書く仕事

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「ギケイキ」 町田康

2016年09月08日 22時52分29秒 | 読書
「ギケイキ」 町田康



ギケイキ?何のこっちゃ?と思うたやろ.
これはな,「義経記」のこっちゃ.
主人公はわいや.

わいは誰やて?
ほなこときもとるやろ.ヨッシーや.九郎義経や,ボケ!

てな,具合で義経誕生の経緯から弁慶との出会い,奥州藤原での逗留までを,超超現代的関西弁で,語りまくる,スーパー歌舞伎ならぬ,スーパーヨシモト的時代絵巻である.
セリフ回しは関西弁で,しかも現代でしか通用しないような外来語や流行語がビシバシ出てくるので,本当に吉本新喜劇的だ.
ストーリーは概ね史実に沿っているように見えるが,こうなったら時代考証なんてどうでも良い気分になってしまうほどセリフ回しがオカシイ.

頼朝が伊豆で挙兵したことを知り,奥州から頼朝に合流するために関東に下る(上る?)ところで,まるで停電になったかのように,突然物語が終わってしまう.

私なんか,あれ,これ上巻だっけ?と思って,表紙を見直したほど.

特に,上巻とか第1部とかの記述はないが,間違いなく,続編を書く気分みなぎりまくりの町田康さんやんけ.