学問空間

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岩沼市・千年希望の丘(その2)

2013-09-30 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月30日(月)19時31分42秒

防波堤の上に移動し、1枚目は南方向(亘理・相馬方面)を撮りました。
2枚目は西方向の「千年希望の丘」を振り返ったもの、3枚目は北方向(仙台市方面)ですね。

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6931

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岩沼市・千年希望の丘(その1)

2013-09-30 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月30日(月)19時25分25秒

9月27日(金)に訪問した岩沼市の「千年希望の丘」の様子です。
この付近の防波堤は既に完成し、今は防潮林の植林が進められています。
5月26日に植樹祭があったそうですが、4か月経過し、順調に育っているようですね。
防潮堤にはところどころ灰色の細長い部分が見えますが、これは風に吹き寄せられた砂の模様です。

津波よけ「千年希望の丘」について(岩沼市サイト内)
http://www.city.iwanuma.miyagi.jp/kakuka/040700/sennnennkibounooka.html

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6930


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金門鳥敏

2013-09-30 | 中世・近世史
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月30日(月)17時03分32秒

坂口太郎氏の「東京大学史料編纂所蔵『五大虚空蔵法記』について─ 後醍醐天皇と後宇多院法流─」(『古文書研究』72号、2011年)という論文を読んでいたら、次のような記述がありました。

---------
 さて、五大虚空蔵法とは、五大虚空蔵菩薩を本尊とする密教修法である。修法の格式では「大法」「准大法」に次ぐ「秘法」に区分され、増益・天変・所望のために修される。治安元年(一〇二一)、小野僧正仁海が除災のために修したのが初例である。治安元年は辛酉の年であり、古来辛酉は革命の年として帝王の慎むべき年とされた。これ以後も辛酉の年に真言僧が除災のために修するのを例としたので、五大虚空蔵法は金門鳥敏とも称される。「金門鳥敏」の和訓はカノトトリトシ、すなわち辛酉歳に通ずるためという。
---------

理解するのに相当の教養が必要な中世の高級ダジャレですね。

>筆綾丸さん
Cashel Man の写真、「閲覧注意」の表示が必要ですね。
乾燥した土地のミイラは平気ですが、この種の死体は生々しすぎて私はちょっと苦手です。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6928
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黒島or黒嶋

2013-09-25 | 東北にて
黒島or黒嶋 投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月25日(水)21時58分40秒

>筆綾丸さん
名字がクロシマで海に関心があると聞くと連合艦隊の奇人参謀、黒島亀人を連想してしまいますが、黒嶋敏氏は「嶋」ですから、御親戚という訳でもないんでしょうね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E5%B3%B6%E4%BA%80%E4%BA%BA

ネットで少し話題になっていた與那覇潤氏と東島誠氏の対談集『日本の起源』を通読してみたのですが、與那覇潤氏の中世に関する認識は網野善彦氏の多大な影響を受けていますね。

與那覇潤『日本の起源』序文
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yonahajun/20130829-00027638/

中世史の若手研究者は網野氏が大胆に広げ過ぎた「明るい中世」のイメージを、近世ときちんと接合できるように実証的に、聊か地味な「暗い中世」に引き戻す仕事を要求されている感じがしますが、黒嶋氏の『海の武士団』もその一環と言ってよいのでしょうね。

黒嶋氏の所謂<海の勢力>、とても学術的な概念とはいえない曖昧な表現なので、4字使うくらいだったらいっそのこと「海民」でいいんじゃないの、と思いましたが、最初の方を読み直したら網野氏が「海民」の定義らしきものをしているので(p16)、黒嶋氏としては安易に使うことはできないのでしょうね。
網野氏の網は広大かつ稠密で、後進の研究者はなかなか大変ですね。

※筆綾丸さんの下記投稿への返信です。
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6922
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丸森町・かかし祭り(その2)

2013-09-25 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月25日(水)20時47分4秒

「石羽古碑街道」には4箇所に合計70ほどの石碑があるのですが、道路拡張工事に際して、あちこちに散在する石碑をまとめたものだそうです。
丸森は良質の花崗岩の産地なので、石碑も立派なものが多いですね。

1枚目は家庭的なほのぼのした作品、2枚目は少し離れたところから撮ったので若干分かりにくいのですが、細部まで非常に丁寧に作られたお洒落な作品でした。
3枚目はNHKドラマ「あまちゃん」を素材にしたものですね。

