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雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

時限病棟

2017-04-20 21:00:00 | 

知念美希人著"時限病棟"を読みました。
"仮面病棟"の姉妹版というのでしょうか。
繋がりはないのですが場所が同じ田所病院です。
前の出来事で病院は閉鎖され今は廃病院となっています。
梓は病院のベットの上で目覚めました。
誰かに拉致されここに連れてこられました
同じように外科医の月村、やはり外科医の小早川、
麻酔科医の七海、派遣の桜庭、梓は看護師です。
医療関係者たちです。
廃病院は外に出られないよう手が加えられています。
六時間ほど後に点火されるようガソリンがセットされています。

ピエロの絵とヒントが書かれており、それを解いていくと
次の指示があります。

一年半前にこの病院で映画監督の狭間が建物から落ちて
病院に搬送され手術を受けましたが亡くなりました。
外科医で参加型アトラクションの開発者であった芝本が
転落している狭間に気づいて自分の勤務している病院へ
運び手術もしました。

祖父江春雲というゴシップを書くジャーナリストに
芝本が狭間を殺したのだという記事を書きました。
身近なことや過去の出来事を悪意に満ちて書きまくられ
芝本は自殺しました。

手術室には開腹手術を施され麻酔管理をされた祖父江が
手術台に寝かされていました。

ヒントを追及していくうちに彼らは全員が芝本と関係が
あることがわかってきます。
月村は芝本の上司、小早川は学生時代からの友人、梓は
アトラクションのファンということで知り合いました。

やがてピロは狭間の事件の真相を突きとめよと言って
きます。
その後は芝本の自殺も殺人とし、真実を突きとめることを
要求してきます。

次々に現れるピエロの指示をといて行くというおもしろさ、
誰が行っているのだろうという興味でおもしろく読みました。
前の"仮面病棟"よりこちらの方がずっとよかったです。

警察の無能さ、医師たちの自分の利益だけ追及する姿勢
なんとも嫌な気分になります。

京都寺町三条のホームズ

2017-04-19 10:23:43 | 

望月麻衣著"京都寺町三条のホームズ"を読みました。
京都の高校生の真城葵は寺町三条の骨董店「蔵」を
訪れオーナーの孫の大学院生家頭清貴と知り合いました。
葵は東京から引っ越ししてきました。
ボーイフレンドが親友と付き合いだしたと聞いて東京に
行く旅費のため家にあった骨董品を売ろうとしたのです。
葵は蔵でアルバイトをすることになりました。
清貴の祖父は骨董の世界では能力のある人です。
父は骨董で生きるのを諦め作家をしていて、店番を手伝う
ことがあります。
清貴は祖父に手ほどきされて深い知識があります。

岸谷は漫画家です。
亡くなった父に仁清の茶碗を残されました。
この茶碗にはどんな思いが込められているのか。

呉服屋の娘の沙織が葵祭の斎王代に選ばれました。
脅迫状が届くようになりました。
妹の香織は葵と同じ高校に通っています。
沙織には二人の仲違いした友達がいます。

百万遍知恩院のフリーマーケットに清貴と葵は出かけました。
店を閉める骨董品店の店主が品を並べていました。

鞍馬のある家に行くことになり、清貴と葵はハイキングと
川床での食事の傍らに訪ねました。
亡くなった父親が三人の息子にそれぞれ掛け軸を残しました。
その掛け軸が誰かに燃やされました。
掛け軸の絵の意味は。

葵が会いにいこうと思っていた元の同級生たちが京都に
学校行事でやってくることになりました。
ボーイフレンドと親友だった女友達に会うことに普通の
気持ちではいられません。

ホームズと言われている清貴は物事を見抜くことができます。
この本は十代、二十代向けのものなのだろうなと感じます。
それ以外の年代だって楽しむことはできますけどね。

なくし物をお探しの方は二番線へ 鉄道員・夏目壮太の奮闘

2017-04-16 21:00:00 | 

二宮敦人著"なくし物をお探しの方は二番線へ
鉄道員・夏目壮太の奮闘"を読みました。
"一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常"
の続編です。
蛍川鉄道の藤乃沢駅の駅員壮太が主人公です。
3つの話から成りますが繋がりがあり長編といっても
いいです。

