五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

香り

2013年06月02日 | 第2章 五感と体感
気位の高い六条御息所が潜在的に相手の不幸を祈ることを「六条御息所の髪に染み付いた護摩焚きのケシの実の香」と表現した紫式部の表現力は、ほんとうにスゴイと思います。

意識的に祈るのか
無意識のなかで祈るのか

でも、浸み付いたケシの実の香りは、そうそう取れるものではないようで、いくら取り除こうとしても取れません。

「私としたことが、若い女に嫉妬して、呪いをかけるなどありはしない。。。」と、必死で香りを取り除こうとする焦りのシーンは、手に汗握るサスペンスさながらです。

源氏物語最終章の浮舟に登場する「匂君」「薫君」も象徴的に香りを表現しています。

匂いは直接的であり、薫りは比喩的です。
光源氏亡き後、まさに、そのような人生を歩む二人。

幸せを直に掴むことのできる匂君
父と呼びながらも父では無い薫君の隠された出生の秘密は、彼に抑圧的な心模様を形成させていきます。

梅雨に入り、じとじとした空気を清浄するために昨日は唐招提寺の香を焚きました。

この季節になると香を焚きたくなります。

罪悪感や抑圧的な香ではなく、あでやかで直に香るものではなく、魂に触れる様な香りを聴いていたいものです。

鑑真和上1,250年忌とのこと。来週の旅の締めくくりに唐招提寺の墓地に手を合わせます。気に満ちたあの場所からどのような香りが漂ってくるか、これもまた楽しみです。

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