市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

卵黄の溶かれて半月ゆふらりと他界より訪(と)ふ黒猫の眼も

2008-03-25 16:49:48 | Weblog


 おおきな黒い野良猫。

 ふとって、丈夫そう。


 さんざめいているわたしたちの部屋の周囲をゆっくりと歩いて、物怖じしない。

 金いろの眼。

 住民は動物にやさしいから、みんな人間をこわがらない。


 みんなは、あら猫よ、大きいわね、とおっとりのんびり。

 どうしましょう、と言いながらも、しかったり追いかけたりしない。


 庭の手水鉢で金魚かメダカを飼おうという計画は、彼のおかげでだめになった。

 アライグマも出没するそう。こちらは鶏なども食べてしまう。


 閑静な住宅街でのできごと。

 

 
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羽風(はねかぜ)に眉根ひらきぬ銀いろの朝明(あさあけ)鳥は時を違えぬ

2008-03-25 09:15:22 | Weblog

 鳩ぽっぽ。


 豆ではなくて、福祉クラブの無農薬米を撒いておく。

 鳩は、きっちりおんなじ時間に来て、きれいに食べてしまう。

 このお米、無農薬だってことがわかるんだろうか。

 今朝は一粒も残っていない。

 雀も来ていた。うれしい。

 林檎やみかんを輪切りにしておいておこうか。

 そしたら目白やセキレイ、ミソサザイも来るかも。

 鳥たちがベランダでさえずってくれたら気持ちいいだろうね。




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かたちなき夜気  漂流す  外海を知らぬ口惜しさ桜が開く

2008-03-24 21:30:38 | Weblog

 もうじき桜がひらく。


 マリアの心臓に行ってきた。

 椿さんの絵は、イタリア時代に描かれた油彩だった。わたしの一番好きな作品。

 聖体拝領のこども。

 わたしの絵は隣に置かれていた。

 椿さんの作品とならんで……


 いろんなことを教わったけれど、なんという距離。

 彼は世界を見てきた。戦って。太平洋戦争、ベトナム戦争、それから中東。

 このごろ話題の東京大空襲は、まさにまっただなか。十万人の死者。

 よく生き残ったなあ、と彼は苦く笑う。このとき15歳。

 

 自分のちいさな世界を思い知る季節。

 

 画像はわたしの作品。お時間ある方、覗いてくださったらうれしいです。





 


 
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てのひらにすくふ水滴揺らしつつこころ離さぬ隔たりゆけど

2008-03-24 16:03:27 | Weblog


 
 雨は時間の速度でながれる。




 その雨音に。














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透明なあかり浮かべるドビュッシー散らばるどこかに思慕の音をひそめて

2008-03-24 11:15:29 | Weblog


 ひさしぶりにドビュッシーを聴く。

 詩のような音楽。



 沈める寺……ゴリウォーグのケークウォーグ……雨の庭。

 この透明感に、今朝はほっとする。

 ふっと口をつくまま。



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しどけない絹糸のごとはるさめにもたれてつめたい首を洗おう

2008-03-24 08:35:25 | Weblog

 
 雨音。

 輪郭のくっきりした冷たさがほしい気がする春雨。


 



 



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斉唱(ユニゾン)は彼我を隔てて響きゆく罪きよらなるくれなゐならむ

2008-03-24 00:09:31 | Weblog
 
 愛、という言葉の多用は安直かもしれない。

 さまざまな意味合いがふくまれるから。




 すくない言葉、撰びそこねた気がして、うたいなおし……。









 





 












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やよ春の夢は見るべし醒め際に互(かた)み清らの疲れに眠れ

2008-03-23 23:59:05 | Weblog

 オツカレサマ。


 何に?


 さまざまな変化に。


 夢のうちなる眠りの夢に。



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さみしさをいま唇(くち)に捺(お)す静けさいつまでが女ざかりか

2008-03-23 23:46:20 | Weblog

 愛を詠いたい。

 たとえば架空でもいい。

 自然で……なまみの哀歓をすくいとる抒情をひびかせるとき、詠い手の内面を探られるのは仕方ないのかもしれない。


 でも、唱は詩で、うつつとはちがう軌道を動いてゆくものなんだけれど。






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おほきなる力胸うら握りひく岐路の背骨はすこやかに伸べよ

2008-03-23 20:10:29 | Weblog

 かたりえない想いがこみあげるとき。


 感情が一色ではなく、さまざまな想いがあふれる……感動なのかもしれない。


 分かれ道。


 季節の、そして心の。


 聖週間の祈りの時間、幸福だった。


 忘れない。


 来年もこんな日々を過ごせるだろうか。


 めぐりめぐる出会い……人、言葉、出来事……いつも思いがけないところに用意されている、気がする。









 
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