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日米の盆栽愛好者たち

2015-01-23 | 網野善彦の父とその周辺
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 1月23日(金)13時01分21秒

>筆綾丸さん
私もHarootunianというのは珍しい姓だなと思って欧米の家系サイトをいくつか見たのですが、僅少な姓のためか、特に解説はありませんでした。
ご紹介の東大駒場のサイト、ざっと読んでみましたが、なかなか難解ですね。

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「不同一の時間性/予言不可能な複数の過去―歴史的な場における時間の形式」と題されたハルトゥーニアン氏による講演では、歴史的語り(大きな物語)によって抑圧され、隠蔽されてきた複数の過去をいかにして回復するかという問題が議論された。大文字の物語としての歴史の語りの背後にある複数的で重層的な過去を捉えるためにこれまで試みられてきた方法論を召還するハルトゥーニアン氏の重厚な語りは、ブロッホ、マルクス、ランシエール、戸坂潤、リクール等の方法論を批判的に取り越えることで、新たな可能性としての方法論を提示するに至る。
(中略)
ハルトゥーニアン氏のうねるような思考と語りによって導き出された線状的な時間性を超える複数的な時間は非常に魅力的であるものの、それが詩作活動を通して初めて顕現する時間の様態であるならば、創作された詩の作品それ自体が議論の俎上に挙げられるべきではなかっただろうか。とはいえ、ハルトゥーニアン氏と酒井氏による発表の後の議論では、両者の議論の論点となる「複数の時間性」や「日本人の体験としての沖縄」の位置づけなどについての活発な質疑が行われた。酒井氏の議論の枠組みのブラジル人移民の問題における蓋然性や、ハルトゥーニアン氏が労働者たちの詩作活動に見出したオルターナティブとしての時間における労働者の主体性の問題についてはより深い議論が交わされ、参加者は非常に刺激的な時間を共有したといえるだろう。        (文責:内藤まりこ)
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まあ、こういう話が好きな人にとってはハルトゥーニアン氏は一種の教祖的な存在なのでしょうが、今どき戸坂潤だなんて、ずいぶん屈折した東洋趣味の持ち主のようにも感じます。
成田龍一氏あたりがやっている国際交流って、「異様に曲折あるを求めて目を喜ばしめつる」盆栽マニアの、盆栽マニアによる、盆栽マニアのための情報交換会じゃないですかね。
ご本人たちが「かたは者どもの集まり」とまでは言いませんが。

戸坂潤

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

本山の睛は節穴か 2015/01/22(木) 21:41:20
小太郎さん
http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2009/06/post-238/
顔から判断すると、Harootunian 氏は東欧系でしょうか。

http://www.kenchoji.com/?page_id=58
「用翳晴術 三十余年 打翻筋斗 地転天旋」をあらためて眺めてみたのですが、翳晴の「晴」は晴天の「晴」ではなく、画龍点睛の「睛」つまり「瞳」ではないか、と思われました。睛に翳す、睛に翳をなす、ということ。建長寺の公式ページの道隆の遺偈は一字間違いであり、本山は開山の遺偈を理解できていないことを公に曝け出したもの、と考えてよいのかもしれません。ま、「睛(ひとみ)」と理解しても、くだらぬ偈であることに変わりはないのですが。

追記:国王の死
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-30945324
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the Custodian of the Two Holy Mosques King Abdullah bin Abdulaziz, who passed away at exactly 1am this morning・・・
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Abdullah was the 13th of the 37 sons of King Abdulaziz. He is believed to have been born in August 1924 in Riyadh, although there is some dispute about his actual birth date.
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生没年を対比してみると、曖昧は生な対して、at exactly 1am this morning の exactly 1am という死亡時刻が砂漠の地平線のように峻烈で、ほとんど詩のような印象を受けます。 また、37人兄弟の13番目で王位を継承したというのは日本のような国では想像の埒外ですが、さらに系図上、王位が縦方向へ流れずに横へ横へと逸れてゆくというのも( full-brother か half-brother かを問わない。次期国王は26番目、次期皇太子は35番目の異母兄弟の由)、砂漠の地平線に揺曳する蜃気楼のような趣です。そして、King の前に the Custodian of the Two Holy Mosques という尊称が置かれるのは、いかにもイスラムの国です。以上を要するに、なんとも不思議な国だなあ、と思いました。
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