「丸森のカルナック 石羽街道の石碑群」(金龍山瑞雲寺ホームページ内)
http://zuiunzi.net/igu/bsrisuto7/35.html
「石羽古碑街道という道」(「仙台人が仙台観光をしてるブログ」内、2010年11月)
http://senndai-tabi.seesaa.net/article/157583842.html

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6926


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丸森町・かかし祭り(その1)

2013-09-25 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月25日(水)20時41分47秒

宮城県南部の丸森町には駒場瀧不動尊愛敬院という修験の古刹があるのですが、このお寺に向かう「石羽古碑街道」を訪ねたところ、たまたま「かかし祭り」をやっていました。
なかなか面白い作品があったので、いくつか紹介します。

1枚目は中央の古典的な「へのへのもへじ」を二体の地蔵、しかも明らかに女性的な地蔵が囲むというもので、組み合わせ方が斬新ですね。
3枚目の前衛的な作品は2枚目の左側に置かれていたものですが、「かかし」の通念を超越していて、殆ど何が何だか分からないものになっていますね。

愛敬院
http://www.d6.dion.ne.jp/~zenkou/

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6925

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「化学兵器廃棄合意はアサドにとっての大勝利」

2013-09-16 | その他
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月16日(月)09時37分10秒

欧米のメディアをいくつか見ましたが、私の見方はこの人に近いですね。

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New Syria Agreement Is a Big Victory. For Assad.

By Jeffrey Goldberg Sep 16, 2013 1:16 AM GMT+0900

A couple of months ago, the Obama administration was -- at least rhetorically -- targeting Syrian dictator Bashar al-Assad for removal. Today, the U.S. has in a perverse way made Assad its partner.

The U.S. and Syria will now be working together on an improbable, even fantastical project: ridding a brutal country at war with itself of chemical weapons.

The agreement, reached over the weekend, to begin disarming Syria represents an astonishing victory for the Assad regime. It is also a victory for Assad’s main weapons supplier and diplomatic protector, Russian President Vladimir Putin.

http://www.bloomberg.com/news/2013-09-15/everyone-wins-with-new-syria-agreement-except-syrians-.html

数か月前には、オバマ政権は、少なくともレトリックとしては、シリアの独裁者、アサドの追放を狙っていた。
しかし、今、アメリカは一転してアサドをパートナーとした。
アメリカとシリアは、戦争状態にある野蛮な国から、その国自身が持つ化学兵器を除去するという、とても実現の見込みのない、空想的でさえあるプロジェクトにともに取り組むこととなった。・・・

アサドは軍事的には特に重要でもない化学兵器廃棄のプロセスだけをダラダラと守っていれば、その地位は安泰なのだから、笑いが止まらないでしょうね。

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化学兵器という撒き餌

2013-09-15 | その他
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月15日(日)23時10分39秒

>筆綾丸さん
プーチンにとってみれば、中東が混乱してイスラム過激派がロシア周辺に流れ込むのを防ぐことができ、アメリカとの関係も改善して全く理想的な外交的勝利になりそうですが、どうも釈然としないですね。
シリアがロシアの動きに瞬時に対応してテキパキと外交交渉を進め、何の躊躇もなく化学兵器禁止条約に加盟申請し、化学兵器をあっさり国際管理に委ねると約束したのは、いくら何でも手際が良すぎるのではないか、ロシアにとって8月21日の出来事は本当に全く想定外の突発事件だったのかな、という感じもしてきます。

ロシアは一貫して、反政府軍に対し有利に戦況を進めているアサド側が、わざわざ国連調査団がダマスカスに存在している時に化学兵器を使う必要性は全くなかった、反政府軍側が外国の介入を招こうとして仕組んだに決まっている、と主張しており、私も最初はこの見解に説得力があるように思えたのですが、その後の経過を見ればアサド側が化学兵器を使用したのは間違いないようです。
とすると、アサドは戦況が有利にもかかわらず化学兵器を使ったのではなく、戦況が有利だからこそ、国連調査団の目と鼻の先で、わざわざ化学兵器を国際社会への撒き餌として使用したのではないか、という可能性も考える必要がありそうです。

