書く仕事

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「塩狩峠」 三浦 綾子

2016年10月23日 18時35分53秒 | 読書
「塩狩峠」 三浦 綾子



坂道で列車のブレーキが外れ,暴走し始めた.
それを止めるために自らの体を投げ出した,実在の牧師さんをモデルとした長編小説.

小説では永野信夫(モデルとなったのは北海道で鉄道会社に勤め,牧師として伝道に務めていた長野政雄さん)が主人公.
彼の幼少時から,成長とともにキリスト教に傾倒していく過程と,最後の事故が痛切なタッチで描かれます.

私はクリスチャンではないものの,敬虔なクリスチャンも無神論者も,心の内面の動きはそう変わるものではないと思っています.しかし,この主人公はさすがに違うようです.
自己犠牲が,そのまま神のご意志として行動できる人なのです.

宗教とは不思議です.

論理と非論理の境界を無くしてしまう.

何が善で何が悪か,まったくわからなくなる.