五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

お花の記憶

2014年04月30日 | 第2章 五感と体感
「苦しゅうない。ちこう寄れ。」「よきに計らへ」と云う事ができるのは「殿様」。家臣はそれに従い、よき計らいを模索するのでした。

よきに計らうことは、都合よく計らう事でありますが、勿論身勝手な好き放題という意味ではありません。

お殿様があれこれと口を出し始めると、家臣は「殿、御乱心」と云われ、勝手に口出しすることを嫌がる風潮があったようです。安定していたお江戸の時代の事でしょうが。

平和な時代に黒船がやってきて、そこからどんどんと殿様は責任を負わされる立場となっていきました。

よきように考えてもらっていた頭首が自分を含め家臣を守り、立場を守るために能動的な意志を示していかなくてはならない時代になり、いくら帝王学を学んでいようと、実践することは大変な時代変換であったに違いないと江戸後期から明治にかけてを考えると特にそう思います。

昨日のニュースで、皇居に新種のお花が見つかったことを知りました。
一体、いつの頃から咲いているのだろうと、思うと、懲りもせず、私の興味の矛先が江戸城の頃に遡っています。

江戸城を無血開城し、京都御所から江戸に遷ってから146年。
その頃に、花が他所から献上されたものか、はたまたそれ以前から咲いていたのかはわかりませんが、
可憐なお花は、間違いなくお住まいになる方、そしてよきに計らう人々の姿を春になると見上げていたのです。

お花に見たものを記憶する力があるのなら、何を見てきたか聴いてみたいものです。

お陰で、松本清張の「神々の乱心」が読みかけであることを思い出しました。あれこれ落ち着きつつあり、ようやく小説本を開く時間が持てそうな環境を整える連休後半となりそうですが、まずは、読みかけの神々の乱心から手をつけると致しますか。。。

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慌てない

2014年04月29日 | 第2章 五感と体感
「慌てる乞食は貰いが少ない」
という故事通り、慌てると目の前のことしか見えず、その先にある大きなものに行き届く前に、返って入ってくるものが少ししかなかったり、色々な意味での生命を断たれたり、ろくな事はありません。

生き甲斐の心理学の学びと共に仕事の現場で学び育んできたものは、知識だけではありません。
「態度」も、学びの内です。

自分の態度が周りに及ぼす影響は、自分が思ったよりも大きいようです。

どんなことがあっても「慌てない」と、何度も心に意識化させた経験は数え切れないほどあります。

慌てると、判断を誤ります。

どんなに早い決断が必要でも、「口から先」ではなく「心に思い、思い巡らせる」ということは、早急な判断を求められた時こそ、意識化しなくてはなりません。

聖書の中に、マリアが受胎告知を受けた時に、誰にも云わず、何度もこの現象と意味を自分の中に留まり思い巡らせたと書かれてあります。
随分昔に、この箇所を読んだ時、思い巡らす意味が私の中でストンと落ちた事があります。

自分の身体の症状が問題なのか。
自分の生育史上の考え方が問題なのか。
それとも魂の問題なのか。

生まれてから今日までに育まれた考え方は、湧いてくる感情をも生んでいます。もちろん、それによって自分が起こす行動も自分の考え方と結びついています。

他者に対することへの判断も同じことです。
他者のことをあたかも自分のことのように思ったところで、自分の判断がその他者にとって正しい答えであるとは言えません。

自分が他者に対し、どんな立場なのか。そして、自分は他者に対してどこまで関われば良いのか?、それはどんなことか?つまり、自分の役割を整理することで、慌てる気持を抑制することもできそうです。

心の中で慌てていても、慌てない態度を取るだけで、慌てない雰囲気が醸し出されます。
慌てない訓練を意識的にしていくと、無意識に慌てることは避けられるようになるはずです。

新年度始まりの四月がそろそろ一カ月経とうとしています。
まだ、一カ月です。

慌てることによって、「まだ一カ月しか経っていない」事を忘れているとしたら、一カ月しか経っていないことを思い巡らせてみるのも落ち着くための意識化に繋がるかもしれません。