もともと化学兵器は、使用すれば外部から途方もない非難を浴びる点で、純粋に軍事的な観点ではなく、政治的な観点から取扱いが面倒な、使い勝手の悪い兵器です。
従って、それなりの代償を得られるなら、化学兵器の放棄自体はアサドにとってさほど不合理な選択でもないはずです。
また、いったん放棄したとしても、レシピはあるのだから、必要が生じたときにまた作ればよいだけとも言えます。
核兵器と異なり、化学兵器は技術的にはその程度の存在ですね。

では、アサドが化学兵器放棄と引き換えに何を得たいかと言えば、もちろんアメリカを始めとする外国勢力の介入の排除です。
外国勢力の介入がなければ反政府勢力を駆逐できる見込みが立った時点で、アサドがアメリカと取引をしたいと考えたとして、アサドの側から見れば、オバマの弱点は、一年前のレッドライン発言に縛られて、化学兵器が使用された場合には何らかの具体的反応をせざるをえない立場に自らを置いたことです。

化学兵器を使えばアメリカは興奮するに決まっているけれども、アメリカを興奮させた後こそ交渉の余地が生じるし、仮にアメリカが一切の交渉に応じない場合であっても、巡航ミサイル攻撃と少しの空爆くらいで済むはず、地上軍の介入はありえないと見極めをつければ、まあ、それほどたいしたことでもない。

このように考えて行くと、ではシナリオを書いたのがシリアか、という問題になります。
シリアはアメリカと取引したいと思っても、現実には直接の交渉はできず、ロシアに任せるしかない。
自らが実現できない他人任せのプランをシリアが発案したと仮定するよりは、むしろロシアが発案したと考えるのが自然ではないか。
ロシアとしては、中東に残された唯一の拠点であるシリアの現体制を維持し、アメリカ等の介入によりシリアが混乱してイスラム過激派の温床となり、自国周辺に流れ込んでくるのを防げる上に、8月後半という時期においては、スノーデン問題で硬直化してしまったアメリカとの関係を修復するきっかけにもなりそうな利点がある。

化学兵器なんか持っていても使い勝手が悪いから捨ててしまえ、でもただ捨てるのはもったいない、使うなら今だよ、とロシアがシリアにアドバイスしたとすれば、シリアの化学兵器禁止条約加盟申請等の機敏な動きも説明できそうです。
また、複雑なアメリカ政府・議会・世論の動きを緻密に分析して臨機応変の対応を取る能力もシリアには全くない訳で、やっぱりシナリオライターはプーチンじゃないかなという感じがします。

以上のストーリー、一番得をしたのはロシアという結果から強引に遡った陰謀論っぽいですかね。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6915
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Maaloulaの現在

2013-09-10 | その他
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月10日(火)11時08分30秒

去年の11月、この掲示板にシリアのキリスト教徒の古い街、Maaloulaについて書きましたが、Maaloulaはアルカイダに近いヌスラ戦線に占拠されてしまったそうですね。

http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6611
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6614
(筆綾丸さんの投稿)
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6618

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Syria Islamist rebels take control of historic Christian town of Maaloula

(CNN) -- An al Qaeda-linked rebel group has wrested control of the historic Christian town of Maaloula from regime forces, opposition groups said Sunday.

The Syrian Observatory for Human Rights said the hardline Islamist rebels of the al-Nusra Front seized control Saturday night.

Videos posted on YouTube in recent days showed fighting between rebels and government forces in the tiny sleepy town, an hour's drive from the capital Damascus.

"We cleansed Maaloula from all the Assad dogs and all his thugs," a rebel commander shouts at the camera in a video posted online over the weekend.

http://edition.cnn.com/2013/09/08/world/meast/syria-civil-war/index.html
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定禅寺ストリートジャズフェスティバル(その2)

2013-09-09 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月 9日(月)09時36分49秒

時折強い雨が降るなど天候にはあまり恵まれなかったため、観客の人数は例年より少なかったようですが、それでも大変賑やかでした。
1枚目は勾当台公園。
2・3枚目は勾当台市民広場で、ファイナルに出場した富士学園中学高校(山梨県)と尚絅学院中学高等学校合唱部のリハーサル風景です。

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6912
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定禅寺ストリートジャズフェスティバル(その1)

