五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

東北の旅・三陸の入り江

2012年04月30日 | 第2章 五感と体感
遠野から松島までは180キロくらいの道のりです。
「岩手は大きい」ということを解っちゃいるけど、解っていないのがよそ者の甘さです。遠野を発ち、松島のホテルまで4時間の走行。
遠野から陸前高田に出て、そこから気仙沼、南三陸、石巻を経て松島へ。
沿岸の道路は、復興のための要であることをひしひしと感じさせていただきました。

父がダムや河川の設計者だったことで(いや、本人はまだ現役のつもりでいる??)、この東北の地は父にとっては故郷と同じくらいの思いがあり、故郷の東京よりも長く住んでいるので、父にとっては故郷かもしれません。今回の旅は変わり果てた風景を見るのが辛かったようで、母の喜寿を祝うための旅だと言っても、「私は行かない」ときっぱり断られました。
そのようなことを胸に秘め、テレビに映る主要の市町を本当に自分の目で目の当たりにした時、胸の奥から哀しみの体感が湧き出しました。仙台空港から山元町のあたりのまっすぐな沿岸の光景とは、また違うものです。道路を走り、山を越え、次の入り江に差し掛かるときの虚しさは、言葉で表せるものではありません。根こそぎ失われたものの以前の風景を知らない私は、父が思う愛する土地であるからゆえ行くことのできない怖さが、理解することができました。

陸前高田の一本松は、山側から海に降りていく勾配から見えてきます。遠くから見ると、枝の削げたひょろひょろとした幹が、自分の身体をくねらせ、一所懸命に生きている姿のように感じます。「ほんとうにほんとうによく耐えたね、」とそれぞれに呟き、車で走る中から自ずと手を合わせる私達は、段々と無口になり、ただただ入り江の村や町を眼の中に入れました。

現場を見て、身体で感じることは、見ないで想像していることとは有るか無いかの違いくらい違うことを改めて思い、生活を営み暮らしている人々が諸々を再構築していくにあたり、きっとその土地の風土が人々を深く助けていくのであろうという思いも湧いてきました。

見たことは、今後の私のありようにも影響していくことは確かなようです。

そして、大震災の被害で会社を移転した親戚と宴を開き、この一年の慰労と今後の成功を祈って、松島の夜は更けたのでありました。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東北の旅・遠野

2012年04月29日 | 第2章 五感と体感
数十年前から行きたいと思っていた場所にようやく念願叶った今回の東北の旅です。
平泉を巡り、二日目はいよいよ遠野へ。

東北自動車道を北に上り花巻から右に入り、一時間くらい走ると山に囲まれた大きな盆地に出ます。柳田国男の「遠野物語」は、私が心理療法を学ぶにあたり、教科書のような存在なのです。

遠野の言葉で語る言い伝えの話は、現在生きている人が、人生の先輩から聞き伝えられ、さらに後世に伝える「伝承の宝庫」と言っても過言ではないでしょう。
その伝承をそのまま聞き取り本にしたのが遠野物語です。

カウンセリングも常にその場に居合わせ、ありのままを傾聴することから始まります。そして、ありのままを傾聴することで終わります。
傾聴している私達は、何もしていないように見えますが、実はその作業の中には宇宙のように広い心模様と歴史と文化が裏打ちされている「壮大な一人の人」と向き合う事を意識します。そのためには、人を指導する勉強ではなく、私自身に柔軟性と包容力を養わせなくてはなりません。一方の思い込みで他者の話を聞くことがカウンセリングではないからです。

「神話(言い伝え)を大切にしない民族は滅びる」という言葉は、宗教心理学の学びの中から得た私の大きな矛先でもありますが、ほんとうにそうだと思います。

見たもの
聞いたもの
体感したもの
そしてその土地に宿る宗教感、風習
それらを、そのまま身体で感じることが、私の修行であると考えています。

そして、そのまま身体で感じたことに対して自分に湧き上がる感情と思考が、私自身の学びを進める道具となります。

遠野に立ち早池峰を拝みたかったのですが、あいにくの霧雨で白い雲に覆われ残念でしたが、河童淵の小川で釣竿を持ち、ガソリンスタンドではキツネに出会い(本当のキツネではなく道を間違えて教えてくれた女性の定員さんは実はキツネだったと思い込んでおります(笑))、朽ちかけた早池峰神社の鳥居に立ち、農道から見渡す田畑と民家に温かな人の営みを感じ、兎にも角にも、空気を吸う事ができたことに、大きな満足感を得ることができました。

