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時悠人chosan流処世術

★官房長官のあきれた金銭感覚

2006-11-16 10:25:33 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日、安倍内閣が最重要法案と位置付ける「教育基本法」が与党の単独採決で衆院で可決された。APECに安倍総理が出発する前に成立させたいという思いが「審議を尽くした」と言わしめたとは思わないが、得心できない。一方、野党にしても現在、列島を覆っている「いじめ自殺」と「やらせTW」問題を決着させないと審議に応じないと言うかたくなな戦術も本質を外れている気がする。

 国会戦術には数の論理が働くので論評できないが、無視出来ないのは、TW(タウン・ミーティング)のさくら質問者に謝礼を支払っていた件について、塩崎官房長官が調査結果を発表した際の発言だ。趣旨は、「会議の先陣を切る人に質問をお願いするために支払ったお金は謝礼だとは思っていない」というものだ。

 会議で最初に発言するのは勇気がいるし、低調なムードにならないように活気付くように工夫するために、さくら質問者を用意した。その質問者にお願いする以上、タダというわけにはいかないので御礼をするのは当然のこととおっしゃるのだ。一見、説得力があるようだが、第一発言者の言葉は重く、全体を一定の方向に誘導する威力を持っているもの。だからこそ、さくら質問をさせることに意味もある。

 さらに不思議なのは、発言が無いと困るからさくら質問をお願いしたことを当然のように考えていることだ。TWには現閣僚が顔を揃えていて、双方向の対話をするのが趣旨なのだから、大臣から会場の皆さんに呼びかけて議論の誘い水をすれば済むことなのだ。

 塩崎官房長官は、以前から活躍を期待していた政治家の一人だっただけに失望感を味わった。立場が変われば発言も変えざるを得ないと承知しつつも、何か侘しい。