2013-09-09 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月 9日(月)09時31分26秒

昨日は「定禅寺ストリートジャズフェスティバルin仙台」に行って来ました。

公式サイト
http://www.j-streetjazz.com/

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6911
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遠刈田温泉・大護摩供法要(その2)

2013-09-08 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月 8日(日)08時53分38秒

櫻本坊院主の巽良仁氏は1960年に櫻本坊に生まれ、1981年、上智大学文学部哲学科在学中に院主を承継された方だそうで、山伏らしからぬといっては失礼ですが、なかなか紳士的な雰囲気を持った人ですね。
講演冒頭の自己紹介で、蔵王には学生時代にスキーで何度も来ていたと言われていましたが、山伏の正装でそのように挨拶されると、何だか有難味が若干減るような感じがしないでもありませんでした。

写真1枚目は「法弓の儀」の場面で、いったん弓を水平に構えてから矢を上空に打ち上げていました。
もちろん矢の先端は怪我をさせないように保護されていますが、自分の上に落ちてこないかとけっこうハラハラしますね。
2枚目、左側が巽良仁氏ですね。
3枚目は点火後、火力を調節するために時折水を掛けたりする役の人の顔に赤い炎が映っている様子です。

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6910
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遠刈田温泉・大護摩供法要(その1)

2013-09-08 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月 8日(日)08時44分51秒

昨日は宮城県蔵王町の「蔵王ふるさと文化会館」で行われた「蔵王のルーツを訪ねて "蔵王"はなぜ"ざおう"と呼ばれるのか?」という講演会を聴講してきました。
講師は「大峯山護持院櫻本坊(さくらもとぼう)第67世院主(いんじゅ)」の巽良仁(たつみりょうにん)氏で、一般向けの内容ですが、役行者・蔵王権現・修験道等の知識の整理になりました。
その後、遠刈田温泉の共同浴場「神の湯」前広場で行われた「東日本大震災鎮魂・復興祈願 大護摩供法要」も見学してきましたが、修験道の行事をきちんと見たのは初めてで、けっこう面白かったですね。
一番上の写真は山伏一行が苅田嶺神社に参拝後、「神の湯」の横を通って法要の会場に向かうところです。

櫻本坊サイト内「聖地巡礼 蔵王山大護摩供」
http://www.sakuramotobou.or.jp/event/h25090708.html

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6909
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Stubbs the cat

2013-09-06 | その他
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月 6日(金)21時53分47秒

>筆綾丸さん
『吾妻鏡』の時頼の遺偈は怪しい、というのは『吾妻鏡』の編纂時期・編纂目的を論じる多くの歴史学者が言っていることで、ウィキペディアでもけっこう丁寧な説明がありますね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%BE%E5%A6%BB%E9%8F%A1

高橋氏が本当に時頼が作ったものと考えるのなら反対説への丁寧な批判が必要なはずで、「いかにも勉強熱心な時頼らしい」で済ませられるような話ではないですね。
総じて『北条時頼』は宗教に詳しい歴史学者の著作として読むと至る所で「もやもやした気持ち」になりますが、歴史に詳しいお坊さんの「ストレスのたまらない生き方」といった有難い法話として読めば、それなりに役に立つ本ですね。

>Talkeetna
これは「タルキートナ」と読むそうですね。
たまたま昨日、ツイッターで2012年7月のロイターの記事が話題になっていました。

----------
米アラスカ州に「ネコ市長」、観光客らから絶大な人気

[タルキートナ(米アラスカ州) 16日 ロイター] 日本ではネコ駅長「たま」が人気となっているが、人口約900人の米アラスカ州タルキートナでは、ネコ市長「スタッブス」が観光客らから絶大な支持を得ている。
雄のスタッブスは、生まれて間もなく市長に「当選」。それ以来、「名誉市長」の肩書を与えられたスタッブスは、地元の住民から「スタッブス市長」と呼ばれて親しまれており、雑誌などメディアからの取材依頼も多い。
住民らの話によると、15年前の選挙では、出馬した候補者を気に入らなかった住民たちが、ジョークのつもりで投票用紙にスタッブスの名前を記入し、他候補を破ったという。

http://sp.m.reuters.co.jp/news/newsBodyPI.php?url=http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE86G01020120717

この記事の尻尾の部分、いかにももっともらしい話ですが、もともとタルキートナは正式な行政単位ではないので、首長の選挙自体が存在しないそうですね。

http://en.wikipedia.org/wiki/Stubbs_(cat)
http://en.wikipedia.org/wiki/Talkeetna,_Alaska

地元の人は自分たちが作った冗談がマスコミによって広がって行くのを楽しんで眺めていたのでしょうね。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6905
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悟り得て 遺偈パクって 逝った人

2013-09-04 | 中世・近世史
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月 4日(水)23時10分9秒   通報 編集済

>筆綾丸さん
高橋慎一朗氏は「時頼には、どうもユーモアのセンスというものはあまり感じられない。仕事に関しては信頼できるが、個人的におつきあいするのはちょっとご遠慮したい、真面目な優等生タイプ、というところであろうか」(p236)と言われていますが、高橋氏自身に「ユーモアのセンス」があるのか、若干の疑念を感じる箇所がありますね。
それは時頼の臨終の場面です。

-------
 十一月二十二日、戌刻(午後八時ごろ)、時頼は最明寺北亭で息を引き取った。三十七歳であった。『吾妻鏡』が伝える臨終の様子は、以下のようである。時頼は、袈裟を着て椅子にのぼり、座禅をし、少しも動揺する気配を見せず、

業鏡(ごうきょう)高く懸ぐ 三十七年
一槌に打砕して 大道坦然たり

という遺偈(ゆいげ)を唱えて亡くなった。
 「業鏡」は生前のおこないを映し出す鏡、「坦然」はひろびろとしている様子のことである。
 実は、この遺偈は時頼のオリジナルではなく、宋の禅僧笑翁妙湛(しょうおうみょうたん)の遺偈の「七十二年」の語を「三十七年」に変えたものであった。時頼は笑翁の遺偈を借りて、自己の心境をあらわしたのである(鷲尾順敬『鎌倉武士と禅』)。いかにも勉強熱心な時頼らしい、とも言えよう。
-------

ここ、結構ビミョーな味わいがありますね。
ま、当然、本当に時頼がこの遺偈を作ったのか、それとも時頼の死後、禅に詳しい人が時頼の臨終場面を創作するにあたって笑翁の遺偈を借用したのか、という問題がありますが、高橋氏は前者の立場なのでしょうね。
正直、ここで笑いを我慢するのは私にとってかなり苦痛なのですが、時頼が本当に笑翁の遺偈をパクったのであれば、まあ、死の前年に「悟り」を得たとしても、時頼の思想的水準はあまり高くなかった、というか低レベルだったのでしょうね。
私自身は臨終の場面全体が誰かの創作だと考えているので、直接にはこの遺偈が時頼の思想的水準を測る材料にはならないと思っています。

ところで、話が唐突に現代に飛びますが、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は「政治や軍事への関心を欠いた、控えめで穏やかな人間として育ち」、「学校時代は優秀で模範的な生徒」で、「ダマスカス大学医学部を卒業後は軍医として働いた後、1992年に英国に留学、ロンドンのウェスタン眼科病院で研修」していたが、父のハーフィズ・アル=アサド大統領の後継者だった長兄が交通事故で急死した後、不慣れな政治と軍事の世界に入ったそうですね。
真面目な学究肌の性格といい、兄の急死で運命が激変した点といい、何となく時頼を連想させます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%EF%BC%9D%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%83%89

そして、大統領夫人の Asma al-Assad はシリア人の両親の元にイギリスで生まれ、キングスカレッジ・ロンドンでコンピューターサイエンスとフランス文学を学び、卒業後は国際投資銀行で働いていた才媛だそうなので、いささか強引ながら六波羅探題に赴任した北条重時の長女として京都に生まれ、15歳まで京都で育った北条重時の娘(葛西殿)に比すことができそうです。

Asma al-Assad
http://en.wikipedia.org/wiki/Asma_al-Assad
葛西殿
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E8%A5%BF%E6%AE%BF

時頼が生きた時代と環境は今のシリアと同じくらい厳しいものだったはずなのに、高橋慎一朗氏のまったりした語彙ともっさりした文体は鎌倉時代の緊張感を全然伝えてくれず、読者を「もやもやした気持ち」に誘いますね。

>若宮王子
これ、私も気になったのですが、本当に分かりにくいですね。

>回虫
この記事はまだ読んでいませんでした。
リチャード三世関係、次から次へと色々出てきますね。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6903
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