学問空間

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大川小学校のことなど。

2016-10-28 | 大川小学校
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年10月28日(金)20時39分17秒

岸信介と四方諒二の話、まとめようかなと思っていたところ、三笠宮が亡くなられたり、大川小学校の仙台地裁判決が出たりして、地味な私のブログ「学問空間」も珍しく訪問者が増え、ちょっと落ち着かない気分ですね。
三笠宮はこちらの記事です。

昭和33年、三笠宮VS「坂本天皇」史学会の戦い

大川小学校については「カテゴリー」にまとめていますが、


仙台地裁の判決は東日本大震災の一年後に私が出した結論と基本的には同趣旨でした。

「春の大川小学校」
「大川小学校の裏山再訪(その4)」

当時、少なくともネットの世界ではこういう結論は珍しかったはずで、素人なりに丁寧な事実調査を行った結果だとは思うのですが、そうかといって、ボクって先見の明があってスゴイなー、と喜んでいる訳でもありません。
今日、朝日・読売・毎日・日経四紙の27日朝刊を読み比べてみたところ、読売・毎日・日経では不法行為責任なのか債務不履行責任(安全配慮義務違反)なのかすら明確ではありません。
朝日の判決要旨の最後の方を見ると、国家賠償法、即ち不法行為で請求を認めたことになっていますが、債務不履行責任を排除する趣旨なのかははっきりしません。
不法行為か債務不履行かは時効に関係していて、不法行為は3年で時効ですね。(国賠4条、民法724条)
おそらく債務不履行責任を排除する趣旨ではないと思いますが、そうだとすると時効は10年で、今回の訴訟に加わらなかった残りの遺族も新たに訴訟提起が可能です。
とすると、23人の犠牲者で約14億2658万ですから、犠牲となった児童74人全員だと単純計算で45億9千万円くらいになりますね。
個人的には「過失」の判断については判旨に納得できるのですが、損害額で何か調整しないと一般の理解は得にくいのかな、という感じもします。
私の不法行為についての理解は森嶌昭夫氏の『不法行為法講義』(有斐閣、1987)くらいで止まっていて、最近の議論には詳しくないのですが、「割合的因果関係」論とか「寄与度」論とかを少し勉強してみようかなと思っています。

>筆綾丸さん
>片岡鶴太郎に似ているところがありますね。
賛同はしませんが、呉座氏の髪型はちょっと面白いですね。
お洒落なヘアスタイルなのか、それとも無頓着なのか、はたまた単なる寝ぐせなのかが気になります。


※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

片岡鶴太郎と長い階段 2016/10/27(木) 17:41:08
小太郎さん
呉座勇一氏は優秀な方だと思いますが、まだ助教ですか。史学の世界では普通なんでしょうが。同じ年の木村草太氏はすでに教授だというのに。僭越ながら、業績から判断すれば、呉座氏の方が上のような気がします。
http://kataoka-tsurutaro.com/
片岡鶴太郎に似ているところがありますね。

http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/6/joryu_ouza201610260101.html
女流プロの将棋はほとんど見たことがないのですが、昨日の一局は面白かったですね。
女性の場合、持ち時間が少ないのは何故なのだろう。
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