多田と行天のまほろシリーズ第三弾。ドラマ化されて便利屋の多田を瑛太、居候の行天を松田龍平がやっている。原作物のドラマ、映画は原作読んでいるとなんだか感が多い。例えば東直己の『探偵はバーにいる』。ここで探偵の友人が、原作での対等の関係が崩されていて、そりゃないよって感じのように。瑛太、龍平の多田・行天コンビは実にいいのですよ。というか、私にはぴったりに思える。だからこの本を読みながら、映像は瑛太・龍平コンビなのだ。この本では、多田の所には相変わらず行天がいるのだけれど、行天の背景というのが少しずつ見えてくる。多田もだけれど、多田も行天を理解しながら、驚きながら、信じながら。そしてこの本というのは町田に行ってアポロンに行ってみたくなる。ううむ、何とも楽しいのだ、この青春小説というのが。☆☆☆☆☆。