中央アルプスの千畳敷カールは例年なら9月下旬から10月上旬に紅葉を楽しみながらトレッキングできると聞いたので、10月初めにどんなものか見物しに出かけてみた。今年の夏は暑かった。東京など6月から9月まで猛暑日が相次いだので、8月に避暑をかねて千畳敷から木曽駒ヶ岳へ山登りしにきたとき、マイカー規制の区間のバスとロープウェイがひどく混んでいた。行楽の秋だから今回も混んではいたが、真夏ほどではなかった。それはいいとして、千畳敷はすでに冬だった。
9月下旬になっても紅葉しないまま、気温だけが急激に下がり、10月初めには朝夕の気温が氷点下になり霧氷が生じるありさま。秋のないまま夏から冬に季節が移った、例年であれば短い秋があるのにと地元の人も驚いていた。東京にいても夏から冬へと急に変わったように感じていたが、標高の高い場所もそうか。秋はすでになく、思えば春もなかった。梅雨もなかったし、日本を特徴づける四季はすでに観念の中にしかなく、一般のモラルと足並みを揃えるかのように崩壊した。秋のない日本アルプスで寒さに凍えながら実感した。
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