遠野の伝承園の古民家で民芸品を作り販売している大正13年生まれのおばあちゃんの足腰の強さと細かい手仕事の正確さに感心しつつ、生涯現役の強さと誇りにあやかりたく、座り込んでお話を聞かせて頂きました。

次回は早池峰神楽を目当てに、そして次こそは早池峰の山を望むことができますように…。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たまプラーザの勉強会

2012年04月28日 | 第2章 五感と体感
昨日は、東急セミナーBEたまプラーザの「生き甲斐の心理学」を学ぶための第一回勉強会でした。

先日の雪谷教室でもそうでしたが、「生き甲斐の心理学」の「生き甲斐」という言葉に興味を持たれて参加される方が多くいらっしゃり、大変嬉しく思いました。

私達NPOの趣旨は「一般の方々にカウンセリングの理論を教育普及すること」です。まさに、カルチャーセンターは、その役割を担うための条件に合っている場所であると思っています。

公共施設を安価で借りて、安い料金で勉強会を開くことも大切なことですが、営利を追求しないNPOが商業施設と共存し、互いの長所を補い合っていくことは、NPOを設立した時からの私の夢でもありました。
特に東急セミナーBEさんは、東急沿線の駅に隣接し、沿線に住まう方々の文化・芸術の発信地としてのメセナ的役割を目的の一つとしています。スタッフの方々もとても爽やかで素敵な方々が揃っています。

勉強をしたい方々の選択肢も広がることは、それぞれの方々の生活範囲を精神的に満たすことになり、需要と供給の関係性が親密になることにも繋がっていきます。

これからの時代、このような工夫がとても大切になっていくように思います。

メセナと資本主義とNPOの経済効果及び経済のありようの図式を語り出すと「生き甲斐の心理学」から話題がずれてしまうので、このへんにしておきます(笑)

話題は戻り、昨日の勉強会は、自己紹介の中で、どのような思いでこの勉強会に参加しようと思われたかを皆様と和やかに聴かせていただきました。暮らしの中で生かしていくカウンセリングがいかに自分自身の生き甲斐に繋がっていくかは解って頂けたと思います。

自分の事を皆様に伝える際、誰からも否定も肯定もされず、暖かい眼差しで黙って聞いてもらえたとき、話をした自分はどんな感情が湧き出すか…。そのことをひっそりと体感していただきたく世話人としては努力させていただきました。

自分の生育史は宝物です。その宝物と共に私達は生きています。自分自身の湧き出す感情や考え方を素材に、それぞれの方々が個々にカウンセリングの理論と繋げていくことで、学びを身体と心で感じていただけると幸いです。

次回の勉強会も和気あいあいと楽しく時を過ごさせていただきたいと思います。

皆様との出会いに感謝しております。
たまプラーザのスタッフの皆様との出会いにも感謝しております。これからよろしくお願いいたします。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

義経との縁

2012年04月27日 | 第2章 五感と体感
ここ7年ほど、思っていることがあります。
それは、私が思う思わざるに関わらず、何故か義経がいつも近くに居るのです。

兄頼朝に鎌倉入りを拒まれた腰越・万福寺と義経を祀る藤沢の白幡神社に仕事場としての縁が生まれ、定期的に通っています。
特に白幡神社は、私の気合の場所でもあり、仕事前には必ず白幡神社と向き合うCaféで珈琲を頂き、心身を整えます。

今回の平泉の旅は、何となく御縁が繋がった義経に対しての思いも強く、平泉という場所の風土を身体で感じたかったことも訪問の理由の一つです。

何年か前に鞍馬寺を訪れた時は、木の根っこが張った山道を登りながら身軽な九郎義経が飛ぶように山を駆け巡ったであろうことを想像し、奥の院でしみじみと祀られた石を礼拝しました。

鞍馬寺から鎌倉腰越、藤沢、そして、平泉訪問は私の心の中では義経への思いの結願といっても相応しいかもしれません。

中尊寺と毛越寺を訪れた翌日の小雨降る中、いよいよ高館義経堂(たかだちよしつねどう)に。

狭い階段を上り、山の尾根に添った道に立つと、目の下に北上川が柔らかな「くの字」で滔々と流れているのが見えます。川の向こうには程好い高さの山が聳え、夏は大文字が焼かれるそうです。

