五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

唐招提寺 奈良旅10

2013年06月18日 | 第2章 五感と体感
私が尊敬する人の中に鑑真和上が居ます。私の心の中に鑑真和上が住んでいるといっても過言ではないかもしれません。

井上靖の「天平の甍」も私が大切にしている小説の一つです。

日本に伝わった仏教の現状に警鐘を鳴らし、戒律を糺すために鑑真和上が自ら海を渡られたのは753年12月。

個性化した寺院からの軋轢も経験し、東大寺に戒壇院を築き、聖武天皇を始めとし四百人余りの僧侶に戒を授けたそうです。

東大寺に建立された戒壇院は現在の場所ではなかったようですが、多分、現在の場所が一番鑑真和上の功績を讃えるに相応しい場所のように私は感じています。
東大寺戒壇院のエントランスは白い石が敷き詰められ、その文様は波です。五度の失敗を重ね六度目にしてようやく日本の地を踏むことのできた鑑真和上の苦難と困難を象徴しています。

鑑真和上が戒律の専修道場を創建できたのは日本に渡り6年の後でした。つまりそれが唐招提寺の始まりです。

今回の唐招提寺参拝の目的は、鑑真和上忌に合わせた旅であったため御廟を拝み、その場に旅の友と佇むことと、御影堂の東山魁夷が描いた障壁画を拝見するすることでした。

東山魁夷の描いた障壁は、襖の奥に無限に広がる結界の手前に居る自分の存在を忘れてしまうくらい素晴らしいものでした。

空気を描くとはこのことでしょうか。
東山魁夷画伯自身が自ら描く画を深く慈しみながら描き切ったことが伝わり、自ら描くものを自らが愛することをどのくらいの画家が経験するのだろう…。そのような気持が湧く中、御影堂の全ての障壁を巡りました。

4月には「けい花」という花が御廟に咲きます。湿度の高い日にその花の香りの香を焚くと自宅に居ながらにして御廟を感じます。
今回の参拝で、沈香を求めました。

新たな香りを聴き、朝のブログ書きにも拍車がかかります。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学/五感で観る」
人気blogランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする