プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★65歳リセット~葛藤~

2008-07-22 08:48:59 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日は、金沢で35度を記録した。朝早くから気温がぐんぐん上昇し、昼前には30度を超えたので、昼食後、早々とお決まりのジムでの入浴タイムにした。ロッカールームの入口で、水着姿で引き揚げてくるN君に出会った。人づてに絶好調だと聞いていたが、久しぶりに顔を見たので、しばらく話し込んだ。

 彼は、今週末の能登島トライアスロン大会に出場するための最後の調整段階だ。私と同い年だが、まだ現役生活を送っており、この三連休は練習一色だという。この暑さの中で、ランとバイクとスイムを3日間連続でこなすタフネスさは到底真似ようがなかったが、彼は「平気、へいき」と屈託なく笑った。

 彼は、ここ2,3年故障続きで満足なシーズンを送れずにいた。過去の実績が輝かしい分、無念さも人一倍のはず。整骨院や鍼灸院などへ通いながら、地道な筋力トレーニングで基礎体力を徹底的に鍛え直した成果だ。大会結果そのものよりもレースに参加出来る喜びの方が大きいに違いない。

 一昨日は、喉頭がんと膠原病を克服しようと、健気に働き続ける先輩の姿に教えられ、昨日は、また別の刺激を受けた。私は、生来、単調なことを繰り返すのが苦手なだけに、良いお手本だと認めても真似できないが、病気やけがに対峙する二人の姿勢だけは見習いたいと心密かに誓った。


★65歳リセット~プロローグ~

2008-07-21 09:05:00 | 日記・エッセイ・コラム

 毎年、梅雨時には除湿機を引っ張り出すのだが、今年は一度もお世話になることなく梅雨があけた。同時に、日差しが一段と強まり、空の青と雲の白さが目にまぶしく映じるようになってきた。

 連日の真夏日に耐えきれず、昨日、近郊の温泉へ日帰り入浴に出掛けた。脱衣所で2年ぶりに出会った先輩の変わり果てた姿に目を疑った。「去年、喉頭がんの手術をしてね」との言葉も弱々しく、両目のふちが紅く腫れぼったい。「退院したと思ったら、今度は膠原病に罹って」との説明にようやく納得。

 彼は、中学・高校と私の一級先輩だが、社会人野球で活躍したNTT北陸の名捕手で都市対抗の出場経験も持つ猛者だった。同じジムで一緒に汗を流したこともあり、いずれ一緒にマラソンを走る約束を交わしたものだったが、まさかこんな形で再会するとは思わなかった。

 家に閉じこもっていると精神的にも滅入るので、今春から週4日程、知り合いの会社で軽作業に従事していると話す言葉に力みはなかった。現在の境遇を率直に受け入れ、精一杯の努力を惜しまない姿に、胸打たれた。病を理由にチャレンジを避け続けてきた自分が恥ずかしくもあった。65歳からの再挑戦の目標を近日中に設定したいと気合いを入れ直した。


★老化との葛藤

2008-07-20 09:40:55 | 日記・エッセイ・コラム

 熱中症で倒れる人が例年以上に多いが、金沢も例外ではなく、とても外を走る気になれず、昨日は午前中にジムに逃げ込んだ。

 通常なら、午後3時頃にジムに出掛ける「入浴会員」だが、2か月振りに筋トレのフロアに足を踏み入れた。最近、疲れやすくなったのが気掛かりで、体成分測定を受けたら、不安が的中した。タンパク質不足と上半身の筋肉量(特に左半身)が落ちているとの判定で、「下半身は標準体、上半身が極端に劣る」ことが数値で証明された。

 トレーニング・メニューを作成するというインストラクターの提案に「単調な筋トレが苦手なので」と言葉を濁し断った。糖尿病の主治医は「十分な運動量」との判断だし、脳外科の医師には、頚椎にストレスがかかるので「運動を慎むように」指示されているとは言えなかった。

 適度な運動を持続するだけではパワーアップしないと自覚しつつも、過度の運動は「百害あって一利なし」と言い訳している自己矛盾に葛藤している。今の自分には到底、達成し得ない目標を掲げることも視野に入れつつ、相変わらず怠惰な生活に甘んじている。これが老化のスパイラルなのか。


★野次馬道中記~その2~

2008-07-15 13:55:30 | 旅行記

 仙台空港に降り立って、ターミナルビルの大きさに驚いた。また、ターミナルビルに隣接する空港アクセス線が昨年開通し、JR仙台駅までの所要時間が24分(快速17分)と短く、都市部への移動が非常に便利だ。

 年間旅客数は、340万人(国内300、海外40)弱だが、羽田との便がない中での数字だけに、今後なお利用が増加する予感がした。国内線は10対地(千歳・成田・中部・伊丹・関空・神戸・広島・福岡・那覇・小松)で、主要エリアを効率的に網羅している。新潟路線が廃止されても、日本海側で小松が唯一存続している点に歴史的な因縁を感じる。

 いっぽう、小松空港の旅客数は対羽田便が大半を占めており200万人弱で、人口規模の割には健闘している。本来なら第三種空港でも何ら不思議ではないところ、自衛隊との共用飛行場の恩恵を受けて大型ジェット機の就航が可能で大量輸送を実現している。

 金沢から東京まで、空路50分(厳密には小松~羽田)に対し、陸路は上越新幹線経由で約4時間かかる。しかし、2014年に北陸新幹線が開通すると様相が一変する。空港往復時間やアイドルタイムを加味すると、陸路と大差無くなり、大幅な減少が目に見えている。県当局では、国際線の拡充に躍起だが、マーケット・サイズを考えれば無駄な投資に思えてならない。


★野次馬道中記~その1~

2008-07-14 10:05:10 | 旅行記

001 山寺へのルート探しで迷ったあげく、仙台に一泊しレンタカーで奥羽山脈越えを選んだ。その日のうちに山形県内に移動したかったのだが、小松空港から仙台へは1日1便しかなく、到着時間(16:50)を考えると仙台市内に泊まるしかなかった。

 空港アクセス線で市内へ向かう途中、マンションやショッピングセンター建設ラッシュの光景に軽いショックを受けた。沿線沿いに新しい都市形態が出来上がろうとしていた。東京に勤務していた頃、仕事で数回訪れたことがあったが、当時と比べると見違えるほど大きく変貌を遂げていた。

 昭和45年頃、仙台の人口は56万で金沢は42万人で、都市機能も似通っていて、金沢の財界には競争意識が強かった。が、40年近く経って、金沢は今なお46万人の中都市だが、仙台は100万人を超える政令指定都市に仲間入りした。周辺地域との度重なる合併により新しい大都市をつくり上げた仙台人は進取の気質に富み、保守色の強い金沢人と好対照といえる。だが、高度経済成長の潮流にうまく呼応し、豊かさと便利さを実現しても没個性化した大都市に、私は魅力を感じない。

 昨年暮れ、萩を訪れた時、土地の人に「萩は金沢と違い貧乏だから、近代的な施設を作れんのよ」と言われた時、歴史に根付いた郷土愛と価値観を育んでいる町だと感じ入った。我々日本人が忘れ去ろうとしている大切な物を示唆された気がしたからだ。地元では、「兼六園を世界遺産に」と躍起だが、今一度、その必要性を問い直してもらいたい。