数年前に義経を愛する方々が藤沢の白幡神社から、この義経堂まで歩いて来られたことを聞きました。

兄を慕いながらも、それが叶わなかった義経の不憫さが、この北上川に義経の魂と共に記憶されているようにも感じ、京都や鎌倉で命を奪われる最期よりも義経は恵まれていたかもしれない、という思いが私に湧き出てきました。
藤沢から平泉まで歩かれた方々も、きっと何度もそのことを思ったに違いありません。

藤原三代から芭蕉が旅する時代と今現在は、多分高速道路が出来たくらいの違いで、地形的にはほぼ変わらないことを思うと、芭蕉がこの高館で詠んだ「夏草や兵どもも夢の跡」の句が、ジワジワと体感として伝わってくることに深い深い喜びを感じました。

歴史の出来事の地層のような重なりを知ることが、現代を生きる私達の醍醐味であろうし、日本人の持つ「もののあわれ」の原型に触れることが私達のアイデンティティをより強くしていくようにも思います。

私自身、義経に触れる環境はまだまだ続きますが、義経を追って、方々を旅出来たことに達成感を得ることができました。
まさしく、私にとっての義経詣の結願です。

北上川のあの風景を観たことは、生涯の宝物になりそうです。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東北の旅・平泉

2012年04月26日 | 第2章 五感と体感
念願叶い平泉を詣でて参りました。

桜咲き始めの平泉。
ゴールデンウィークを控え、それほどの混雑も無く悠々と境内を散策してきました。

中尊寺には17の寺があり、毎年3回、その寺の僧侶が集まり中尊寺内の白山神社の能舞台にて能(喜多)を奉納します。
(奉納能日日程:5月4日5日,8月14日,11月4日)

囃子方、地謡に至るまで、すべてを賄うそうです。
藤原三代の風格と東北の地で生き抜く人々のチームワークと結束の知恵と言うべきでしょうか。現代に至るまで守られいる風習から、850年に慈覚大師円仁が開山した以来の文化の層の厚みを感じます。

世界遺産に制定される前に世田谷美術館にて大きな展覧会がありました。そこで東北の人々の持つ技術と心の繊細さに改めて感嘆し、一度は行かなくちゃ人生もったいない。。。と、思い続けてきました。

細やかな手先の器用さは、東北の気候風土を象徴しているように思います。大きな伽藍に宇宙のスケール感を求めるものとは違い、コンパクトな出来上がりの中に凝縮した思いを入れ籠める手法と精神は見事なものです。杉木立の中尊寺の寺社を歩きながら深く思い至りました。

「和」という言葉の中に秘められた唖吽の呼吸のようなものが、根付いているといっても言い過ぎではないかもしれません。

毛越寺(もうつうじ)の境内は、4時過ぎに入館したお陰で人もまばらで、山から引かれている鑓水から注がれる池に平安の都が憧憬として映り、天国浄土を歩いているような心地になると同時に、学び舎の址に佇むと多くの学僧がこの地で豊かに学問に集中できたのであろうと羨ましくもなり、何となく東大寺の学び舎址と同じような思いが湧いてきました。石礎の上に両足を乗せていつまでもそこに居たい情動が起こったのは、奈良の都と平安の都が両方混じり合ったような感覚がきっと身体の中に宿る記憶が懐かしさを呼び起こしてくれたことに違いありません。

西の都より少し早い夕暮れ時に、白い鹿に合いそうな予感を含みながら境内を後にしました。
足元に白い毛でも落ちていないか、見渡しながら^^…(慈覚大師が落ちていた白い毛に気付き、出会った白鹿がもうつう寺の名の由来だそうです)

明日は義経のお話^^を書きます。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「生き甲斐」につられて…

2012年04月21日 | 第2章 五感と体感


昨日は、東急セミナーBE雪谷での「生き甲斐の心理学」講座でした。
4月なので、初めて参加される方々もいらっしゃり、色々な「ことのは」に触れ、楽しい時間を過ごさせていただきました。
昨年の10月に開講してから半年が過ぎ、今回は7回目となりました。

NPOの活動とカルチャーセンターは、とても仲良しな関係といえます。雪谷の東急セミナーBEは、駅の真上にありますが、住宅地の広がる雪谷大塚は、電車に乗らず通われる方々が多く、地域密着型として近隣の方々を大切にしています。
このようなコンセプトが、一般市民を対象としたNPO活動と息が合うのは当然のことでしょう。

