きているなら生きている甲斐がないと
思えてきます。
登場人物は高校生の年代ですよ。
こんなに世の中って悪意に満ちているものなのですかね。
主人公は並木遥です。
高校に通っていますがある出来事があって義母を敬遠
しています。
出来事が解決しても高校へは戻らず優勇塾へ通うことに
します。
高校卒業程度認定試験をめざすエンカレッジ生となります。
塾には遥があこがれる英語の教師の黒澤がいます。
彼に何かと付きまといますが必要事項以外は無視されています。

教室で資料が燃やされ、消されていた事件が起こります。

人と交わろうとしない生徒が新しく入った補助の教師に
激しい言葉を投げます。

映画を上映していた後の教室に生徒が閉じ込められて
しまいます。

遥が中学の時にいじめに加担したことがありいじめられて
いた安奈が入塾してきました。
彼女は遥を避けていましたが道で声をかけたら走り出し
人にぶつかって意識不明になりました。

世の中のすべてがこんな風ではないです。
ずいぶん特殊な環境だと思いたいです。

あしたの君へ

2017-04-29 21:00:00 | 

柚月裕子著"あしたの君へ"を読みました。
家庭裁判所調査官は試験に合格後二年間の研修があります。
前期の三か月の研修後、一年間の実務研修を受けます。
研修中の家庭裁判所調査官補はカンポちゃんと呼ばれています。
望月大地は九州の大森家裁で実習中です。

"背負う者(十七歳 友里)"
友里はラブホテルへ誘った男の財布から10万円を盗んで
逃げました。
面接で友里はなにもしゃべりません。
母と妹と三人で暮らしています。
高校へはいかず、バイトをしています。
大地は家の様子を見に行って驚くべき生活にびっくりしました。
彼女は少年院送致となりました。
少年院で過ごすことの方が彼女の癒しになる、そんなことも
あるのですね。

"抱かれる者 (十六歳 潤)"
潤は付き合っていた女性に別れを告げられました。
ストーカーとなり、カッターをちらつかせたところを逮捕され
ました。
母親は潤に優秀であることを強く求めました。
大地は潤の学校での様子を調べました。
母親が言っている潤と実際の潤とは違いがあることがわかります。
母と息子、共に問題があります。

"縋る者 (二十三歳 理沙)"
正月休みに大地は故郷へ帰りました。
自分は家庭裁判所調査官の仕事に向いてないのではないかと
悩んでいます。
学生時代の仲間が集まりました。
好意を持っていた理沙は若くして結婚し子供がいます。
彼女と二人で帰る道で大地は悩みを語ります。
理沙は現在の状況を知らせ家庭裁判所調査官に勇気づけらた
ことを語ります。

"責める者 (三十五歳 可南子)"
朝井駿一と可南子の夫婦の離婚調停です。
可南子はどうしても離婚したいと望んでいますが、駿一は
承知しません。
彼女は精神科医に罹っており夫の精神的抑圧に苦しんでいます。
しかし調停委員には夫のどこに問題があるのか見えません。
妻のわがままとしか見えません。
大地は外に調べに出ます。
精神科医にも話を聞きます。
調停の場では現れてこない残酷な真実を知ります。

"迷う者 (十歳 悠真)"
片岡伸夫と朋美の夫婦は10歳の息子の親権を争っています。
どちらも譲りません。
伸夫は両親と暮らしており、両親も孫を大事にしています。
子供は母親と暮らすのが幸せという朋美です。
大地は別居している朋美の住居を訪ね意外なことを知ります。

家庭裁判所調査官という仕事があるのですね。
人の人生に大きく関わる責任の重い仕事です。
それにしても家事事件はともかく、少年事件は警察の調査の
のち裁判所に廻ってくるものなのに警察では事件の背景は
調べないものなんでしょうか。
家庭裁判所調査官が調べる仕事なんでしょうか。

最後の話はひどい話しです。
誰とは言いませんが人間としてどうかと思えてきます。
こういう生き方してもおかしくないのでしょうか。
利口な子供の悠真が幸せに暮らせるといいなと思います。

五弁の秋花 みとや・お瑛仕入帖

2017-04-28 21:00:00 | 

梶よう子著"五弁の秋花 みとや・お瑛仕入帖"を読みました。
"ご破算で願いましては みとや・お瑛仕入帖"の続編です。
みとやは店名のとおりすべての商品を三十八文で売る店です。
兄の長太郎が仕入を担当し妹のお瑛が販売をします。
両親はお祭りの日に橋が落ちて亡くなりました。

