今日は雛の節句。
平安時代以前、弥生上巳(じょうし)の日には、身の穢れをはらうものとして流し雛の信仰がありました。
自分たちの穢れや災いを人形に移し、海や川に流し去らせる。
そのゆきつくところは、他界。黄泉(よみ)の国、あるいは常世……
仏教以前の日本の古代信仰では、光溢れる浄土と、陰惨な冥界が混在して未分化。両義的。
その矛盾はおもしろくて、ふしぎでもある。曖昧さが自然の本質だからかな?
ヒトガタに……物思いも、心煩いも、なにもかも乗せて「水に流す」
今はもうすたれてしまったけれど、豪華な雛人形を飾るのとおなじくらい、情趣ある行事のように思える。
でも、現代でそんなことをしたら、海や川の環境問題になってしまう。
水にまつわる信仰はいろいろ不思議で心ひかれる。