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人生が二度あれば合唱団

2015-01-21 | 網野善彦の父とその周辺
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 1月21日(水)16時28分23秒

>筆綾丸さん
>「用翳晴術 三十余年 打翻筋斗 地転天旋」
自分で訳す自信がないので検索してみたら、「陰陽術を用いて 30年あまり とんぼ返りをしたり 天地がぐるぐる回ったり」としている方のブログがありました。
ずいぶんと騒々しい、奇妙な遺偈ですね。


66年の人生で二度流罪というのも実に変な話で、建長寺公式サイトでは「叡山僧徒の反抗にあって二回にわたり甲斐に配流されたりした」などと奇麗事を言っていますが、これも流罪の時点での客観的な史料で裏付けられる訳ではありませんから、ま、伝記がまとめられた際の潤色でしょうね。
二度の流罪というと他に日蓮や京極為兼くらいしか思い浮かびませんが、日蓮の場合は筋金入りの強烈な体制批判者ですから幕府も流罪にせざるをえないでしょうし、また、京極為兼の流罪には持明院統・大覚寺統の対立という複雑な背景がありますから、詳しい事情はよく分からないにしても、まあ、不思議ではありません。
しかし、鎌倉中期にはまだ珍しかった中国渡来の超一流文化人で、幕府の最高権力者に密着していた蘭渓道隆が何で二度も流罪になるのか。
「叡山僧徒の反抗」や中国スパイ疑惑説などより、単純に本人が変な人だった、権力者を著しく刺激する奇矯な言動があった、と考える方が素直ではないですかね。


♪人生が二度あれば~ この人生が二度あれば~♪
♪流罪は四度~♪(日蓮)
♪流罪は四度~♪(京極為兼)
♪流罪は四度~♪(蘭渓道隆)


※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

盆栽の水 2015/01/19(月) 13:25:14
小太郎卿殿
「京極派盆栽説」、まったく忘れていましたが(というより、あの当時、この説を理解できるほどの知識がなかったのですが)、いま読み返してみると、正鵠を射ているような気がします。

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福岡市の夏を彩る博多祇園山笠では6年前の祭から山笠の男衆を清める「勢(きお)い水」に静岡市の沢水も使う。福岡を結ぶ静岡空港開港を機に始まった交流だが、もともと縁は深い。山笠の起源を作ったとされる鎌倉時代の禅僧、聖一(しょういちこくし)国師の生家は静岡市内。近くの沢でくんだ水を届ける。
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今日の日経新聞35面『時流地流ー祭りが取り持つ縁』に円爾の話がありますが、かなり有名なんですね。
http://www.nishinippon.co.jp/hakata/yamakasa/2009/news/20090613/20090613_0002.shtml
http://www.nishinippon.co.jp/hakata/yamakasa/2009/news/20090716/20090716_0001.shtml
http://www.at-s.com/news/detail/1097914076.html
沢水は栃沢の水、国師の生家(米沢家)は今も続いているとのことで、おどろきました。
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