"クロエと偽駅員"
フランス人でヴィオラ奏者のクロエは祖父の自慢して
いた日本の鉄道に乗りに来ました。
壮太が案内することになります。
猛烈なラッシュ時の列車等クロエは幻滅しました。
偽の駅員に切符を取られたと怒ります。

"ヒゲヨシと見えない運転手"
ホームレスのヒゲヨシはマツに教えられ夜に藤乃沢駅に
入り込んで寝ていました。
時々夜遅くに貨物列車が駅に入って来て5分ほど停車します。
ヒゲヨシは運転手に話しかけ少しの時間話をするのを
楽しみにするようになります。
ヒゲヨシは過去に家族、仕事を失い自殺を企てたことが
あります。
運転手の清水も妻と子を亡くしています。
彼が自殺を考えているのではないかとヒゲヨシは心配し
壮太らに助けを求めます。
調べても清水運転手は社員の中にいません。

"進藤純一とちっとも会えない本間直子"
純一と直子は食べることが好きでそれぞれ食品会社に
就職しました。
二人は電話だけで話し、直子は遠くにいると言って会おうと
しません。
純一は人に勧められないような食品を売ることに嫌気が
さしています。
辛い気持ちで電車に乗っています。
仕事もうまくいっていて家族に恵まれていそうないつも見る
男性がいます。
子供が作ってくれたしおりを大事にして本を読んでいます。
その栞が風にとばされ窓から出ていきそうになりました。
純一はとっさにつかもうとして窓から身を乗り出しすぎて
列車から落ちてしまいます。

直子が今どこにいるのか彼女のもらした言葉から清水運転手が
当てました。

最後の場面はヒゲヨシが雇ってもらった小料理屋での
パーティです。
直子も料理を作ります。
クロエ、ヒゲヨシ、マツ、清水、純一達に藤乃沢駅の
駅員達もやってきます。
人と人が繋がっていきます。
純一は車掌登用試験を受けることを決意します。

一人の人がある人にはとても幸せな人に見え、別の人
にはとても孤独で不幸せな人に見えるなんてまったく
正反対のことってあるのかな。

人々の暖かいふれあいが描かれていて気持ちよく読めます。
純一が駅員を離れることになるとシリーズはこれで終了なのかな。

みやこさわぎ お蔦さんの神楽坂日記

2017-04-15 21:00:00 | 

西條奈加著"みやこさわぎ お蔦さんの神楽坂日記"を
読みました。
シリーズ3冊目です。
お蔦さんは元芸者で今は履物屋をしています。
元気ではっきりした女性です。
高校一年性の望と暮らしています。
望の両親は北海道に転勤になり別れてくらしています。
料理の出来ないい祖母に代わって食事の支度は望が
やっています。
家には祖母の義弟に当たる画家の奉介が一緒に暮らして
います。
いろんな揉め事がお蔦さんのところへ持ち込まれます。

娘は自分の子なのかと疑る父親。

お客と結婚することになった芸妓が婚約指輪を持って
行方がわからなくなる出来事。

三つ子を置いて家を出ていった妻。

母親の形見の絵を巡ってもめる姉妹。

昔の近所の住人の家族から贈られてきた鮎を巡る話。

高校生が高額なお金を誰かに貢いでいるように見える話。

本の題名になっているみやこさわぎが一番心に残る話かな。
長年の恨みを晴らす話なんだけどこんなことしても心は
晴れないのではないかと思います。
すべてを畳んで姿を消した男性。
良くないことをしたのは確かだけどこのままホームレスに
なって死にました、なんてのは止めて欲しいですね。
どこかで出直してしっかり生きましたとなって欲しいです。

