4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」は、国連の「障害者の権利に関する条約」締結に向けた国内法制度の整備であり、重要な法律だ。
しかし、「障害者差別解消法」と略されると、嫌な思い出が蘇ってくる。
10数年前、車いす生活をしていた時、病院内のレストランに入った時、店員が、一瞥して、黙ってテーブルの椅子を外した。
「ありがとう」と応じたが、リハビリ中の私は、自力で、普通の椅子に座りたかったので、意に反した思いやりを迷惑に感じた。
雇用改善や点字ブロック・音響式信号機、或いは、車いす用スロープ等、障害者が生活するための生活環境整備は大賛成だが、無用な親切心で、自尊心を傷つける場合もあり得る。
言葉の響きが、心理的な影響を与える場合、特段の配慮が必要で、最近、メディアが短縮語を乱発する傾向を苦々しく思っている。