地元中心にちらしを配るそうですが、駅に行けば自然と東急セミナーの入口が目に入り、何となく「どんなことをしてるのかなぁ~」と講座のカリキュラムを読んでみると「ちょっと覗いてみようかな~」という気持ちが芽生えてくるようです。

今回は「生き甲斐の心理学」の「いきがい」の文字につられて体験された方が数人いらっしゃいました。

ありがたいことです。

暮らしの中に役立つ心理学講座は、背伸びすることなく、参加者の方々と自分の経験を大切にしながら自分をみていく勉強会です。「自分をみる」ことは他者との関係性に深く関連しています。

皆様と楽しく、朗らかに笑いながら、次回も講座を開きたいと思います。

来週金曜日は、いよいよ「東急セミナーBEたまプラーザ」の講座が始まります。

たまプラーザは雪谷とは違い、最近リニュアルした大きな駅です。
こちらも駅の真上にありますので、雨に濡れる事はありません。お店も充実していますので講座帰りに色々と寄ることもできそうです。
新たな出会いと繋がりを今から楽しみにしています。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

質問に答える時の傾向から

2012年04月20日 | 第2章 五感と体感
「〇さんは、今、△の事に関してどう感じていらっしゃいますか?」

と、質問したとします。

△の事に関して感じていることだけの「答え」を求めているわけですが、話しているうちに△の事よりも遠い将来の事、社会の様子に関しての話題へと移ってしまったり、ついついいつも気に掛けている事の思いが表出されたり…

たいてい、的確に答えを話してくださる方は少ないように思います。

でも、それが、傾聴の一つのポイントであるように思います。

常に気に掛けている事が、一見関係の無いような質問で言語化されていくからです。

〇さんの中に既に持っているなんらかの答えがあるはずなのに、見えてこない時は、或る程度衛星のようにグルグルと回る同じような話題を聴き取っていく必要があるようです。

グルグルと回っている中から、一つ、二つ、質問する内容は、倫理道徳に縛られない本質的な事のほうが良さそうです。

☆何のために生きているのか?

☆生き甲斐とは何か?

☆自分の心と身体と魂を大切にしているか?

信頼関係が生まれ、暫く話を聞き続ける行程の中で、このような質問をしていくと、はたと、同じことの繰り返し言葉が止まる場面に出合ったりします。

私達の心の中には大きな宇宙が広がっているのですから、自由に羽ばたきたいものです。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「語る」を聞く

2012年04月19日 | 第2章 五感と体感


ケルトの吟遊詩人にしても平家物語を語る琵琶法師にしても共通するのは「語り」です。
物語を語ること、言い伝えのある昔話を語ること、見た事聞いた事を語ることも人の口から発生する声を聞き、聞き手は自分の五感や体感を駆使して想像の世界でそれなりの映像を観ていきます。

他者から聞く言葉の抑揚や旋律は、自分の目で見たことや聞いたことよりもリアルであったりします。情感にも訴えます。

体で感じて、五感で感じて想像することは、現実社会を生きている私達に生きる力を与えてくれるのです。
他者から聞く語りが自分で体験していることよりも、リアルに感じるということは、他者という媒体が自分の現実吟味力を高めてくれるからかもしれません。

人の語りを聞くこと。
人の話を聞くこと。

言葉は「ことだま」です。

自らが受け手になり、「語ること」を静かに聞く時間は、自らの不安感を咀嚼する好い機会かもしれません。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感情と体感

2012年04月18日 | 第2章 五感と体感
「自分の感情に持て余し、どうして良いのか解らない」という経験をする人は、表現者に多いかもしれません。
だからこそ表現者になったのかもしれないし、それは解りませんが。

自分の感情を言語で上手に操ることが出来たら、感性豊かな小説家になることができるかもしれません。

情動と感情がぴたりとくっついた時、悔いの無い満足な行動となる場合もあれば、「あー、やっちまったぁ~」と言う事になる場合もあります。

感情ばかりが高ぶり、行動できないジレンマに陥ることだってあります。

日本人は、四季折々移ろう豊かな自然の中に暮らしています。
自分の表情を変えなくても、四季が変わってくれます。

季節がグラテーションのように移ることは、どこか意識の下で変わっていくことに期待する自分もいるようです。
時がくれば、いつしか好き方向に向かうであろうと思い行程に身を置く自分が居たりします。

感情と体感は、自分の住まってきた身近な風情や風習、つまり環境によって育てられていくようです。
もともと持った素養も大事でしょうが、当たり前だと思っている自分の習慣に目を止めてみると、「自分の個性」に美しさを見い出すことができるかもしれません。

昨日の四ツ谷勉強会では、そんなことを想いながら楽しい学びの時を過ごしました。

昨日お話した「チベットの死者の書」は、「80の自性の分別」の事です。
話は変わりますが、六本木ヒルズの森美術館にて、「エジプトの死者の書」の貴重なパピルス画が一挙に展示されるそうです。物凄く楽しみです。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

問題意識という意識

2012年04月17日 | 第2章 五感と体感

photo:kyoto/Genkoh-an

お母様が困り果てて、相談にいらっしゃる場合、それは「子供が考えるべき問題なのか」「お母様自身が考えるべき問題なのか」を傾聴します。

お母様の言葉が「子供は」が主語になる場合、「私は」から「子供は」にすり替わっていく流れを更に否定も肯定もせず傾聴していきます。

「問題意識を持つ」ことは、生きてゆく上で、自分が向上しながら進んでいく事と大きく関わっていくものです。

でも、その問題意識の矛先が、自分では無く「子供が」にすり替わっているとしたら、それは問題意識と言い難いのです。

子供だけのことではなく、「相手が悪い」、「相手が変われば自分が安心する」等、いつも自分のことを棚に上げ、他者の批評と批判をしたところで、自分に宿る不安感は解消されないのです。

でも、「あなたは、自分のことを主語にして話さなくてはなりません」と説得することもできないのです。

自分が自分を見据えることができるような問いかけを少しずつ増やしていくことから、自分と他者はべつのものであることに気付くと、自分の悩みが自分のものとして意識されていくようです。

問題意識を持つことは、この先の一歩を踏み出すきっかけとなります。

でも、それが、自分の問題なのか他者の問題なのか、整理できていないと、どんどんと他者の問題に乗り変わり、自分と他者との区別がつかなくなってしまいます。

「私」を主語に話していくことを意識することから、何かが始まっていくように思います。

母が、
父が、
子供が、
上司が、
兄弟姉妹が、
夫が、
妻が、

と、言う前に、「私が」どうなのかということが、自分の問題意識の扉であるようです。

クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

他人の個性を勝手に決めつけない

2012年04月16日 | 第2章 五感と体感


他者の個性をかたくなに決めつけてしまうと、自分自身の自己防衛はどんどん強くなるように思います。

相手から意見を言われたり、批判されたり、非難されたり、つまり負の感情が相手から向けられたとき、相手の性格を一方方向から決めつけて、自分自身を点検しないと、たぶん、相手が違っても同じことの繰り返しが起こる可能性が高い確率で起こります。

相手からやられっぱなしで、自信喪失になる人も多い中、相手から批判されても自分の点検をしない人も、きっと何らかの防衛機制が強い人なのかもしれません。

暖簾に腕押しと言う諺がありますが、自分が「暖簾のれん」になる前に、自己点検する余裕を持ちたいものです。

案外、他者に言われたことが、自分をストレスに追い込むきっかけになるとしたら、なぜ、自分は、相手に対してストレスを感じるのか。。。という視点から始めてみると、自分の中にある鬱屈したものが顕わになって現れ、相手に対して感じていた感情が、自分の解釈や傾向の固さから生じていたことだということに気付くかもしれません。

人から学ぶものは、自分の力で学ぶものより、大きく深いものがあるように思います。

他者を一方方向からばかり見るのではなく、いろいろな場面で、いろいろな角度から見ていきつつ、自分自身の防衛機制を点検してみることは、人間関係が円滑に運ぶコツではないでしょうか。

人の個性を決めけたような言動は、それを聞いている第三者が不快な気持になります。
「あら、そんなこと言っているあなただって!」と心の中で思われているかもしれません(--;)。

自信喪失ばかりは困りますが、たまには自分を顧み、反省することも必要です。


クリック応援お願いします♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

入学式から一週間

2012年04月14日 | 第2章 五感と体感
方々で行われていた入学式が落ち着いた週末は、またもや雨。

新しい環境に身を置いている人は、想像以上に緊張しているはずです。

来週あたりから催しものに混じりながら本格的に授業が始まるところもあることでしょう。

最初から気の合う友人を見つけ付き合う事など、よほど自分の直感力を信じていない限り無理です。

公立小学校から公立中学校への入学だと、何となく気心が知れている人間関係を持ったまま学校生活が始まりますが、
小学校の卒業入学をきっかけに引っ越ししたり、私立の学校へ行ったりすると、今までの環境のようなわけにはいかないはずです。

