結論から言うと人生に希望を持たせる小説です。希望を持たせる、と言えば明るい領域に当然入ります。ここで考えたいのは、死後の世界が無い、と言う考え方の人にはこの小説は辛いと思いますが死後があると信じる人には希望を与える小説でしょう。欧米の旅をするとヴァチカンをはじめ<最後の晩餐>の名画、建築物、彫刻を楽しむには、キリスト教とギリシャ神話を知らないと興味が半減してしまいますが、この小説もキリスト教抜きでは理解出来ないでしょう。人間の業(ごう)に苦しむ人がその暗い世界から離脱する方法が書かれています。とことん暗い領域を描き出した後に大きな希望を与えてくれる名作です。これを読まずして<人間>は語れません。罪と罰を表現出来た世界唯一つの人類の宝でもある小説です。:<小説と詩:203-1>:
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