五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

夏椿咲いた

2007年06月29日 | 第2章 五感と体感
5月の連休にブログに書いた沙羅双樹・夏椿のご報告いたします。

今日は湿度100%ではないかと思うくらいじとじとした一日でした。
毎朝、夏椿の蕾を眺め、確認し、このぶんだと7月の下旬に咲くかな、と思っていました。

夕食を済ませ家事も一段落し、ゴミ捨てついでにまた蕾の確認をしようと枝に目をやりましたら、まるで暗闇に白い絹の光沢が淡い光を放つよう。。。

花びらは、潤いのある空気が焦点を合わせずぼやけた輪郭を描き、闇に浮かび上がっていました。

この蒸し暑さで、蕾が時期を感じ花開いたのでしょう。
日本の夏の蒸し暑さは、ほんとうにうんざりするものですが、これも解釈の仕方で愉しみたいものです。

友人が焼いた花器に夏椿を一輪指し、香を炊いたら、静かに呼吸を整え、スタートラインに立つことと致しましょう。

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スタートライン

2007年06月28日 | 第1章 意識と知覚
函館のトラピスチヌ修道院の売店で、ロザリオ(十字架)を求めたのは、私が11歳の時だったと記憶しています。

アトリウムのような明るいお店に、少女が好きそうなマリア様の御絵や、置物が所狭しと置いてあり、ペンダントヘッドのコーナーには、沢山の宝の山が箱の中に入っていました。
それらのものからたった一つのものを選ばなくてはならず、必死の想いで、たっぷりと時間をかけて吟味した時の様子を時々思い出します。

修道院の売店の初体験に、全てがキラキラして見えました。
きっと、私の目もキラキラしていたと思います。

函館は、父方の祖先が海産物を扱う商家だったため、未だに遠い親戚が住み、お墓も立ち待ち岬の手前にあります。
住んだことはありませんが、望郷という言葉が相応しいのでしょうか。私にとって、常に近いようで遠い場所です。

自分自身が選択してきたことは、全て何かの理由があるはずです。
それが意識できる場合と、そうでない場合があります。

大人になって、ふと過去を振り返ったとき、あの時何故これを選んだのか、それなりの解釈ができるようにもなってきました。

トラピスチヌで選んだロザリオは、何故か大切に大切に私の宝物箱に納まり続けて、今は、私と共にいつも一緒に生活しています。

祖先が、この地で私に持たせたお守りは、「子孫の幸せを願って、」でのことだったのだと思います。いつか、何かに繋がるよう仕組まれたようにも感じています。
そのことを感じ出したここ数日の出来事に、「新たなスタートラインを引かれた」と解釈し、もう少し走ってみようかな、という意思が生まれてきました。


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和みの場所

2007年06月21日 | 第2章 五感と体感
鎌倉の七里ガ浜に行ってきました。

太平洋の大海原が間近の高知で生まれ、小学1年生から茅ヶ崎に住み、中学生からは横浜に住み毎日車窓から海を眺めながら通学・通勤をしてきました。そんなこともあり、海は私にとって日常のものです。

現在住んでいる東横線沿線の街は、山に阻まれて海は見えませんが、日によっては潮風が香り、霧笛が聞こえてきます。


夏の日差しで風が強く、今日の七里ガ浜は、押し吹くような風が波を寄せ、きり無く迫ってきます。こんな日は、海を見ても、何か落ち着きません。

今日の七里ガ浜の目的は、江ノ電・七里ガ浜駅のまん前にあるバール[BAR](カフェ)。
縁合って、親しくさせていただいているマダムは、疲れを外に追い出してくれる不思議な方です。
お店に入るなり、「あ、、、今日は、変な人が来る日だわ、、、」というご挨拶。
いきなり自分の描いた絵を見せて、「額、どうしよう・・・」、唯我独尊とはこのことか?
カプチーノを頼んでも、1時間近く待ってようやく出される。
他のお客様優先、ということなのですが。

とにかくこの店に入った瞬間に私の時間の概念が崩れ去るのです。
この現象は、どうも私の足りないものを補う処方箋のようです。
すべきことをいつも山積みにし、「今日やるべきノート」を記入して、やり終えたものから次々消していく日々。