ご両親方も、子供の様子が気になり色々と聞きたい事もおありでしょう。

でも、これから五月の連休までは、毎朝学校に通う子供を淡々と送り出し、夕方帰宅する子供を温かく迎え、共に食事をする中で、子供から口に出る言葉に静かに耳を傾けるとよいでしょう。

お母さんの「~べき論」や「励まし」は、少し控え気味が良いかもしれません。

新しい環境でどう生き延びていくかを自分で探していくことが子供の自立と深く関係していくように思います。

無関心は困りますが、我が子が持ち備えている問題解決力を信じて静かに見守ってゆくことは、特に中学生の場合大切な心がけかもしれません。

始まりは肝心ですが、まだ入学してから一週間です。
慌てて無理なアドバイスをするよりも、子供のペースを信じながら、子供が掴むものを受容していくことは、親にとってかなりの忍耐が必要なことかもしれませんが、ここは、ぐっと我慢^^/してみる時期と言えそうです。

子供が今までの経験を基に好きか嫌いかを選んでいく大切な時期を見守る親心も、子育ての醍醐味の一つに違いありません。

クリック応援お願いします♪♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大原野神社のお茶屋さん

2012年04月13日 | 第2章 五感と体感
4月11日の京都はあいにくの雨でしたが、灰色の空に果てしなく白に近い桜色が浮き立ち、清楚さが嬉しい花見となりました。

勝持寺の境内には遠慮することなく桜の木が植えられ、華やぐ気分が増してきました。
新しいお茶室で頂いたお茶とおもてなしも有難く、観光客同士の会話も弾み、一期一会の人との出会いは良いものです。
後世までこうやって人を寄せることを桜を植えた西行さんは想像できたのだろうか。。。と、ふと思ったりもしました。

平安時代は、まだまだ山深い処であったことでしょう。それでも持統天皇の頃から既に大事にされていた場所でもあり、願徳寺の如意輪観世音菩薩と日光&月光菩薩は、非の打ちどころの無い美しさに驚きました。

勝持寺から竹林の参道を歩き、大原野神社へと向かいました。歩いて15分くらいです。

神社に着く頃には、お腹もぺこぺこになり、雨脚も強くなり出し、参拝を済ますと一目散に神社の袂にある春日乃茶屋に。

雨のため、参拝客もまばらだからそろそろお昼にしようかと、従業員の方々が御膳を出していたところにひょっこりと私達が入ったわけです。
「申し訳ないですねぇ」と笑い合い、筍定食を注文し出すと、次から次へとお客さんが入り、20人くらいでいっぱいになるお茶屋さんが満席になってしまい、てんてこ舞いとなりました。

掘りたて筍に満足しながら、お店を見渡していると、店内の天井の下あたりに布袋さんがマトリョーシカの如く7体並べられていることに気付きました。大きさの違う同じ布袋さんが仲良く整然と並んでいるわけです。

お茶屋の豪快で魅力的なおかみさんに聞くと、伏見稲荷の布袋さんで、一年に一度、一つ購入し、7年間かけて揃えるそうです。揃えている途中に家族が亡くなると、その布袋さんを返し、喪が明けたあくる年からまた揃え直していくのだそうです。
最近では、この風習が無くなってきたらしく、伏見稲荷で布袋さんを買い揃える人も少なくなってしまったそうです。

おかみさんは、布袋さんのことを「ほてさん」と呼んでおられました。

そういえば、戎さんも「えべっさん」です。温もりある親しみを感じます。

関東では七福神巡りの風習がありますが、関西だと一つの神様を大事にする風習があるようです。

雨のお陰で、人との出会いが印象的な花見となりました。

大原野神社の春日乃茶屋は、蓬餅もお薦めです。この時期ならではの風味で、春の香りを満喫しました。

おかみさんも、とても太っ腹な楽しい方です。勝持寺の茶室のおもてなしといい、お茶屋さんのおもてなしといい、日本のおもてなし文化は、ほんとうに貴重なものだと改めて思いながら帰路につきました。

