雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

澪つたひにじむ追憶ひっそりと今日が過去へと向かふ恋して

2008-03-03 22:15:50 | Weblog


 寝(ぬ)る夢にうつつの憂さも忘られて思ひ慰むほどのはかなさ

                        ……斎宮女御徽子女王(さいぐうにょうごきしにょおう)の歌から


  







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粧はぬ匂ひそのまま脱ぎすべす夜は汝(な)の手にあまく撓(しな)はむ

2008-03-03 19:34:39 | Weblog


 夜の想ひ












 

             
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憂ひ眸(まみ)かぎろふ弟背(いろせ)籠り口(く)の愛はしみみに思ほゆるかも

2008-03-03 17:05:27 | Weblog

 
 籠り口……無口な、くらいの意味か。


    現身(うつそみ)の人なる我や明日よりは二上山を弟背と我が見む


 万葉集きっての名歌、大伯皇女(おおくのひめみこ)の絶唱から、としたら、あまりにも調べがゆるいわたしのこの歌。

 ふっと、詠ってみたくなった。言葉すくなく、まなざしで訴える愛、というものを。

 大津皇子が、伊勢斎宮の姉をこっそり訪れた夜、もう我が身の運命が極まっている彼、どれほどの言葉を姉に語っただろう?

 たぶん、言葉らしい言葉など、なにも語れなかったのではないかしら。


 言葉をはみだすまなざしの、愛というものに。







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弥生ほとり雛は流さむうるはしき紅唐ころも身のうらの熱

2008-03-03 13:02:58 | Weblog

 今日は雛の節句。

 平安時代以前、弥生上巳(じょうし)の日には、身の穢れをはらうものとして流し雛の信仰がありました。

 自分たちの穢れや災いを人形に移し、海や川に流し去らせる。

 そのゆきつくところは、他界。黄泉(よみ)の国、あるいは常世……

 仏教以前の日本の古代信仰では、光溢れる浄土と、陰惨な冥界が混在して未分化。両義的。

 その矛盾はおもしろくて、ふしぎでもある。曖昧さが自然の本質だからかな?

 

 ヒトガタに……物思いも、心煩いも、なにもかも乗せて「水に流す」

 今はもうすたれてしまったけれど、豪華な雛人形を飾るのとおなじくらい、情趣ある行事のように思える。

 でも、現代でそんなことをしたら、海や川の環境問題になってしまう。

 水にまつわる信仰はいろいろ不思議で心ひかれる。







 
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おほどかに昇る潮に髪解けば衣通(そとほ)る恋ひのさやになびくよ

2008-03-03 10:16:41 | Weblog


 海に。



 とこしへに君も会へやもいさな取り海の浜藻の寄る時々を

                 衣通郎姫(そとおりのいらつめ)の歌から


 


 
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