近所に元花魁花巻のお花が4文で惣菜を売る店を開きました。
男たちが寄ってきます。
実際に作るのはいっしょにいる老婆です。

辰吉という船頭に船の速さを競う勝負を挑まれます。
辰吉の祖父がわかるという出来事があり勝負はまだ実現
されていません。

近所の人形屋で火事がありぼやですみました。
長太郎は火事の時に手伝い、人形を何体か貰ってきました。
店に並べた人形を毎日じっとみている男の子がいます。
人形を取って逃げる途中で川に落ちました。
お瑛、辰吉に助けられた太助は人形の経緯を語ります。

近所に住む浪人で寺子屋の師匠の直之が長太郎に簪の
仕入を頼みました。
世話になったお花に贈るためです。
お瑛は簪の花が何なのか知ってあわててお花のところへ
行きました。

お瑛は昔の友達のおせんに店先で出会いました。
両親の事故以来会っていませんでした。
長太郎は店移りするという者から下駄を仕入れてきました。
やがてみとやは盗品を売っているという瓦版が出回り
長太郎は捉えられてしまいます。
知り合いのご隠居様の口添えで長太郎は解き放たれました。
この出来事にはおせんがかかわっています。
おせんの家は下駄屋です。
橋の事故が起こった時おせんも父親を失っています。
それから悲しい人生を生きてきました。

お瑛は幼いころのことを思い出します。
長太郎とは顔が似ていません。
本当の兄妹ではないのではないかと疑っています。

おせんが八つ当たりで起こしたことでみとやは苦境に
立たされます。
江戸の片隅で生きる兄妹の様子が描かれています。

あなたのゼイ肉落とします

2017-04-27 21:00:00 | 

垣谷美雨著"あなたのゼイ肉落とします"を読みました。
"あなたの人生、片づけます"の姉妹編です。
大庭十萬里の妹の小萬里がゼイ肉の落とし方を伝授
してくれます。

"園田乃梨子49歳"
結婚し夫と社会人の娘がいます。
大手文具メーカー勤務で課長をしています。
数年前まで太ることなく体重を維持してきました。
どんなに努力しても痩せません。
家庭でも会社でも人に避けられているように感じます。
小萬里の指導を頼みます。
最初の課題はブスとして生き直すことです。
次は家事を手放すこと。

"錦小路小菊18歳"
小菊の家は華族の末裔です。
貧乏だけど気位は高いという家庭です。
小菊はパテシエになることが夢です。
小萬里は彼女の夢を聞いてお菓子を完成させること、一つの
ことに夢中になることという課題を出します。
友人の親戚の店先を借りお菓子作りを始めます。

"吉田知也32歳"
知也は病院で気がつきました。
交通事故を起こしました。
1年半の出来事が記憶から抜けています。
記憶がない間に太っていました。
職場の女性にストーキングをしていたと知らされます。
彼の家庭は父親が母親に暴言を吐くようなところでした。
小萬里は父母も指導しています。

"前田悠太10歳"
母子家庭で貧しい暮らしです。
母親は」疲れ切っています。
小萬里に依頼の手紙を出します。
隣室には加奈という少し年上の女の子が住んでいます。
小萬里が来てくれて教えたのは二人とも栄養不足だということ。
簡単な料理の仕方を教えてくれます。
お母さんには親戚との交際を再開すること。

食事や運動の仕方を教えるダイエットではありません。
精神的な部分を改善して体調を整えて痩せていくということを
教えてくれます。
簡単に解決されてしまうので現実はこんな簡単ではないなあと
いう気はしますが、小説ですからね。

古書カフェすみれ屋と本のソムリエ

2017-04-26 21:00:00 | 

里見蘭著"古書カフェすみれ屋と本のソムリエ"を
読みました。
すみれは渋谷の近くでカフェと古書を売る店のオーナー
をしています。
カフェはすみれの持ち場で、古書コーナーは紙野が場所を
借りて独立して営業しています。
紙野は手が空いている時はカフェを手伝っています。

"恋人たちの贈りもの"
高原は音楽家になることが夢です。
年上の恋人の美雪がいます。
彼女が30歳になるまでに仕事に目途をたて結婚を
することを約束していました。
その時期がきてしまいました。
紙野は高原に"アコースティックギターの専門誌"を、
美雪には"O・ヘンリの短編集"を読んでみるよう勧めました。

"ランチタイムに待ちぼうけ"
高齢者の男性が昼時にやって来てコーヒー一杯で
三時過ぎまで待ち合わせだと粘っていました。
こんなことが何回か続きました。
彼は古書コーナーにあった荒木経恒の"センチメンタルな旅"
という妻を写した写真集を見ていました。

"百万円の本"
輸入雑貨店を営んでいる香奈子は小学4年の健太を連れて
パン職人の雄平と再婚しました。
勇太が荒れるようになりました。
健太は店で"にんじん"を読んでいました。
紙野は香奈子に"小さなバイキング"を読むよう勧めました。

"火曜日の夜と水曜日の夜"
一人でやって来た本城と馬場が親しく話をしています。
馬場は結婚しています。
妻の料理に不満を抱いていると語ります。
次の日に由貴子と愛理の二人連れがやってきます。
由貴子は料理の腕に不安を持ち彼の母親の作ってくれた
料理のすばらしさを語ります。
紙野は由貴子に辰巳浜子の"きょうの料理"という本を勧めます。
この男女4人が同時に店を訪れました。

"自由帳の三日月猫"
店にお客さんに好きなことを書いてもらう自由帳を置くように
しました。
猫の絵と意味不明な文字が書き込まれていました。
何回か猫の絵は描かれました。
暗号ではないかと考えました。
客の晴香が猫の模様から自分の飼っていた猫だといいます。
紙野に"猫語の教科書"を勧められます。
暗号は解読できました。
ところがそれを読んで不安になってしまいました。

紙野が問題を抱えた人にさっと本を差し出します。
紙野が勧める本を読んでいればもっとこの本は楽しい
でしょうね。
私が知っているのは昔に読んだ"にんじん"だけです。

すみれの作る料理の説明がそれぞれの話に登場します。
食べるのが好き、作るのが好きな人には応えられないでしょう。
すみれと紙野、おだやかで誠実に仕事に向き合っています。
おもしろかったです。

あきない世傳 金と銀二 早瀬編

2017-04-25 13:32:50 | 

高田郁著"あきない世傳 金と銀二 早瀬編"を読みました。
以前に書いてアップしたはずなのに気づけば中身なし
でした。
やっと書き直しました。

幸は呉服屋五鈴屋の女衆として働いています。
五鈴屋の商売はうまくいっていません。
店主は徳兵衛ですが仕事をそっちのけで遊び暮らしています。
妻は愛想をつかして離縁して実家に戻ってしまいました。
祖母の富久が店を守ってきました。
番頭の治兵衛が病気で倒れました。

呉服屋の組合の人たちから徳兵衛に後添えを迎えることを
強引に迫られます。
富久と治兵衛は幸を後添えに望みます。
幸は後添えとなります。
しかし徳兵衛はそれを受け入れず夫婦といっても
名ばかりのものです。

徳兵衛と違い次男の惣次は商いに身を入れています。
店がなんとかやっていけるのは彼のおかげです。
いずれ店を出してもらう約束ですがお金のない五鈴屋
ではなかなか出してもらえません。

幸は呉服についての知識を吸収しようと努力しています。
新しい商いの仕方の店での現金払いでの切り売りを
日を限ってやってみます。
徳兵衛は遊びに行っての帰りに足を滑らせ堤を転げ落ち
亡くなってしまいます。

惣次が店を継ぐことが望まれますが、惣次は条件を
出しました。
幸を嫁にすることです。

夫婦とは名ばかりですが五鈴屋の嫁になりました。
知識を得ようと努めています。
女衆からご寮さんとなっていじめられるのかと心配でしたが
そんなことも起きずに日々を過ごしています。
また幸にも変化が起きますね。
次に何が待ち構えているのでしょうね。

だいじな本のみつけ方

2017-04-23 21:00:00 | 

大崎梢著"だいじな本のみつけ方"を読みました。
登場するのが中学二年生ですから小中学生を対象に
書かれた本です。
と言ってももちろん大人が読んでもおもしろいです。

"だいじな本のみつけ方"
野々香は洗面所でカバーがかかった本が忘れられて
いるのを見つけました。
本は野々香がファンの新木真琴の新刊でした。
本屋さんへ行って買おうとしましたがまだ発売前だと
知らされました。
野々香は誰が忘れたのかどうやって手に入れたのか、
嫌っている図書委員の秀臣と共に調べることになります。
本好きの何人かに話を聞き真相にたどり着きます。

"大事な未来のみつけ方"
野々香らは先の話で本屋さんで自分の一番好きな本に
ポップをつける活動をしました。
小学校の校長から小学校と中学校とで交流する催しが
できないか考えて欲しいと頼まれました。
野々香、秀臣、浩一、リカはいろいろ考え子供のころ
公民館で本の読み聞かせ会を楽しみにしていたことを
思い出します。
ビトさんという男性が上手に読んでくれました。
たぶん尾藤さんという名の人を探し、やっと会えました。
10年ほど前彼は辛い思いをしました。
そして彼が辛い思いをさせてしまったという小さな
女の子がいます。
彼らの辛い思いを解きほぐします。
野々香らは小学生へ読み聞かせをしようと練習をします。

大崎さんは元書店員さんです。
本に対する思い入れが感じられます。

コフィン・ダンサー

2017-04-22 10:16:47 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"コフィン・ダンサー"を
読みました。
コフィン・ダンサーと呼ばれている殺し屋との対決です。
大人数の警察と一人で対決してひけをとらない殺し屋です。
リンカーン・ライムに依頼がきます。
武器商人のハンセンを刑務所に送りたいと思っている司法
関係者たちですが証拠がありません。
ハンセンが自家用飛行機で証拠らしいものを捨てに行った
のを3人の飛行機チャーター会社の社長やパイロットが
目撃しました。
副社長が操縦中に飛行機が爆破され亡くなりました。
ハンセンがコフィン・ダンサーと呼ばれている殺し屋に
三人の殺害を依頼したと思われます。
残った二人を守ることとダンサーを追い詰めることを
ライムらは微細証拠から見つけていきます。
保護施設に保護されている二人ですがダンサーは見つけだし
迫ってきます。
逃げる時に利用した女性を残酷に殺したり撃ちあいになった
警官を殺したりと容赦がありません。

ダンサーは追い詰められてジョーディというホームレスと
知り合い彼に助けられます。
心を開いて話し合っていたかのような二人です。
しかしどちらもすぐに裏切り合っています。
チャーター会社の女性社長でパイロットでもあるパーシーは
こんな状態に置かれながらも会社の運営のため荷物を運ぶことを
強く望みます。

監視下に置かれていた飛行機ですがダンサーの知能はすぐれて
います。
飛行機は危機一髪の状況下に陥ります。

後半は手に汗握る状況です。
どうなるのだろうとページをめくる手止まりませ。
身元が判る物がなにもない死体が出てきたところから急展開です。
えぇー、ということが明かされます。
そして事件そのものさえ違った様相を示します。

日本の警察物ではほとんどない銃撃戦が何度も派手に出てきます。
アメリア・サックスは銃撃の名人です。
最初の銃撃戦で躊躇したことにこだわっています。
ライムとサックスの関係も進展していきます。
おもしろかったです。

コフィン・ダンサーのコフィンというのは棺だそうです。
何の絵何だろうと思っていましたが、表紙の絵が現して
いるのがコフィン・ダンサーなのですね。

雨利終活写真館

2017-04-21 21:00:00 | 

芦沢央著"雨利終活写真館"を読みました。
巣鴨の路地裏にひっそり佇む、遺影専門の写真館が
雨利写真館です。
黒子ハナは美容師です。
クイズ好きの祖母が急死し三人の兄弟に遺言を残しました。
封筒には切手が貼られ宛名はハナの母になっていました。
しかし中の遺言には兄と妹だけに家とお金は残され母の
事はなにも書かれていません。
ハナは祖母が遺影を取った雨利写真館に手がかりを求めて
訪ねてきました。

写真館には終活コーディネーターだという夢子とカメラマンの
雨利、カメラマン見習いの道頓堀がいます。

遺言書の疑問を解いてくれた写真館にハナは雇ってもらいます。
ハナは有名美容院に勤めていましたが男に騙され店を辞めました。

橋川という老人が家族で写真を撮りたいとやってきました。
次男とその息子の孫と三人で撮りたいといいます。
孫が9歳のころその母親がマンションのベランダから落ちて
亡くなっています。
孫がその直後にベランダにいたことが見られており母親が
落ちたのに知らせなかったと思われてきました。
孫と孫の父親との間はうまくいかなくなりました。
写真を撮るため集まった三人、彼らの間のわだかまりの
原因にハナは気づきます。

写真館の倉庫から出てきた古い写真にはお腹に手を添える
妊婦と夫が写っていました。
メモには遺影として撮影したこと、<生きられない>と書かれて
います。
書かれていた電話番号に電話すると娘が出ました。
母は亡くなり父親は昔からいませんん。
同じ写真を持っており写真の人が父親だと言われてきました。
彼女は写真の人は母の不倫相手なのではと疑います。

一人の人が若い女性と遺影を撮りにきました。
同じ人が妻とも写真を撮りました。
出来上がった写真を違う相手に送るよう指示しました。
死んだあとまで残った人に苦しみを与えるのかとハナは指示を
破りそれぞれの相手に送るよう手配し、どうするか当人の連絡
しました。
葬儀の日に霊柩車が店の前に止まり、妻と息子が店に
入ってきました。

なかなかおもしろい話でした。
でも全体の主人公となる人がいないのでなんか物足りなさを感じます。
最初の話はすぐどういうことかわかりました。
クイズ好きならすぐ気づくはずです。
映画にも同じような話のありましたね。