書く仕事

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猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷 「小路幸也」

2019年09月15日 20時37分51秒 | 読書
「猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷」小路幸也


大学で研究者として仕事している和弥は、ある日帰宅すると妻が猫になっていた.

という出だしで話が始まるので,どんな奇想天外な物語かと思ったが,意外にもストーリーは淡々としている.

神事を生業とする家系を継ぐ和弥は,大学の仕事の傍ら,不吉な出来事があると,そのお祓いをすることが使命だ.
身の回りで起きる様々な不吉な出来事や,悪いものが取りついた物を祓っていく.

妻が猫になったのも,人が入れない場所に,和弥に替わって入り,祓うなど夫を助けるのだ.
ただ,猫になるのはまったく予想がつかず,いつの間にか元に戻るというのも不思議だ.

日本古来の神事には,全く疎い私だが,なかなか面白い言い伝えやしきたりがあり,興味深いものがある.

淡々としてはいるが,妻の愛情の描き方もほのぼのとし,心が温まる物語だった.