必要なことだけを求め、必要な人とだけ会う、そんなことを自然に無理無く可能にしてくれる場所なのでしょう。

のんびり伸び伸びであるはずの私が、そのまんまを赦されるような、そんな場所です。
深呼吸できた一日でした。

ーーーー明日から表参道の国連大学裏、東京ウイメンズプラザ下にある青山ブックセンター内の展示室にて、表装の展覧会が開催されます。22日~25日。私は22日と23日に会場におります。
一幅、友人の小さな作品を茶掛けを仕立てました。ーーーーー


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心の抱擁

2007年06月19日 | 第5章 和解と平和
お見舞いの病室で、
「父が病気になって初めて父が見えてきました」
そして、葬儀にて、
「父が亡くなって、初めて居なくなってしまったと実感しています」

そう言った仕事仲間のご子息の素直で透明な言葉に、改めて彼の生き方を観たような気がしています。

死に逝く人と関わる「ターミナルケア-」、ご家族の心の抱擁は大切な時間です。
そのご家族の感情に添うことが、私の役目であろう、と思っています。

若い頃から、どう言うわけか人の死、そして生死の狭間を生きる人に出合うことが多く、これも私にとって意味のあることだと最近は感じるようになりました。

カウンセリングの学びを始めたのもそんな私の境遇をなるべく健全にするためでもありました。

心を尽くすことには決意が必要です。

人の死と関わることは、生半可な気持ちではできません。
かといって自分の決意は、静かに心に秘めるだけで充分です。

言葉に出さなくて態度に出さなくても、決意があると何故か通じ合うのです。

ご家族との心の抱擁と手厚い介護、悔いの無い行動を全て果たし、永遠の魂へと導かれた0氏のご冥福をお祈り致します。

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音を体感する

2007年06月10日 | 第2章 五感と体感
美しい響きは、体の奥から、喜びが溢れだし、見えてくるものは、幸せの色です。
自分の体が乳白色の空気に包まれ、限りなく透明な深い青に吸いこまれていく、そんなイメージが湧き立ちます。

今日、グレゴリオ聖歌によるミサを体験しました。

ラテン語の聖歌を歌う方々の声は、天まで響き渡るくらいに澄んでいました。
私は東大寺のお水取りで聴いた声明(しょうみょう)と重なり合う魂の響きに何故か安堵したのです。

宇治の平等院の雲中供養菩薩が、私にとっての天使。
雲に乗った菩薩達が楽(がく)の音(ね)を奏でる姿(木彫)は、この世の姿ではあり得ないような美しさなのです。
グレゴリオ聖歌を聴きながら、雲中供養菩薩が頭に巡り、限りなく透明な深い青に吸いこまれてゆく・・・、そんな東西融合の美を感じるままに心地良く体感させて頂きました。

友に感謝。
仏に感謝。
神に感謝。


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「ねむの木・・」美術展

2007年06月07日 | 第2章 五感と体感
ひとりの人間が長年かけて愛し続けた「愛のかたち」を観たような展覧会に行ってきました。

人は濁りを嫌います。

「私」という個性でもある「思考と感情と行動」が自分の「自己実現」もしくは「イメージ」に近づけば近づくほど、だんだん濁りのないものになっていくように思います。
この道程の感触が、喜びとなり、まぎれもなく「自分の生き甲斐」になっているのです。

宮城まり子さんという個性は、この濁りの無い人の象徴でもあるよう思います。

「自分がどうしたい。」というヴィジョンがはっきりしていて、そのためには濁りの無い自分の個性を出し惜しみすること無く発揮していく。

子供たちは、その濁りの無い「愛」をひしひしと感じ取っているのです。

ひしひしと感じ取った愛が自己の開放へと導かれ、開かれた心の情動が魂を知覚して、一人一人の個性の美しさを絵を描くという行為で発揮し表現しています。

「愛のかたち」だな、と思いました。

教育や介護、福祉に関わる人々はすぐにおわかりでしょうが、「ロジャーズの6条件をこの展覧会で、私が体感した」と伝えたほうが分かり易いと思います。

会場が広いので、混んでいてもあまり不快感は感じません。会場に佇み、大切にされている自分を知覚してみるのも良い経験かもしれません。理論・理屈ではなかなか体得できないものです。
宮城まり子さんの壁に書かれた子供たちへのコメントは、正直で、体当たりで、直感的で、読んでいる私の魂に染み渡るように響くものでした。

濁りがありません。
澄んでいます。

「ねむの木の子供たちとまり子美術展」
日程:6月1日~7月1日
場所:六本木ヒルズ森タワー52階
料金無料

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