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雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

火竜の山 南アルプス山岳救助隊 K-9

2017-06-11 14:17:32 | 

樋口明雄著"火竜の山 南アルプス山岳救助隊 K-9"
を読みました。
南アルプス山岳救助隊の静奈は夏美と共に岐阜県警で
行なわれる救助犬を使用しての救助の講演のために
岐阜県の新羅山の山麓に来ています。
静奈は救助犬バロン、夏美はメイのハンドラーとして
救助活動をしています。

沙耶の父の榎田智司は火山の研究者です。
両親は離婚していて沙耶は母と暮らしています。
沙耶はネットの掲示板で募集された新羅山の登山に
応募して山にきました。
呼びかけ人でリーダーは尾崎正樹で、付き合っている
山田美波が参加しています。
他に角田と北川が参加していて五人のパーティです。

直人と佳菜子は代議士の選挙に出ようとしている大村の
息子の翔太を誘拐し新羅山の山麓の使われていない別荘に
潜伏しています。

初対面同士の沙耶のパーティはパーティとして機能して
いません。
尾崎と三波は他のメンバーを気に掛けることなく勝手に
先に行ってしまいます。
それでも沙耶と角田は助け合って進んでいます。

翔太は12歳、顔を見られ名前も知られた直人は身代金を
奪ったら翔太を殺すつもりでいます。

直人は暴力団の金を横領し返却を求められ誘拐を思いつきました。
暴力団は警察の捜査が迫り直人らを危険な人物の殺害を
殺し屋のパク・サンウに依頼しました。

新羅山が噴火すると下山勧告が出されたのに、沙耶らの
パーティは無視して頂上を目指していました。

翔太はこのままでは殺されると手足の縛めを千切り山に
逃げ出しました。
気づいた直人らは翔太を殺そうと山の中に追って行きました。

新羅山が噴火しました。
静奈と夏美は犬を連れて救助活動に参加しました。
沙耶は新火口の近くにいてパーティのメンバーとははぐれて
しまいます。
翔太は直人らに追いつかれてしまいます。
殺し屋のパクは直人に近づいています。

火山の噴火で必死で逃げる人々、危険な中、救助に向かう
救助隊の人々、殺される恐怖で逃げ回る翔太、追う者と
山の中の様々な人々が描かれています。
はらはらして先が知りたくて読み進みました。

見知らぬ者同士がパーティを組んで登るなんてこと
よくあるのでしょうか。
高校時代に登山部に所属していましたが、どのくらいの体力が
あるか訓練の中でお互いよく知り合い、登山中は一番体力の
ないものに合わせまとまって登るものだと教えられました。
創部最初の部員で校庭にテント張ってカレー作って食べていた
ようないい加減なクラブでしたけどね。
この本にでてくるようなまったく他のメンバーを思いやらない
ようなこと理解に苦しみます。
命に関わるようなことに出会う可能性があるというのに
なんて山の知識がないことでしょう。
こんなふうならメンバーを募る必要はないでしょうに。

「禍いの荷を負う男」亭の 殺人

2017-06-07 21:00:00 | 

マーサ・グライムズ著"「禍いの荷を負う男」亭の
殺人"を読みました。
最初のうちは読み難くって嫌になりました。
訳が分かり難いのか元々の本がこういう物なのでしょうか。
登場人物のほとんどが嫌なところがある人ばかりです。
作者は人が嫌いなのかと思ってしまいます。
でもさすがに事件の捜査をするジュリー警部と、ノーサン
プシャーの元貴族のメルローズ・プラントはまともな人物
として描かれています。
メルローズの義理の叔母のアガサはとんでもない人物の
最たるものです。

事件は村の宿屋で次々と起きます。
酒樽に頭を突っ込んで死んでいたり、看板の人形の代わりに
吊るされていたりしました。
三人の誰だかわからないよそ者が殺された後に、牧師館の
メイドが殺されて発見されます。
発見されたのは後ですが彼女が最初の被害者です。
彼女がいつも腕にはめていたブレスレットと日記帳が見つかり
ません。
牧師がブレスレットを発見したその日に殺されました。
彼女が昔の事件の真実を今になって知り関係者を脅そうとした
ことが今回の5人の殺人の始まりでした。

ジュリーは毎日のように起きる殺人を解決するため全力で
取り組みます。
ヴィヴィアンという30歳になったら父親の遺産を受け継ぐ
ことになっている魅力的な女性に心惹かれています。
彼女は子供のころ馬に乗っていて父親を馬が蹴り殺したと
いう心の傷を負っています。
義理の姉には少しの遺産しか残されていなく妹の遺産を狙って
つきまとっています。

メルローズはジュリーに信用されて捜査内容を打ち明けられ
相談にのっています。

アガサ叔母のとんでもなさは蹴っ飛ばしてやりたいぐらいです。
しかしメルローズは腹を立てるでもなく彼女に付き合っています。
メルローズの使用人の方がアガサに切れて使用人にあるまじき
言葉を投げかけるしまつです。
彼女は杖をついているのですから年寄のはずですが甥が死んで
遺産が自分に転がり込んでくるのを夢見ているのですから
あきれたものです。
メルローズはお金にも心にも余裕があるからおもしろがって
付き合っていられるのでしょうね。
読者である私の方がこんな人物たまらないと思ってしまいます。

帰り船 風の市兵衛

2017-06-06 10:32:13 | 

辻堂魁著"帰り船 風の市兵衛"を読みました。
今回は醤油問屋の広国屋に雇われます。
主の甚兵衛には久と昌の三歳の双子の娘がいます。
妻は亡くなって姉の美咲が子供の面倒をみています。
美咲の実家を通しての依頼です。
甚兵衛と使用人たちの間が上手くいってなく使用人が
何か企ててているのを探り出すことが目的です。
甚兵衛は店の仕事からはうまくあしらわれて手出しが
出来なくされています。
美咲は帳簿を見て不正が行われていることを感じています。

店を牛耳っているのは頭取の伊右衛門です。
古川藩の御側用人の小此木と手を組んで木綿の抜け荷を
しています。
醤油を運ぶため利根川を行き来している広国屋の高瀬舟に
木綿を紛れ込ませ江戸の藩邸まで運んでいます。
伊右衛門らはいずれ店を乗っ取るつもりでいます。

市兵衛は相手の中へ入り込んで悪だくみを探っていきます。
終盤は兄の部下の弥陀ノ介も加わって船上での大立ち回りと
なります。
一巻に登場した異国の武芸者の女の青も登場します。

蝶たちは今…

2017-06-05 21:00:00 | 

日下佳介著"蝶たちは今…"を読みました。
ミステリーですがだいたいの犯人や状況は初めのころ
から登場人物たちが語っている通りです。
楽に読めて何となく最後まで読んでしまう本です。

康雄と拓也は飛騨に旅行に行きました。
康雄がバッグを間違えらててしまいます。
その中に入っていた手紙はすでに亡くなっている蓮田直子
から亡くなっている妹尾秀人に宛てたものでした。
二人の間には接点がありません。
この間違いから康雄、拓也、康雄の友人の和子と康平と
謎を探ることになります。
妹尾は17年も前に亡くなっています。
妹尾は現在の柳原英会話学院の理事長をしている美栄子と
学生時代に付き合っていて事故死した時に美栄子を含む
友人らと東北を旅行をしていました。
ウラナミシジミという蝶がいると美栄子に教えられ見に
行って崖からおちました。

蓮田直子は3年前に亡くなっています。
死ぬ前に美栄子の学院に英語の教材を沢山売っています。
彼女は別荘地で学院の外人講師と無理心中をしたということで
処理されています。

美栄の元へは毎日蝶の絵のハガキが届いています。
3年前も届き一旦止んでいたのがまた届くようになりました。

直子の幽霊が現れます。
姿をみられたり電話を架けてきて名乗ったりします。

そんな中康雄が車で轢き逃げされ亡くなります。

幽霊を装って美栄子を脅したがため何人もの人が亡くなって
います。
警察は真実を知ることなく過ぎてしまっています。
手を下した犯人が悪いのは決まっていますが、そんな状況に
追い込んだ人物って裁かれることはないのでしょうか。
法律で裁かれなくてもきっと報いはうけると思うのですが
うまく生き抜けてしまう人もいるのでしょうね。

剣の道殺人事件

2017-06-04 21:00:00 | 

鳥羽亮著"剣の道殺人事件"を読みました。
1990年の江戸川乱歩賞受賞作だそうです。
大学の剣道部の人々が関わった事件です。
全日本学生剣道大会で武南大と京体大が決勝戦で
対戦しました。
副将どうしの石川洋と岸本が戦いました。
審判やたくさんの観客の目の前で石川が腹を錐のような
もので刺されて死にました。
誰も刺された所を見た者がいません。
一番近くにいた岸本が疑われますが大勢に見られている
試合中に出来ることではありません。

一年前に城東大学の早坂陽子が自殺しました。
鏡に口紅で風風風と風が3つ書かれていました。
恋人だった大林京介は剣道部員でしたがこのことが元で
退部し大学まで行かなくなりました。

京介の叔父は刑事でこの事件を捜査しています。
剣道をやっていて剣道部のことに詳しい京介に話しを聞きに
きます。
京介が事件に関わることになります。

石川洋の座右としているのが春風で兄の守が松風であることを
知り一年前の陽子の事件と重ね合わせます。
彼ら兄弟の生い立ちを調べます。

やがて守が殺され岸本までもが死体で発見されます。

父親に得意とする小手、面、胴のそれぞれの得意とするわざを
いつのまにか刷り込まされた息子たちです。
遠大なことを実行するものです。

大勢の面前で腹を刺された方法、読んですぐわかりました。
これしかないでしょうとわかります。
ただ引き金になった最初の傷はどうしたのかはわかりませんでした。

陽子、直後でショックのあまり自殺に走ったのでしょうが
自殺などするな、っていいたいです。
こんなことはねのけて生きて欲しいです。
何が起こったのか残したメッセージは恋人にではありませんでした。

首無しの如き祟るもの

2017-06-03 10:02:10 | 

三津田信三著"首無しの如き祟るもの"を読みました。
時代は戦中、戦後です。
場所は奥多摩の山村です。
雰囲気はどこか横溝正史風です。
媛神村には淡首様や首無の伝説が残っていて祟りを
恐れています。
旧家の秘守一族が君臨しています。
秘守家は一守、二守、三守家に別れていて一守家が
束ねています。
この本は駐在所の高屋敷巡査の妻の妙子が作家となり
過去の出来事を書いたという形式になっています。
一守家に5歳で引き取られ使用人として育てられた
斧高の目線と高屋敷巡査の目線で書かれています。
一守家には長寿郎と妃女子という双子がいました。
斧高は長寿郎の世話についていました。
子供は13歳、23歳、・・と3のつく年齢の時に
夜に媛神堂へ行く風習がありました。
13夜参りの時に妃女子が堂の前にある井戸に落ちて
死にました。
首がありませんでした。
6歳の斧高が内緒で長寿郎を見守っていました。
山は密室状態にありました。

十数年経って長寿郎の三人の娘との見合いがやはり媛神堂で
行なわれることになりました。
二守家の娘、三守家の娘に親類の娘の毬子の三人です。
やはり斧高と高屋敷が見守っていました。
媛神堂の中で鞠子が首を切られて亡くなりました。。
長寿郎の姿が消えています。
数日後に長寿郎も死体で見つかります。

何十年後かに妙子が連載でこの出来事を連載しました。
書かれたことでまた動きがあります。

斧高は冷たく扱われていますが長寿郎だけがやさしくして
くれました。
彼は長寿郎のことがとても好きで大切にしてきました。

事件の真相は作家の刀城言耶が解き明かします。
そういうことかと納得すると、いやそうではないとひっくり
返して別の解釈が述べられます。
これが何回も繰り返されます。
あとの二つぐらいはうんざりしてせっかくの話しがしらけました。
やりすぎだと感じます。

祟りに振り回されていいことなしです。
長く続いた家には滓みたいなものが澱んでくるものなのでしょうか。

雷神 風の市兵衛

2017-06-01 10:03:51 | 

辻堂魁著"雷神 風の市兵衛"を読みました。
シリーズ二作目です。
算盤侍の市兵衛は今度は呉服屋の磐栄屋に雇われました。
磐栄屋は跡取り息子は買いつけに行った途中で
亡くなりました。
主も夜道で斬られましたが、川に転げ落ちたため
止めを刺されずに済みました。
磐栄屋は土地の召し上げで別の場所へ移れと強制されて
いますが理不尽な言いつけに頑として従おうとはしません。
番頭や手代などが引き抜かれて今は年若いものと
まだ子供の小僧しか残っていません。
19歳の娘のお絹が頑張って店を続けようとしています。

市兵衛は兄が死んだ買い付けにお絹は市兵衛を連れて
出かけていきます。
若い娘であることで買い付けは思うようにいきませんが
ようやく仕事をまとめた帰途に彼らは襲われます。
兄が殺されたのだということを確認します。
その中に1作目に登場した三人の武道家の娘の一人が
生き残っているのを目にします。

この立ち退きの裏にいるのは同業者の岸屋です。
お金をばらまき幕閣に取り入り悪だくみを進めています。
市兵衛の兄である小人目付の片岡信正と家来の返弥陀ノ介が
この出来事を知り関わってきます。

この後は弥陀ノ介も加わっての襲い掛かってくる者らとの
戦いの場面となります。
山で助けられた女も別口で挑んできます。

今回は店の経営を立て直すというわけではなく悪人どもから
店を守る用心棒の意味が強い話でした。
市兵衛、片岡信正、弥陀ノ介とかっこいいです。

静寂の叫び

2017-05-31 13:22:50 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"静寂の叫び"を読みました。
リンカーン・ライムのシリーズのディーヴァーさんですが
この本は初期のものだそうでライムは登場しません。
主人公はアーサー・ポター、FBIの人質事件の交渉を
担当する人です。
刑務所からルー・ハンディ、シェパード・ウィルコックス、
レイ・ボナーの三人が脱獄しました。
途中で夫婦を殺し、行き合った聾学校の生徒8人と先生2人を
人質にして食肉加工の廃工場へ逃げ込みました。
3人のリーダー格はルーです。
ポターはカンザス州へ呼ばれて交渉の指揮をとることに
なります。
彼らはどうして手にしたかたくさんの武器を持っています。
ルーは人を殺すことにまったく心が動かされることなく
平気で行なえる人物です。
最初の交渉で年長の生徒が理由もなく殺されてしまいます。
人質の一人に教育実習生のメラニーがいます。
自信がなさそうな人物に見られます。
農場経営者の父親との間には確執があります。

対話を繰り返し少しづつ信頼関係を築く努力を続けます。
メラニーの機転で子供たちは数人づつ外へ逃れます。
ポターは無断で行動を起こす州警察や、法務次官補の
横槍や、情報を筒抜けにするマスコミの報道などを
処理しながら人質犯との交渉は続きます。

警察に取り巻かれ逃げ場などないようにみえるのにルーは
焦りをみせることなく平然としています。
過去にルーと交渉したことがある女性警官が現れたことで
事件はルーが降参したことで解決をみます。