クリック応援お願いします♪♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西行桜

2012年04月12日 | 第2章 五感と体感
京都の桜を愛でてきました。

今年に入ってから3回目となる京都訪問。一月はえべっさん(恵比寿さん)、三月は北野天満宮の梅を愉しみ、土蜘蛛塚に偶然出合い、仁和寺で経正を想い、渉成苑で源融の塩釜の風情を学び、そして、今回4月は街中(まちなか)は桜が満開でした。

今回は京都市の地図の左側、つまり西側を巡ることにしました。

善峯寺の桜はまだ咲き始めでしたが、春霞の山に赤や黄緑の萌えた色合いが柔らかく映えた風景に、自分に宿る大和人(やまとびと)の魂がが疼くのを感じました。境内の樹齢400年以上の龍のごとき松を堪能し、秋の紅葉や楓も見事であろうと想像しながら山を降り、中腹に佇む十輪寺(業平なりひら寺)のなりひら桜を拝見し、勝持寺へ。

勝持寺は、花の寺とも云われ、能楽「西行桜」でも有名です。今は3代目とのことですが、佐藤義清が出家する前に身を置いた処だと云われています。

満開の桜で花酔いと人酔いの京都の街とは違い、お天気が悪かったおかげで、咲き始めの西行桜を御抹茶を頂きながら静かに眺める事ができました。

多分、勝持寺の西行桜は、今週末あたりが見頃でしょう。接ぎ木をしたようで、途中の太い枝が枝垂れ桜となっているのは、西行桜は能の演目らしく、出し惜しみせず、花見を愉しみたい皆さんに愉しんで頂こうと想うご住職の計らいなのでしょうか。ちょっとした俗っぽさが庶民の心を擽り、西行桜を身近に思いました。

丁度、ブログを書き始めたら、昨日西山の農家で購入した筍が宅急便で届きました。今から茹でると致しましょう^^

クリック応援お願いします♪♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の感受性を否定しない

2012年04月10日 | 第2章 五感と体感

写真:スロベニアのブドウ畑の村「エルサレム」にある田舎料理のレストラン

口に広がる食感と味から幸福感を感じることは、いちいち意識はしていませんが、毎日感じているのだと思います。
でも、口に入れた途端、幻滅を感じたり、哀しくなったりすることもあります。

幼い頃から方々旅に連れ回し、数カ国でホームステーや留学を経験した息子が最も多く学んだ事は、味覚と嗅覚に違いない。。。と、思う事があります。味覚に関しては、息子に超えられちゃったな、、、と口惜しい思いもあり、嬉しい思いもあり…。
そんな私もアスパラガスが出始めると、パリの空気が蘇り、筍が出始めると、里山の空気があたりに漂い、土の香りが鼻に香ってきます。

春になると、ついついブログに書きたくなるのが旬の食べ物のことです。

しかし、本来なら、春の味覚にワクワクするところですが、このワクワク感が停滞しているのは、明らかに放射能のことが頭から離れないからです。他のことは、客観的に捉える事ができるのですが、食べ物好きにとっては、かなりのダメージです。

その上、ニュースでセシウムを測定するための食材を細かく刻み撹拌する機械が映し出される度毎に気持が悪くなり、吐きそうになります。

テレビでニュースを見る=気持悪くなる

という図式がこの数日間で定着してしまい、でも、そうなってしまうのだからどうしようもなく、自分の感覚が治まっていくのを静かに待つしかないようです。
夜だけ見ていたテレビのニュースも、その映像が出るので、テレビを付ける気分が失せてしまいました。

最近では、テレビで放映する津波の映像には必ず考慮されたフリップが出るようになりましたが、具合が悪くなるのが津波の映像だけでは無いことに改めて気付かされています。

「神経質だわ」とか「考え過ぎじゃない」という言葉で終わらせることが出来る人もいれば、こうやって私のように直に感じてしまう人も居るわけです。

自分の五感は、自分だけのものです。だからこそ、「感じること」に素直でありたいと思います。

「こんなことを感じては失礼だ。いやいや、こんなことを感じるのは自分だけだから我慢我慢!」等と、自分で思う事や感じることを自分自身で否定し続けていると、いつしか抑圧的な防衛機制が自分を身体症状や鬱に追いこんでいくようです。

「自分の感じる事を自分自身が否定しない生活」が最低限守られる社会であって欲しいと願うばかりです。

クリック応援お願いします♪♪「生き甲斐の心理学」
人気blogランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする