雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

春の夜の星座けぶらひ祈りより曳き出づるもの愛だけが女

2008-03-05 22:30:57 | Weblog


 春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ


    ……かひな、は腕のこと。甲斐なく、とたくみな掛詞。

 これも一代の才あふれる宮廷名歌。周防内侍(すおうのないし)。

 本歌どり、というまでもいかないけれど、朦朧とした春の夜の揺らぎに。








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処女Salome半音ひらく膝のあひに抱くヨハネの血こそ破瓜なれ

2008-03-05 17:50:46 | Weblog
 アーティストJINMOさんのブログ記事から。

 くちをつくまま。

 
 サロメ……彼女の名前の原義は「平和」。皮肉なこと。

 そのとき彼女はたぶん、まだあどけない少女にすぎなかったのに。

 母親の言うなりに舞を舞い、ヨハネをもとめただけなのだろうに。


   ……ひとの心をとらえる魅惑の原型になった。



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紅涙はすでに薄れつ言霊を珠玉と吐けば血も碧(あを)きかな

2008-03-05 13:40:05 | Weblog


 「紅楼夢」から。

 長い物語を読み通すのは、たいへんだったけれど、まるで「更級日記」作者菅原孝標女の少女時代のように物語世界にひたることができた。

 源氏物語に似ているという噂どおりでした。

 黛玉(たいぎょく)と、宝釵(ほうさ)。ふたりの対照的な美少女と、主人公宝玉をめぐる綾錦。

 
 詩文の才に秀でた美少女たちの花いくさ……この春の季節、ふっと思い出す。





 

   
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蒼天と砂丘と死海嗅覚が輪廻たどりてゴルゴダへ赴(ゆ)く

2008-03-05 09:06:32 | Weblog

 輪廻……これは仏教の用語なんだけれども、キリスト教ではありえない。

 では直感的に確信できる既視感覚(Deja-vu)や、なつかしさ、慕わしさはどう解釈すればいいいんだろう。

 DNAのかすかな連鎖といえば「納得」されなくもない。

 納得……せんじつの黙想会で、講演された神父様は、理性を超えたところに……とお言いでした。

 人間は不完全なものだから。

 
 今朝は、すこし重い曇り日。この蒼ざめた空を眺めていると、ここではないどこかが、なつかしく思い出されそう。

 そこがどこだかわからない。

 ここではない、どこか、なつかしい風景。



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