「石山の 石より白し 秋の風」と詠んだ芭蕉の句碑が残る那谷寺の境内は、まさに錦秋一色に染まり、やがて長く厳しい冬を迎える。 加賀温泉郷は、山中・山代・片山津・粟津の四つの温泉の総称だが、それぞれに特徴を持っている。
山代温泉に泊まり、紅葉の見頃も終わりに近づいた古刹を訪ね、散り始めた落ち葉を踏みしめながら、錦秋に染まる境内をゆっくり散策した。
那谷寺の信仰は自然の摂理(自然智)にあり、奇岩遊仙境を中心に山水画のような世界が広がっている。洞窟をくぐり祈る「胎内くぐり」をするイワヤ本殿は、洞窟が白山の方角に向かっている。
白山は、富士山・立山とともに日本三霊山のひとつだが、死後の魂が神住む白山に登り清められ、地上に回帰する山岳信仰が息づいている。那谷寺からほど近い円行山山頂にある生雲(いぐも)は、宿泊施設を備えた「自然智の里」で、瞑想や写経等、心の癒しを求め訪れる人も多い別天地だ。
なお、28日の瀬戸内海タートルマラソンに出場するため、30日までブログを休止。