空を仰いだり、
木々の木漏れ日の中を歩いたり、
潮風に吹かれたり、
いつもとは違う安らぐ環境に身を置くだけで、高ぶる気持ちが治まることもありそうです。

突っ走らないで、一旦止まって、「身体と心をお休みする日」を過ごすことを心掛けてみるのも「慌てない自分」の修業の仕方であるかもしれません。


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審美の眼を養う

2014年04月28日 | 第2章 五感と体感
世田谷美術館区民ギャラリーでの「江戸表具を愛する会」が昨日無事終了しました。

大勢の方にいらしていただき、感謝申し上げます。
なお、SNSでのお付き合いをしている皆様、色々な媒体を使ってお知らせくださり、心から嬉しく思っています。
この場を借りてお礼を申し上げます。

作品展は私自身、技術や知識を学ぶ絶好の機会です。
表具師、技能士の皆様との語らいの中で、勉強なることが沢山あり、広々とした展示室の空間も心安らぎ、今年に入ってから全力投球してきた心身にのんびりとしたそよ風が吹いてきたような思いで展覧会期間を過ごしました。

日本の伝統的な設えには欠かすことのできない床の間文化は、住まい方が変わっても、伝統的な文化として継承され、現代の私達の生活の素地になっていることは間違いありません。

作品を活かすための表具は、茶の湯の世界で侘び寂を表わすものであると同時に、貴族文化の雅さを表わすものでもありました。もちろん、武将の権威を表わす為のものでもありました。そして仏の尊さを表現するものでもありました。
そうであるからゆえ、
それぞれの好みには差異がありますが、個人の暮らしぶりや思想から醸し出す好みが直に見えてくるものでもあり、遊びといえども真剣勝負の審美眼を問われるものでもあったのです。

かつては、真剣勝負の審美眼を持つ人が、見る目を養い、職人を育ててきたわけです。

審美の眼を養うためには、養う養育が必要です。どんなにお金持ちになっても審美の眼を短期間で学び取ることはできません。

死ぬまで養い続けていたいと願う私は、お金も地位もありませんが、しかるべきところに足を運び、しかるべき環境に身を置くことで養う訓練ができる現代の環境に有難さを感じています。

出歩くことに相応しい季節、しかるべき場所で審美の眼を養いつつ、修業と修行を続けてまいろうと、ワクワクしております。

それは稽古であるかもしれないし、修業であるかもしれませんが、ともかく身の丈の中で粛々とやり続けていれば、新たに見えてくるものに喜びの感情は必ず湧いてきます。それを楽しみに、続けてゆきたいものです。

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個性が見えてくる頃

2014年04月25日 | 第2章 五感と体感
今週末まで頑張るとゴールデンウィークですね。

新年度が始まり、新しい環境の中で色々な立場の人が、慣れない場所、初めての場所、人間関係を経験しながら、切磋琢磨してきたことでしょう。

緊張も限界に達し、そろそろ身体症状に出ている人もいらっしゃることでしょう。
新しい環境の中で自分の位置を見つけ、上手にこなしている人もいらっしゃることでしょう。

自分が身を置く環境に馴染むまでには、どのくらいの時間がかかるか?、人と関わることも、仕事を覚える事も、それぞれの人によって違います。

上手く渡ることが出来る人ばかりが目立つ時期でもあり、出来ない自分を諌める気持が湧き出している方もいらっしゃることでしょう。

他者の個性が見えてくる頃でしょうし、同時に自分の個性も自覚できる頃でしょう。
もちろん、集団としての傾向も見えてくる頃です。

他者の事ばかりに気を取られて自分の個性が発揮できないのであれば、ゴールデンウィークに自分のペースを意識化してみる事も大事なことです。
振り回されず、自分の個性をしっかりと見ることができるのは、静かに一人で身を置く場所でないとできません。

慌てず、
焦らず、

まだまだ始まりから一カ月も経っていません。

自分自身が環境に慣れるまで、あとどのくらいの時間が必要なのかを自問自答してみるのもゴールデンウィークにすべきことかもしれません。

身体を酷使しませんよう。。。お大事に。


☆☆
4月22日(火曜日14時~)~27日(日曜日)世田谷美術館区民ギャラリーにて「江戸表具を愛する会」の作品展開催中。新緑の季節、砧公園をお散歩がてら、ぜひ!私は23日水曜日、26日土曜日、27日日曜日にギャラリーに居ります。


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新緑の世田谷美術館

2014年04月23日 | 第2章 五感と体感
ここ二年ほど、世田谷美術館区民ギャラリーでの「江戸表具を愛する会」は、8月におこなっていましたが、今年は春に開催とということになり、寒い冬の時期から制作を始めた表具が、新緑の緑が萌える季節に命を吹き込まれたようです。

五月の連休一歩手前の週末に、砧公園をのんびりと散策すれば、新年度の疲れを癒すこともできそうです。

機械でプレスして仕立てる掛け軸とは違い、正麩糊となるべく手すきの和紙を使って、すべて手作業で仕立てる掛け軸は、日本の気候に馴染むことで、風情が出てきます。

そんな意味で、新緑の萌える気候に、和紙や裂が呼吸して息をするのは、ほんとうの事だと思っています。

手間暇かけた日本の技を見ていただけると幸いです。

技術の継承は、まずは観ることから始まります。

特に東京近郊では、表具という設えが遠い響きとなっています。観る機会、使う機会が無ければ、遠いものとなるのは当然のことでしょう。
でも、書や画を嗜む方々は大勢いらっしゃいます。
せっかくの書や画をプレスの機械で簡単に表装するのは勿体無いことです。

自分の作品にどのような裂地や軸先を着せて設えるか、考える事も制作の延長であるかもしれません。
裂を選ぶ時間は、とても贅沢な時間です。

源氏物語で光源氏が、自分と関わる女性たちに選んだ着物の裂はどれも選ぶ相手の個性を引き立たせる色や柄です。
それを選ぶ様子は、私が裂を選ぶ心持ちと通ずるものがあります。

もてなすことは、自分の心を相手に伝える大事な伝達手段です。

その心を育むには、少しばかりの教養も必要です。
おもてなしを感ずるには、感ずるための学びも必要なのが日本の文化の特徴でもあります。
察するには、五感を磨くことも大事なことです。

生涯学ぶことを続けながら、表装を通して伝えていきたいものです。

「江戸表具を愛する会」
今年も多彩な風情でお待ちしております。

そして、会期中御来場くださった皆さまに感謝申し上げます。

☆☆
4月22日(火曜日14時~)~27日(日曜日)世田谷美術館区民ギャラリーにて「江戸表具を愛する会」の作品展開催中。新緑の季節、砧公園をお散歩がてら、ぜひ!私は23日水曜日、26日土曜日、27日日曜日にギャラリーに居ります。


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自分の内から湧き出す応え

2014年04月22日 | 第2章 五感と体感
人は心と身体と魂で成っています。

身体に異常を感じたら、生活習慣を改めるかお医者さんに行くか、何らかの行動を起こさなくてはどんどん身体を痛めていきます、

成育史上に育まれた考え方や自分の傾向や性質から湧き上がってくる感情や考え方は「心」です。もし、何らかの囚われで苦しんでいるのであれば、その囚われから解放されるか、自己概念を再構築していかない限り、明るい方向には向かいにくいでしょう。

魂は、永遠普遍の何かを感じた時に自分の内から湧き上がる喜びとか統御感を感じた時に、魂を想うきっかけになるかもしれません。

いま、

自分がなにを悩んでいるのか?

自分の問題は、身体の問題なのか心の問題なのか?
はたまた、生活に不自由していなくても、生き甲斐が無く、何のために生きているのかわからないと憂うのであれば、そろそろ魂の事も想ってみるのもよいかもしれません。

自分の内に留まることができず、あちらこちらに何かを求めていても、たぶん、充分に自分を満たす答えは与えられないはずです。

答えは自分の内にありますが、自分の内から与えられる応えと自問自答することから腑に落ちる統御感が得られたとき、それが自分の統合といえるのかな、、と、思っています。
学び舎の梯子をしても、占いの梯子をしても、自分の内を満たしてくれる答えに出合うわけではなさそうです。

一つに留まり、自己と対話してこそ、ではなかろうか、と。。。
つまり、自分自身から湧いてくる応えが自問自答の始まりでありましょう。

☆☆
4月22日(火曜日14時~)~27日(日曜日)世田谷美術館区民ギャラリーにて「江戸表具を愛する会」の作品展を行います。新緑の季節、砧公園をお散歩がてら、ぜひ!


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新たに一歩

2014年04月21日 | 第2章 五感と体感
年明けからマラソンの様な日々を過ごしていましたが、ちょうど昨日は数カ月ぶりに長閑な休日を過ごすことが出来ました。

仏教では修二会と花まつり。キリスト教では四旬節と復活祭。
春を迎える時期に同じような行事が重なります。

復活祭の卵を作りながらふと気付いたのは、かれこれ15年ほど毎年飾っている我が家の復活祭の卵はロシアのどこかの地方の伝統的なものです。

ロシア正教の信者であるイコン画家の奥様が拵えた卵で、鶏の飾りになっていて、とても愛らしいのです。
そのイコン画家の日比和平さんは、もうすでに亡くなられていますが、ガラス絵でイコンを描き、御自分で額も作られていました。それが流木だったり、手彫りであったり、ともかく作品全体から醸し出す温もりが日比さんのお人柄そのものです。

彼のお兄様はハリストス正教会の神父様でした。函館のハリストス正教会にいらしたと聞いています。

素朴な愛らしいイコンはいつ見ても心が落ち着きます。

いつもイコンを飾ってある棚に鶏をあしらった卵を置き、マトリョーシカを置くと何故かロシア風。。。

先日我が家に訪れた息子の友人が、家の中を見渡し、「神様がいっぱい居る家だよね」と呟いていました(笑)
スペイン留学仲間達でもあり、スペインのコンポステーラ巡礼800キロを学生時代に地下足袋履いて歩き通した彼の言葉は、私にとってちょっぴり嬉しいコメントでした。

確かに我が家には諸々の神様が沢山おります。皆さん仲良く共存しながら我が家で和んで頂いております。
長年かけて気付いたらこんな感じになってしまいました。エキュメニズムの考え方を今後も大切にしたいものです。

イースターウィーク、新たに一歩踏み出して、新芽と共にノビノビと暮らしたいものです。

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4月22日(火曜日14時~)~27日(日曜日)世田谷美術館区民ギャラリーにて「江戸表具を愛する会」の作品展を行います。新緑の季節、砧公園をお散歩がてら、ぜひ!


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今日はイースター(復活祭)

2014年04月20日 | 第2章 五感と体感
春分以降の満月を過ぎた日曜日が復活祭です。
陽暦と陰暦、両方を大切にしているのが特徴です。

日本の風習でも陰と陽は大切にされています。神社の山門に太陽と月のシンボルが二つ並べて配置されているのを多く確認でき、日本の古層から至る風習は双方を共に大切にしていることを窺う事ができます。

空海が日本に持ち込んだ「理趣教」は、景教(古代キリスト教)を思わせる経典でもあります。私はいつも旧約聖書の雅歌にも通じると解釈しています。

とにもかくにもこの聖週間は、キリスト教の国々では行事的にはクリスマスと同じように大切にされているのです。

つまり、イエスキリストの誕生は冬至を起点に日が長くなることを共に祝い、春分以降の復活祭は受難のキリストが復活したことを祝います。その時に太陽も月の暦も同時に祝います。
そして、復活祭から50日後に聖霊降臨があり、夏至に近い頃にお祝いが重なります。

諸々の「信じるもの」を紐解いていくと天の都合が大きく影響していることが解ります。

手向けて祈ることの心模様に境界線はありませんね。。。

ご復活おめでとうございます。Happy Easter


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掛け軸から文化を視てみる

2014年04月19日 | 第2章 五感と体感
来週から始まる「江戸表具を愛する会」に出品するための掛け軸が家中に下げられており、あと少しだけ残った仕上げの作業がなかなか手をつけられないままに週末を迎えてしまいました。

今日は復活祭の前日。復活前夜祭。
復活祭を祝うための大量の卵をコトコト茹でながら、朝のブログ書きをしています。

掛け軸と云えば、仏教的なイメージもありますし、神道では、正絹の地模様の白だけで設えますが、今回は昨年訪れた熊野三山のヤタガラスだけで描かれた朱印を表装し、それを三山一組にして三副仕立ててみました。
神様に敬意を払い、白い色を取り合わせましたが、長らく保管していた裂を中心にしてみたので白い色を一部に使いましたが、全体的に色付き柄付きです。

遣隋使、遣唐使が船で行き来をする以前、海を渡り伝わってきたものはすでに私達の記憶の奥深くに宿り、意識化することはできませんが、現在に至るまで大切に正倉院に保管されてきた数々の物や飛鳥時代の仏を見るにつけ、それらを見て新鮮な憧れを抱いたいにしえの人の気持が湧きあがるように伝わってきます。

色とりどりのもの。
精巧なもの。

それらを見た人々はこぞってその技術を身につけようと努力したに違いありません。

室町時代に入り、茶の湯が流行り出すと
華やかさに飽きた数寄者が侘びや寂びから美しき定義を見い出していきます。

貴族文化が華やかさを極めようとする反面、
数寄を凝らす商人の旦那衆が茶の湯文化を発展させ、日本の文化に深みを与えていったのです。

源氏物語があたかも現実であったかのように現代の私達の個性に馴染んでいることも日本文化の特徴であるかもしれません。

あたかも~~のように振る舞う事がいつしか本当になっていくことも文化の育み方かもしれませんし。

演出すること。振る舞う事。
そうするには、意思と意志、それを実行し続ける決意も必要になります。

縄文からの時間の重なりの上澄みの様な処で生きている現代の私達にしても、更に重なっていく時間を見据えても見据なくても、同じ速度で積み重なっていくわけです。その同じ条件である「時間」をどのように過ごすかは、自分自身の見据え方次第でありましょう。

正倉院に保管された裂の数々も素晴らしいですが、現代の好みを数寄にすることも私達の役割かもしれません。

そんなことをツラツラ思いながら書いているうちに、そろそろ卵が茹であがった頃です。

皆さま、よき週末を~♪

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始まりに戻る始まり

2014年04月18日 | 第2章 五感と体感
新年度三週目の週末です。
そして、今度の日曜日は復活祭(イースター)。
普段は陽暦を中心に生活しているのですが、春分後の満月の後の日曜日が復活祭である為、この頃になると、月の見え方がいつもとちょっぴり違う様に思うのです。
そのようなわけで、先日の満月、十五夜の月を立ち止まって眺めました。

降誕祭は、冬至と深い関係がありますが、復活祭は春分との関係を大切にしています。
北欧では夏至の祭が大切にされており、日本でも神道では一年の半分が過ぎた時点での祓いの祀り事が6月末に行われています。

人が天を畏れ、敬う気持は、森羅万象の普遍性に気付くことから始まったのかもしれません。

「自分」という持ちモノを託された「自分」の取り扱いは、出来る事なら粗野には扱いたくありません。
でも時々、自分と云うモチモノを他者に委ねたくなったり、見たくなかったり、放棄したくなったりします。

お釈迦様の誕生日が過ぎ、いよいよキリストの復活祭です。

空気が温み、花々が咲き始める季節に、改めて自分の活動を具体的に起こすには丁度良い機会です。

暦を捲りながら一日一日、自分の身体と心と魂を大事にして暮らすことを心掛けたいものです。

自分の始まりは、他者と一斉にするものではないと私は思っています。
自分に相応しい始まりは、自分が始まりと思ったら始まりです。

「自分がここから始まる」と、解釈できた時に、初めて本当に始まりを感じるはずです。

もし、戻りたい場所があるのなら、躊躇せずに戻ればよいだけの話です。
そこに会いたい人がいるならば、会いに行けばよいのです。
そこで「始まり」を感じたら、始めればよいわけです。

自分の
身体をお大事に。
心をお大事に。
魂をお大事に。。。
そして、今日もよき一日でありますように。

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やることの整理

2014年04月16日 | 第2章 五感と体感
四月に入ってから、新年度の仕事の準備と勉強しながら、表装を制作する日々を過ごしていましたが、いよいよあれやこれやが具体的に始まります。

自分の仕事に対して自分自身のもやもやした防衛機制があると、上手いように進んでいかないものです。

仕事に対する自分の防衛機制のために上手くいかないことが解っていれば、それを解決すればよいだけの話ですが、何らかの考えに捉われていたり、自分だけでなく他者のしがらみに縛り付けられていたら、そこから自分を解放するにはかなりの勇気も必要です。

感情の整理も大事かもしれませんが、仕事の内容も同じく整理しようとするともれなく自分の感情がくっついてきます。
でも、感情ばかりに捉われていては何も進みませんので、感情抜きに自分のやるべき仕事だけを書き出してみると、案外シンプルなものだと云う事に気付いたりします。

昨日のブログの続きになりますが、自分のアイデンティティの数本の柱と同じく、一つの仕事を一本の柱と捉え、数本を束ねるには、自分の防衛機制と向き合うことも大事なプロセスかもしれません。

上手く進んでいかないのは、自分の
思考に関してが問題なのか?
感情に関してが問題なのか?
行動に関してが問題なのか?

これらに向き合ってみるには向き合うことができるための時期が自分に訪れるまで待つ必要があるかもしれませんが、
「やることの整理」をする時に、思考と感情と行動を意識に上げてみると、もしかしたら固く結ばれていた紐が解ける、かもしれませんね。。。

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アイデンティティの統合

2014年04月15日 | 第2章 五感と体感
「自分のアイデンティティに揺らめきはないか?」
「防衛機制はどうか?」
「現実吟味力はどうか?」

自分の状態を点検する時も、他者の様子が気になる時も、この三つの問い掛けを中心に意識化すると、もやもやが晴れてくることがありそうです。

人は怒ったり、哀しんだり、口惜しかったり、妬んだり、混乱したり、後悔したりして、暮らしています。
不安感は、人の本質だそうです。
でも、いつも同じような不安な感情に苛まれていては、健康を害してしまいます。

アイデンティティの整理。つまり、自己統合の整理することは、自分の悩みや迷いの解決のためだけではありません。
自己統合の整理がある程度成されていないと、周りが混乱していきます。

人は、いくつもの柱を立てながら生活しています。その柱を円錐のように頂点で束ねることを努力すること自体がアイデンティティの統合であるように思っています。

その柱が束ねられずにあっちこっちに向いていると、本人には束ねられない理由があるはずなのですが、それに関わる人は、どんどんと混乱していくのです。

新しい環境で、新たな出会いが多くある季節です。

自分が反省することも大事なことですが、アイデンティティの統合に揺らめきのある人と関わったばかりに、自分を諌めることとなりませんよう、、、。
もしかしたら、自分じゃなくて、相手がヘンなのかもしれない、ということに気付いただけで、自分のアイデンティティの統合が成されるかもしれません。

上に立つ立場であれば、相手を混乱させないよう配慮できると、良き先輩、指導者として株が上がる、かも^^。
そのためには、まずは三つの問い掛けの自問自答が大事なのです。

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役割と立ち位置と優先順位

2014年04月14日 | 第2章 五感と体感
新年度、新入社員は、ひたすら必死に仕事を覚えていくのみでしょうが、新しい部署や、転勤や、役職が変わったり、社会生活の中でも色々な状況がおありでしょう。

ここ数年、新年度になると、私自身自分の役割を再点検するようにしています。

或る特定の仕事に関しては、自分の役割と立ち位置を書面化しています。

自分の仕事ではないのに、過剰な関わりをしていたり、自分の役割では無いのに垣根を越えていたり、自分の不安になりやすい事象については今どんな感情であるか等を自問自答します。

「自分の役割」と「立ち位置」と「優先順位」を意識化することは、色々な意味での大事故を防ぎます。

逃げたり、怠けたり、人に押し付けたりすることとは違います。

その違いを意識化することだけでも、心が整うかもしれません。

「自分の役割」
「自分の立ち位置」
「自分の優先順位」

私もこれらを意識化しながら、新しい年度の始まりを落ち着いて過ごしたいものです。


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始まりは緊張の連続

2014年04月12日 | 第2章 五感と体感
今週は各学校の入学式の週でした。いよいよ来週から本格的に授業が始まりますね。

初めて通う学校で、これからの数年間を共に過ごす友人達との出会いもあり、これから感情体験を含め、多くの経験を積んでいかれることとなります。

家庭という環境を中心に、社会に出て行く子供を見送る保護者の皆様の気持ちも、それぞれおありでしょう。

新しい環境での緊張感は、当事者も見守る側双方にあるはずです。

見守る側は、お家に帰ってきたお子様のバランスが自分自身で取ることができるよう、出来る限り静かに見守ることができるよう心がけることも大事なことかもしれません。

慣れるまでには時間がかかります。

慣れるまでの時間と「慣れる」という概念は、人それぞれで、違いがあります。

できることなら、他者と比べることなく、自分の傾向に素直に従うことを意識してみると、家庭と学校の二つの環境の中で徐々に平常を育んでいくはずです。

まだまだ始まったばかりです。

ご飯を美味しく頂き、
しっかり睡眠を取って、
目覚め良く、お家を出られますよう。。。

情報ばかりに気を取られ、自分の身体と心を置き去りにしないよう心がけたいものです。


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大倉山記念館で冥途を感ず

2014年04月11日 | 第2章 五感と体感
昨日は久しぶりに大倉山記念館を訪れました。
某アーティストの三回忌にあたり、大法事展を日曜日まで開催しています。
7年前に亡くなった詩人Oさんが、大倉山記念館を度々利用して活動していたことだったことも同時に思い出していました。私のやっている表装と彼の詩と集めていた和紙で繋がったことが親しくなるきっかけでした。
彼が亡くなる数年前に書いた詩が江戸時代に殉教した神父が日本に持ち込んだ親指の聖母(悲しみの聖母)の絵画をモチーフにしたものであったため、この絵を巡り、彼が亡くなる直前にあり得ない様な人との繋がりを経験したのです。そのあり得ない様な人との繋がりの人々も既に天国にいらっしゃる方々です。
天にいる人たちが、昨日も大集合していたらしく穏やかな暖かさが伝わってきました。
新たな繋がりのMさんの展覧会のお陰で、たぶん、明度の同じ人々が天でも出会っているであろう、と。。。

そして昨日は、自分の好んで選んできたものとの対峙もし、懐かしさにも包まれました。

もともと大倉山記念館は、精神文化研究所というものを立ちあげた大倉さんという方が建てたモダンな建物です。
今は横浜市の施設として拝観、利用でき、展覧会やコンサートができるようになっています。建築物自体が芸術品です。

その建て物の中で意思の明度が一緒である様な、不思議な一貫した統一性を昨日も感じながら夜まで過ごしました。

明度と冥途が共に合い混じるような平安感に、メメントモリ(死を想う、死を思え)の時間を与えられました。

このような時間を与えてくださり感謝しています。

天から息吹を吹きかけられた様な、そんな感じです。

お釈迦様の誕生日と四旬節真っただ中「復活祭」までの中間の時期、赦しの秘跡のような、そんな一日でもあったように思います。一足早く復活祭を体感しちゃったような、そんな感じと似ています。

天国のみなさま、ありがとうございました。敬愛するエリックサティも、その中のお一人です^^。

☆☆
4月22日(火曜日14時~)~27日(日曜日)世田谷美術館区民ギャラリーにて「江戸表具を愛する会」の作品展を行います。新緑の季節、砧公園をお散歩がてら、ぜひ!


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