三つ子の話の夫、ずいぶん勝手な人です。
家事、育児を一人で完璧にこなすことが妻の役目って思っている
人です。

きっぷよく物事を解決していきます。
料理上手な望やその父親が料理をする場面楽しいですね。

恋糸ほぐし 花簪職人四季覚

2017-04-14 21:00:00 | 

田牧大和著"恋糸ほぐし 花簪職人四季覚"を
読みました。
登場する人物たちがやさしい人たちでゆったりと
した心持で読めます。
花簪職人の忠吉は仕事先の親方が亡くなり、娘と
兄弟子とこじれてひまを出されました。
長屋も出ていくよう言われて困っていた時に大中寺の
住職の以風がやって来て寺に来るように言われます。
以風は子供のころを寺で一緒に過ごした幼馴染みです。
杉修和尚は隠居して庵で暮らしています。
忠吉は和尚の世話をする寺男の仕事をすることになります。
庵には十歳ぐらいのさきという女の子がいました。
さきは何かの出来事で耳が聞こえず口もきけません。
人を怖がります。
怪我を助けられ人になついた瑠璃が寺に居ついてるりの
友達となっています。

料理の特異な忠吉は三度の食事を作り寺の仕事の傍ら
花簪作りも始めます。
寺に話を聞いてもらいにくる人たちの聞き手ともなります。
さきのまわりに怪しい女が出没します。

最後にはさきの秘密が明かされ、さきは耳も治りしゃべれる
ようになって寺を去っていきます。

さきを苦しめているのは何なんだろうと思いつつ読みました。
忠吉、幼名大吉の住職の以風、杉修和尚との暖かな雰囲気が
いいですね。

猿の石

2017-04-13 10:20:03 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"猿の石"を読みました。
今回は中国の蛇頭との闘いです。
ゴーストと呼ばれている蛇頭の殺し屋が船で不法入国者
たちを連れてくるとの情報でリンカーン・ライムが
関わることになります。
まもなく海岸に到着するという船の位置を見つけ出し
沿岸警備隊や警察が捕まえる寸前にゴーストは船を
爆破しました。
閉じ込められていた密航者たちは抜け出してゴムボートで
岸を目指しました。
あとから追いかけるゴーストが密航者めがけて発砲します。

上陸した二家族は別々に部屋を借ります。
やはり密航者の医師と中国の刑事が見つかっています。
刑事のソニー・リーはライムらとゴーストを追うことに
なります。

海岸にゴーストを迎えに来ながら警察に恐れをなし
逃げた車の運転手を無残に殺します。
次に密航者に部屋を提供した中国人秘密結社の堂(トン)の
会長マから情報を聞き出し殺します。

ゴーストはまずウー一家を狙います。
そしてチャン一家へも手は伸びていきます。

ライムたちはそれぞれの現場に残された微細証拠の
鑑定結果から求めるものへ行きつきます。

石の猿とは死に逝く者が必死に残した証拠物件と
なったもののことです。

最初からなんかへんな話だという思いがつきまといました。
なぜ船を爆破する必要があるのか。
なぜ逃げた密航者たちを執拗に殺そうとするのか。
まったく意味がない行動に見えました。
大勢の船員たちが死にました。
現実にゴーストと密航者は警察が到着する前に岸に
到着できたのですから時間はあり爆破する必要など
ないのです。
なぜ密航者たちを殺さなければならないのか。
医師と刑事がすでに警察の手にあるのですから秘密が
もれるからという理由はあてはまりません。
ゴーストは精神異常者なのかと思いました。

その理由は最後に明かされます。
大きな力でねじ伏せられしまう庶民という構図で
なんとも重苦しい話です。
賄賂が横行し物事は捻じ曲げられてしまう。
こんな中で人はどうやって心の平安を保ち生きていけ
ばいいのだろうと思ってしまいます。

ヒポクラテスの憂鬱

2017-04-07 21:00:00 | 

中山七里著"ヒポクラテスの憂鬱"を読みました。
浦和医大法医学教室を中心に事件や事故で解剖を
行なう人々を描いた"ヒポクラテスの誓い"の続編です。

世界的権威の老教授の光崎の元にキャシー准教授と
新しく仕事をスタートさせる真琴が加わりました。
埼玉県警捜査一課の古手川がいつも疑問がある死体を
教室に送り込んできます。
警察の掲示板にはコレクターと名乗る者から自殺、事故死
の中には殺人があると書き込みが頻繁に入るように
なりました。

"堕ちる"
十六歳の人気の歌手の亜由美がコンサート中に舞台から
落ちて亡くなりました。
大勢の人の前で起きたことで事故とみられましたが
解剖をしてわかったことがありました。

"熱中(のぼ)せる"
同棲中の男女の女の娘が熱中症で亡くなったと見られました。
親たちは二時間車に子供を置いてパチンコをしていました。
解剖でわかったことはおそろしいことでした。

"焼ける"
新興宗教の教祖が火事で焼死体で見つかりました。
狂信的な信者たちの遺体を返せという要望を拒否して
解剖が行われました。

"停まる"
高圧電線に止まる鳩を脅すために小学生が大声を上げたら
老人が倒れました。
心不全の病死と見られました。
認知症で夫にDVを振るうようになった妻が何かしたかと
見られました。

"吊るす"
若宮茜の姉の涼音は首吊り自殺しています。
涼音は自殺をするような弱い人ではありません。
勤めていた銀行の金を横領したとされています。
同じように時枝継男の姉の夏帆も自殺とみなされ
横領したとされています。
すでに遺体は荼毘にふされ解剖のしようがありません。
二人と知り合いだった男がみつかります。

"暴く"
コレクターは前の事件でわかりました。
ただし自分たちが関係した事件しか書き込みはしてないと
いいます。
残りは別人が書き込んだのか。
古手川の同期の女性警官が自殺しました。
彼女は妊娠していました。
不倫をしていたと遺書を残しました。
解剖をして意外なことがわかります。

興味深い話でした。
事故、自殺で済まされてしまうものの中には殺人が
含まれています。
光崎は鮮やかな手さばきで解剖し豊富な知識で真実を見つけて
いきます。
古手川と真琴はお互い気になるようです。
古手川は別の本にも登場している刑事さんですね。

老いの入舞い 麹町常楽庵月並の記

2017-04-06 21:00:00 | 

松井今朝子著"老いの入舞い 麹町常楽庵月並の記"を
読みました。
常楽庵の庵主は元大奥勤めをしていた志乃です。
世話をする梅の井と下働きの大きく無骨なゆいと住んでいます。

新米の北町奉行所定町廻りの間宮仁八郎は上役に時々
常楽庵を訪ねるよう命令されました。
女たちにいいようにあしらわれいつも不機嫌な顔で
仁八郎は帰っていきます。

平野屋のおせちが巳待ちの集まりに常楽庵へ来た帰りに
姿を消しました。
三百両の結納を持ってくる葛西屋の次男との婚礼が
間近でした。

嘉村屋惣兵衛方の離れから火が出て離れが焼け落ち
半身不随となり隠居していた惣兵衛が焼け死にました。
娘のりつは義母と番頭が仕組んだ火事だと訴えます。

常楽庵の弁天様を祭ったお堂の裏で屋茶の看板娘の
おいねが殺されました。
老いねは身ごもっていました。
老舗酒屋の道楽息子と付き合っていたらしいとわかります。

篠井備前守の屋敷に女中奉公に行っていた町人の娘のおとわが
斬られて川に投げ込まれて死にました。
屋敷からは何があったのか何も知らそうとはしません。
おとわの知り合いの娘のおりつが女中として屋敷に探りに
入り込みました。
それがばれて関わった常楽庵に大勢の刺客が押し寄せて
きました。
志乃、松の井、ゆいはなぎなたや武道で男たちに応戦しました。

いつも志乃が先に事件の結末に到達して仁八郎は女たちを
不愉快に思っています。
志乃は不機嫌を顔に出す仁八郎をおもしろがっています。

読んでいてたのしいとはいえません。
志乃と仁八郎の対立をおもしろいと思えれはこの本を楽しめる
のでしょうがそうは思えないです。
仁八郎にいい感情を持てないし、使っている岡っ引きの文六も
能力なしで嫌な人物です。

青光(ブルー・ライトタウン)の街

2017-04-05 21:00:00 | 

柴田よしき著"青光(ブルー・ライトタウン)の街"を
読みました。
草壁ユナは作家です。
世話になった元編集者の高橋が出版社を退職して
ブルーライト探偵社を起こしました。
高橋が病気になりユナに社長になるよう依頼があり
ユナは引き受けることになりました。

元野球選手の北川を調査して欲しいとネイリストの
西条から依頼があります。

ユナの大学時代の友人の秋子から助けてという題名だけの
メールが届きます。

巷ではクリスマスの時に使われる青い豆電球の付いた
25センチぐらいの長さの電飾が何本か置かれた
殺人事件が3件起きています。
探偵社の名前はブルーライト、何か関係があるのかと
警察が訪ねてきます。

秋子は不倫旅行に出かけたように見えましたが、誘拐
されたのだという映像が送られてきました。
しかしお金の要求はありません。

北川の尾行は続けられましたがケーキ屋へ入った所を
暴走してきた車が店に突っ込み事故死しました。
運転手も死んでいます。
電飾が見つかります。

いろんな事件が繋がっていきます。
ユナは現場には出ない約束でしたが、実際に事件に関わります。

読み終わってなんだかすっきりしません。
理解力が弱ってきたのかとは思いますが、この話きっちり
すべてに決着がついたのかさっぱりわかりません。

ユナや高橋、探偵の高坂などは好ましい人物です。

ことづて屋

2017-04-04 10:18:20 | 

濱野京子著"ことづて屋"を読みました。
津多恵は死者から死者の知り合いに伝言を頼む声が
聞こえるようになりました。
最初は自分の亡くなった母から父への伝言でした。
恋人の伝言を伝えに行った美容師の恵介の勤める美容院の
あるビルに住むことになりました。
美容院の経営者の怜は男性で女装愛好家です。
伝言を伝えに行くときは怜の服を借り、恵介にお化粧を
してもらいます。
いつしか恵介がいっしょに行ってくれるようになりました。

小学校に上がる前、ランドセルを買ってもらって喜んでいた
女の子がお母さんへの伝言を頼みました。

結婚しようと思っていた恵介の恋人は恵介の元を去って
行きました。
好きな人が出来て幸せに暮らしているという伝言でした。
恵介は彼女が病気で亡くなっていることを知っていました。

家族から見放されて浮草のような生活をしてきた勇作は
父親への伝言を頼みます。
幸せな時はなかったように思うかもしれないけど自分にも
幸せな時はあった。
自分が死んだら墓にカサブランカを供えてくれと言った
相手がいたと言います。

有名は漫画家が元アシスタントをしていた駆け出しの漫画家に
伝言をします。
自分の考えたプロットで漫画を描くように言います。

医学生に中高生の時の友人が伝言します。
彼は医学生に万引きや傷害の罪を着せられ刑務所で亡くなって
います。

鍼灸院で働いている女性に祖母からの伝言です。
自分自身のために幸せになりなさいという言葉です。

一方的に言葉は聞こえてきます。
一回だけで再度同じ人は現れません。
方向音痴でたよりなげな津多恵と、彼女をほってはおけない
恵介と二人を見守るような怜、いい雰囲気です。

真贋

2017-03-30 21:00:00 | 
著者 : 今野敏
双葉社
発売日 : 2016-06-21

今野敏著"真贋"を読みました。
警視庁捜査三課の萩尾と秋穂は窃盗事件の担当です。
空き巣の手口からどこに盗みとる物があるかぱっと見た
だけでわかりそこだけしか手を付けない窃盗犯の
ダケ松の仕業だと見当をつけます。
ダケ松は捕まりあっさりと自分の犯行だと認めます。
ダケ松は年を取って刑務所にいた方がいいと思っています。
萩尾らはダケ松は弟子がいて技術を伝えていて今回の事件は
弟子をかばっているのではないかと疑います。

ダケ松は故買屋の八つ屋長治の名をだします。
長治は焼き物に詳しいです。
デパートでは陶磁器展が開かれようとしています。
美術館から貸し出される国宝の曜変天目が目玉として
出品されます。
捜査二課の舎人が捜査に参加してきます。
曜変天目が贋作と入れ替わるのではないかとの疑っています。
彼は学芸員の資格を持っていて目利きには自信があります。
美術館の担当者は音川です。

デパートでは頑丈なケースを用意して一旦その中に入れれば
すり替えることも持ち出すこともできないと自信を持っています。

萩尾たちはダケ松の弟子がすり替えを行うのではないかと
考えています。

本物だと鑑定された後、関係者の監視の元でケースに入れられた
陶器を長治は贋作だと騒ぎます。

陶器は本物か偽物か、ダケ松の弟子とは誰なのでしょう。

陶器を写真に撮って今撮ったといって送信するって、読んでいる
最中にこんな方法だめでしょうって思ってしまいました。

ダケ松の弟子だと言われる人物、なかなかの手並みでした。

作家刑事毒島

2017-03-29 21:00:00 | 

中山七里著"作家刑事毒島"を読みました。
元刑事で今は週に1日技能指導員として警察で働き
ながらミステリー作家をしている毒島が登場します。

高千穂明日香は作家がらみの事件が起きると毒島の
所へ行って助力を仰ぐよう命じられます。
毒島は作家の登竜門の各種の賞に応募してくる作家志望の
者たちや、新人作家たちに対してとても厳しい言葉を
浴びせかけます。

賞を取っても次の作品がなかなか書けないのにプライド
だけは高い新人たち。
書けない新人に盗用したプロットを教えて書かせ新人を
潰す編集者。
賞を取る前に書いたあまり出来の良くない作品を作者に
黙って本の中に入れてしまう編集者。
なかなか書けない新人を厳しく批判する熟練作家。
ブログでほめることなくただただ批判を繰り返すブロッガー。
好きな作家のストーカーとなってしまう者。
原作とはかけ離れたドラマとしてしまうテレビ関係者。

いろんな人物が登場します。
作家さんも編集者も厳しい世界なんですね。
毒島の言うことは厳しくて、当事者ではないのに読んで
いて辛くなってきます。
中山さんこんなこと書いちゃっていいのですかね。
天から書いたことが降ってくるかもしれませんよ。

エンプティ・チェア

2017-03-28 11:51:58 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"エンプティ・チェア"を
読みました。
エンプティ・チェアとは心理学で使われる手法で
誰も座っていない椅子を前に置いてそこにあたかも
指定した人物が座っているかのように話しかける
方法だそうです、

ライムは首から下は1本の指先が動くだけです。
少しでも回復することを望んでニューヨークを離れ
ノースカロライナの病院にやってきました。
サックスとトムもいっしょです。
地域の保安官に女性の誘拐事件を手伝って欲しいと頼まれます。
犯人はギャレットという16歳の高校生です。
メアリーという大学生を誘拐する際に、助けようとした
子供をスコップで殴り殺したともいいます。
ギャレットはもう一人リディアという看護師をさらい
森や沼地を逃げています。
乏しい証拠品をライムは鑑定しサックスは現場へ行き
ギャレットを保安官補たちと追います。
怪しい三人組もギャレットを追っています。
保安官補も三人組もギャレットを見つけたら殺すことを
厭いません。

ライムの指示でサックスらはギャレットに追いつき逮捕します。
サックスはギャレットが殺人を犯してないと信じるように
なります。
ライムはそれを信じません。
サックスはギャレットを脱獄をさせ二人でメアリーを隠した
場所へと向かいます。
ギャレットはメアリーを危険から救うために誰にもわからない
場所へ隠したのだと主張します。
逃亡の途中、ギャレットは豊富な昆虫の知識をサックスに
話して聞かせます。
ライムは二人を追う側にまわります。
保安官補たちに囲まれもみ合ううちサックスの拳銃が暴発して
一人に当たって死なせてしまいます。

中盤までは問題児とされるギャレットの追跡です。
この後は大きく事件は変貌を遂げていきます。
びっくりするような結末です。

リンカーン・ライムのシリーズは後半のどんでん返しが
楽しみです。

それにしてもなんともひどい話です。
誰も信用ができない土地です。
人の命がこれほどないがしろにされていいのかと思います。

人を殺してしまったサックスはどうなる、誰も助けて
くれないギャレットの未来はどうなるのだろうと
思いつつ読みました。
とてもおもしろかったです。

バーニング・ワイヤー

2017-03-21 11:41:03 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"バーニング・ワイヤー"を
読みました。
リンカーン・ライムが活躍するシリーズです。

今回は電気を駆使して人を殺す犯人との対決です。
電気といっても電気網を知り尽くして変電所を操作できる
電気の知識を持った相手です。
電気の知識がないので電気の話は読んでいてさっぱりですが
わかったような気持ちになって読み進みました。
最初はバスが狙われました。
停留所でバスに乗り込むのが遅れた人がアークフラッシュに
より飛んできた金属の塊がいくつも体を貫通して亡くなりました。
ニューヨークに独占的に電気を供給しているのはアルゴンクイン
という会社です。
ライムのところに集まった刑事、鑑識官、FBIらは証拠を
集めて調査を開始します。

ライムは宿敵のウォッチメーカーことローガンの跡を追う
ことにも関わっています。
こちらはダンスとメキシコの警察官のディアスが中心になって
いてライムは電話で参加しています。

アルゴンクインの内部に犯人か協力者がいると判断し
社員のゴールトに行きつきます。
脅迫状が届き次の事件が起きます。
ホテルに流された強力な電気によって5人の死者と多くの
怪我人が出ます。

サックスの部下のプラスキーは鑑識捜査の帰りに電気に恐れを
なし車の操作を誤り男性を轢いてしまいます。
男性は意識不明になりプラスキーは仕事に集中することが
出来なくなります。

FBIのデルレイは潜入捜査のベテランです。
コンピュータのデータ解析から事件を探る現在の捜査方法に
ついていけずあせっています。
情報屋に莫大な報酬を要求され公金横領じみたことをして
しまいます。
その情報屋が消えてしまい、一旦は落ち込みますが妻に
はげまされ情報屋の跡を追います。

メキシコではウォッチメーカーが動き出します。

サックス、プラスキーが捜査に行った廃校でもうちょっとで
電気の仕掛けにやられそうになります。

前半、特に導入部は動きが鈍いのでなかなか読み進め
ませんが中盤を過ぎて後半はスピードが出てきます。
びっくりする展開です。
これ以上は書けませんがとてもおもしろいですよ。

プラスキーやデルレイの葛藤はどう折り合いをつけて
いくのだろうかとそこにも興味がありました。

前半は犯人にいいように振り回されているようです。
ライムは車椅子に座ってい戸外には出ず、証拠から判断して
周りの人たちに指示を出し的確に動かしていきます。

シャルロットの憂鬱

2017-03-19 21:00:00 | 

近藤史恵著"シャルロットの憂鬱"を読みました。
シャルロットはシェパードの元警察犬です。
浩輔と真澄の夫婦は子供が出来なく犬を飼おうかと
思った時に退役した警察犬を引き取ることを
勧められました。

"シャルロットの憂鬱"
シャルロットを一匹残して出かけました。
帰ってみると家は荒らされてました。
警察犬であったシャルロットが吠えませんでした。
シャルロットはベットの下に隠れていました。

"シャルロットの友達"
ドッグランでシャルロットがチワワに鼻をかまれました。
チワワの飼い主のおばあさんはいつも大型犬に吠えかかる
チワワを止めようとはしませんでした。
沙和という女の子がシャルロットのところへ遊びに来る
ようになりました。
ちょっと目を離したすきに沙和がシャルロットの足に
噛みつきました。

"シャルロットとボーイフレンド"
ドッグランでハナコという柴犬を連れた佐々木という男と
出会いました。
ハナを奥さんが連れてくることもあります。
真澄は夜に迷子の犬を保護しました。
首輪にはササキハナコと書かれていました。
佐々木家に連れて行くとハナコは家に居ると言われます。
女性は離婚していると言います。

"シャルロットと猫の集会"
睡眠障害におちいった真澄は朝早くにシャルロットの散歩に
行きました。
あるアパートの前に多くの猫が集まっていました。
シャルロットが気づいて怪我をした子猫を保護しました。
しっぽをバイクか何かに踏まれていました。
何日か後にそこを通ると"大きい犬禁止”の張り紙がありました。

"シャルロットと猛犬"
土佐犬ミックスの犬を連れた女性を見かけます。
まだ子犬なのに制御しきれないようです。
その女性は以前に泥棒除けにシャルロットを貸してくれと
いってきた女性でした。
その女性の家には弟夫婦と生まれたばかりの赤ん坊が
いました。

"シャルロットのお留守番"
庭に侵入する人物がいるのに気がつきました。
シャルロットは吠えません。
留守にする時にシャルロットを庭に出しておくことを
試してみました。
彼らは侵入者に出会いました。

犬と生活する楽しさが感じられます。
警察犬として働いていたけど、もう働くのは嫌と彼ら夫婦
との生活を楽しんでいます。
大型犬だけどおだやかでやさしい犬です。