これで終わったかに見えた事件はポターが家に着く前に
様相を変えてしまい、ポターはまた事件現場へ引き戻されて
しまいます。
驚くべき事実がわかってきます。

ポターにしろメラニーにしろ今後の人生が狂ってしまうだろうと
思う出来事です。
大勢の人が殺されています。
ポターといっしょに事件に取り組んだ州警察のバットも
亡くなりました。
ルーという性格の異常な人間のためなんと多くの人が
振り回されたことでしょう。
メラニーには最後の選択はして欲しくはなかったです。

風の市兵衛

2017-05-29 21:00:00 | 

辻堂魁著"風の市兵衛"を読みました。
シリーズになっていてその最初の巻です。
武家の心中死体が見つかりました。
男は高松道久です。
残されたのは妻の安曇と8歳の息子の頼之です。
借金も50両あるということです。
宰領屋の矢藤太の紹介で市兵衛は高松家の経済を
見るため半期の約束で雇われます。
高松は幼馴染の石井と1年前から付き合いを再開しました。
彼は几帳面に日記を書き残しています。
いっしょに死んだ女のことはどこにも出てきません。
女は中山絵里、夫は婿養子で丹波といいます。
石井は薬種問屋の柳屋と付き合いがあります。
柳屋は津軽と呼ばれている阿片の販売に手を出しています。
柳屋はロシア船との阿片の密輸に関わっています。

阿陀ノ介という男に市兵衛と頼之は人目付片岡信正の屋敷へ
連れていかれます。
頼之は市兵衛が片岡の異母弟であることを知ります。
市兵衛は13歳の時に家を出て各地でいろんなことを
学んできました。
市兵衛は高松が片岡の指図で阿片密輸について調べて
いたことを知らされます。

高松家にふりかかった災難の原因を取り除き今後の
生計の道をつけてやります。
風の剣と呼ばれる腕を持ち、悪人を懲らしめていきます。
面白かったです。

しあわせの香り 純喫茶トルンカ

2017-05-28 21:00:00 | 

八木沢里志著"しあわせの香り 純喫茶トルンカ"を
読みました。

"午後のショパン"
多田千代子は喫茶店トルンカに二十年間通っています。
苦しかった時期にトルンカでコーヒーを飲むことで乗り
越えました。
トルンカではショパンの曲が流れています。
エオリアン・ハープという曲を聞くと子供のころの思い出が
蘇ってきます。
小さな子供のころ近所の家の武彦さんという人の家で
この曲を聞きました。
彼は戦争に行き、帰ってきましたが心を閉じてしまいました。

"シェード・ツリーの憂鬱"
シェード・ツリーとはコーヒーの木を守るために植えられた
バナナのような木を指します。
トルンカのマスターの娘の薫が亡くなる前に浩太に妹の雫の
シェード・ツリーになってくれるよう頼まれました。
バレー・ボール部の先輩の野原に浩太は嫌がらせを受けて
います。

"旅立ちの季節"
イラストレーターの絢子は厳しい仕事とアルバイトをして
暮らしています。
絵を学んでいた大学の時に付き合っていた本庄に出会いました。
本庄はうつ病になって仕事を辞めました。
ちょうどアルバイトが辞めることになったのでトルンカに
彼を紹介しました。
そして空いている部屋を貸すことにしました。

この本前巻があるんです。
なんか前に読んだ気がしました。

西洋菓子店プティ・フール

2017-05-27 21:00:00 | 

千早茜著"西洋菓子店プティ・フール"を読みました。
亜樹は有名な菓子店で働いていました。
今は祖父の菓子店で働いています。
弁護士の祐介という婚約者がいます。
澄孝は亜樹が元勤めていた店の後輩です。
亜樹にあこがれていました。
ミナは澄孝が好きですがその気持ちを押さえて休みには
澄孝のスィート食べ歩きに付き合っています。

亜樹はお菓子を入れている紅茶専門店で接客をして
お客さんの様子を見てお菓子に活かしています。
おじいさんのお菓子作りには学ぶところが多いです。

夫婦仲がうまくいっていない女性が店にきて大量に
買っていきます。
亜樹は嫌な顔をします。
彼女が過食症で大量に食べた後吐いていることがわかるから。

澄孝は亜樹と再会してから休みには二人で菓子作りに
熱中しています。
ミナは悔しい思いでみています。

祐介は亜樹との結婚を伸ばそうと提案されます。
亜樹には理由がわからず別れると言ってしまいます。

おじいさんの店はイートインできるよう改装中です。
そんな中、起きたら祖父母がいなくなっていました。

特に強烈な出来事もなく淡々と読めます。
ずっとお菓子を作り続けてきたおじいさんが一番好きかな。

お狂言師歌吉うきよ暦

2017-05-26 21:00:00 | 

杉本章子著"お狂言師歌吉うきよ暦"を読みました。
水野忠邦が享保の改革を実施していた時代の話です。
この本を読む一日前にちょうどNHKで水野忠邦と
遠山金四郎との確執を描いた話を見ました。
水野には榊原主計頭、鳥居甲斐守、水野越前守という
三人の腹心の部下がいました。
テレビを見ていたおかげで話しの内容がすっと頭に
入ってきました。
そうでなかったらなんかよくわからない話って思った
ことでしょう。

駕籠かきを抱える家の娘のお吉は踊りをならっています。
大名の屋敷で踊りを披露する一座に加えられることに
なりました。
ずっと一緒に踊りを習ってきたお糸に妬まれ顔を
傷つけられました。
お吉は踊りでの名を歌吉といいます。
彼女は踊りで身を立てようと決心します。

歌吉の前に日向新伍、岡本才次郎という二人が現れます。
彼らはお小人目付で隠密です。
姉弟子の歌津代は榊原主計頭の妾をしています。
日向らは歌吉に歌津代に近づき榊原を探る手伝いをして
くれるよう頼みます。
歌吉は引き受けることになります。
老中の水野忠邦が失脚した時に榊原らは水野を裏切ります。

お糸のその後、歌津代の元恋人との関係なども描かれます。
危険を承知で舟遊びに出かける歌吉、危険はやはり現実の
ものとなります。

12番目のカード

2017-05-25 11:08:37 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"12番目のカード"を
読みました。
ハーレムの高校に通う16歳のジェニーヴァが図書館で
調べものをしていた時に襲われました。
頭のいい彼女は犯人の裏をかいて逃れました。
現場にはタロットカードの"吊るされた人"のカードが
残されていました。
このカードの意味は悪いものではないということです。
彼女は学校の課題で自分の祖先の解放奴隷であるチャールズ・
シングルトンのことを調べていました。
彼は140年前窃盗で捕まりました。
しかし無罪を主張しました。
真実を明かしたら罪は免れるのに話せないと家族への
手紙には書かれています。

ライムらはただのレイプ事件ではなく過去を調べている
ジェニーヴァを殺そうとしたのだと判断します。
ジェニーヴァは大叔母の家で再度殺されかけました。
この時に新人警官のロナルド・プラスキは頭を殴られ
大けがをしています。
ジェニーヴァは大学教授の娘で両親は海外に行っていると
言いますがいっこうに姿を現しません。
彼女は優等生で学業に専念しいい大学を目指しています。
こんな時でもテストを受けたいと警察を困らせます。

犯人側から見た状況も挟まれています。
犯人は二人いるように思われています。

証拠品を調べるうちに段々とジェニーヴァの祖先が原因では
なく別の原因で狙われているのではないかと考えられる
ようになります。

ジェニーヴァ自身の秘密、祖先のシングルトンの事件の
真実、ジェニーヴァが命を狙われる本当の理由は何か。
ひっくりする結末です。

たぶんそっとしておけば何も起こらなかっただろうに
寝ている子を起こしたような結末です。

ジェニーヴァはたくましいです。
決してへこたれることなく人生を生きていくのだろうなと
思わせる女性でした。

140年前の祖先ってたどれるものなのでしょうか。
自分を振り返ってみると親や祖父母がどんな人生を過ごして
きたのかさえたいして知らないことに愕然とします。
でも普通そんなものではないのかな。

奇妙な絵柄 占い屋重四朗江戸手控え

2017-05-18 21:00:00 | 

池永陽著"奇妙な絵柄 占い屋重四郎江戸手控え"を
読みました。
"占い屋重四郎江戸手控え"の続編です。

重四郎は占う人を目をつぶって前に座ってもらいます。
数分か数時間後に重四郎の頭にその人の将来の場面が
浮かんできます。

材木商の三国屋伝兵衛を過去に占ったことがあります。
火事の場面で三国屋は笑っていました。
三国屋はその後火事で大儲けしました。
その時の火事で家族を失った重四郎の行きつけの飲み屋の
主の芳蔵を占うと崩れる三国屋の蔵の前で微笑んでいる
芳蔵の姿がみえました。

浪人が富くじで千両を当てて喜ぶ未来を見ました。

三国屋の用心棒の小山内が病身の妻八重を占って欲しいと
やってきます。
八重を占うと真っ白な場面が見えてどう解釈していいか
わかりません。
重四郎はもう長くはない八重に心が惹かれます。

香具師の妾をしているおよしが飼い猫がいなくなったと
行方を占って欲しいとやってきます。

大身の旗本の家来が下女奉公しているらしい女を連れてきて
身ごもっている赤ん坊が男か女か占えとやってきます。
女の子なら母子ともに殺すつもりでいます。
女は占わせないよう必死です。

重四郎の友人の佐内が揚弓場の女に惚れました。
恋敵がいます。
二人は戦うことになります。

重四郎が心惹かれる八重の顛末。
地震で壊れた蔵の前にいた三国屋の顛末はいかに。

全体に三国屋の話が続きますがその間に単発の話が組み込まれて
いるといった感じになっています。

未来を知ったところでいいことがあるようには思えません。
私は知りたくないです。

昨日のまこと、今日のうそ 髪結い 伊佐次捕物余話

2017-05-17 10:06:13 | 

宇江佐真理著"昨日のまこと、今日のうそ 髪結い
伊佐次捕物余話"を読みました。
シリーズ14作目ですね。
題名に捕物と入っていますが捕物の話もありますが
登場人物たちの日々を描いたところが大部分です。
主人公のはずの伊佐次は影が薄く今は子供たちの
世代の話が多いです。

伊佐次が出入りしている北町奉行所の同心友之進の
息子の龍之進に息子が生まれます。

伊佐次の弟子の九兵衛は魚問屋の魚佐の娘のおてんと
付き合っています。
他の娘が気になったのとおてんとは釣り合いが取れないと
別れようとした九兵衛です。

友之進の娘の茜は松前藩の下屋敷に奉公に行っています。
跡継ぎの良昌は病弱です。
茜に会いたがっています。

絵師の弟子として修行している伊佐次の息子の伊予太に
弟弟子がやってきました。
優れた才能がある芳太郎と接して伊与太の心が揺れます。

龍之介と鉈五郎は上役に内部に押し込みに通じている者が
いると、その探索をするよう命じられます。
ようやくに九兵衛とおてんとは夫婦になっています。
おてんの実家の魚佐が押し込みに狙われているようです。

漬物やのおとよは一人娘です。
親の勧める縁談が嫌で手代の信助と強引に結婚しました。
その時に信助の昔犯した罪を聞きました。
店は順調に成長しました。
信助と気が合わない店主が殺害されました。
おとよは夫が犯人ではないかと悩みます。

茜は辛いのになぜ必死に奉公しているのでしょうね。
親も帰ってきてもいいと言ってくれているのに帰ってきません。

伊与太もこれからどうなっていくのでしょう。
伊佐次の娘のお吉は髪結いの修行中です。

作者の宇江佐さんはお亡くなりになったそうです。
あとこのシリーズはたぶん残り1冊です。
ずっと登場人物の生き方を追っていきたかったのに残念です。