カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『白い国籍のスパイ』上・下 J.M.ジンメル 祥伝社ノン・ポシェット

2014-12-30 16:21:58 | 洋物
『白い国籍のスパイ』上・下 J.M.ジンメル 祥伝社ノン・ポシェット
 両親はドイツ・ハンブルク出身、ウィーン生まれ、イギリス育ち、ドイツ在住であったジンメルのスパイ小説。開高健の『最後の晩餐』で賞賛の本。出版は何と1960年。確かに、時代を感じさせる古めかしさ。でも面白いのです。時代は第二次世界大戦前。ドイツ人でイギリスで銀行家であったトーマス・リーヴェン。彼はパートナーに陥れられて、諜報機関で働くことに。ドイツ人でありながら、フランス、イギリス、ドイツなど、いくつもの国の諜報機関から誘われ、追われ。ナチとは一線を画しつつ、裏社会にも潜っていく。リーヴェンは料理も得意で、要所要所で料理を作る。その詳細なレシピ付きメニュがいいのですよ。作ってみたいと思わせる。料理ができないのに。いい男で、頭が良くて、それでいて、次から次へと落とし穴に落ち、そのストーリーはぐいぐいと引き込んでくれます。驚きの日付も(個人的に)出てきたりしましたが、実に面白い。続編は文庫になってなくて、大きい本を買いました。☆☆☆☆☆。