「真鍮の評決」なるはリンカーン...弁護士ものの第二作なり
「真鍮の評決 リンカーン弁護士」 マイクル・コナリー 講談社文庫
映画を見てから原作を読み納得したリンカーン弁護士。その第二作。
普通のブログって先ず梗概を書くのが定番なのだが、そういうことはしない。ごめんね。
一般情報を知りたい人は下線リンクを参照してちょうだい。
おもしろくて、ためになる。「魔法の銃弾」かあ。
刑事事件についても、陪審制度についても。
--- 備忘メモ ----ねたばれ部分になるところは、割愛
上51 「口をつぐんでいさえすれば こんなところにいないだろうに」殺された弁護士の事務所の壁の真鍮のプレート。それを見て、リンカーン弁護士は「処世の辞だ」と思った。
上110 スーツケース・シティ。ロサンジェルス、スペイン語で天使の複数形...由来の街の、別名なんだ。なるほど。
上115 リンカーン車のヴァニティプレート。「あい・うおーけむ」、わたしが彼らを無罪にします。ずばり「のっと・ぎるてぃ」もあり。
上143 追跡用アンクレット・モニターを装着。二人を銃殺した容疑でも保釈か。
上153 夫が厳しい上級裁判所判事だと、妻の弁護士は「忌避」要因となる。一時的に共同弁護人となることにより、わざと利益衝突を発生させ、ほかの判事に担当変更させる。そして辞任する。弁護活動をせずに大金を稼ぐ弁護士。ずるいというか何というか米国ならでは、なのか。
上280 敏腕刑事がカナル型イヤホンで聞いていたのは、フランク・モーガン。収容されていたサンフランシスコの刑務所でアート・ペッパーと共演。刑務所でサックスを演奏するなんて、彼我の差は果てしないぞ。
上322 判事との面談に4分遅刻。すると法定侮辱罪での拘束&罰金&カリフォルニア法曹協会への釈明3点セットか、慈善団体の寄付。どちらか選べと迫られる。結局250ドルの寄付。きびしい、4分なのに。
下43 公用車に乗った刑事は、車をレストラン駐車場係りに預けられないので自ら駐車場を探す。弁護士の推測では、トランクにショットガンがあるから。そんなに注意深くても、食事のときにビール飲むんだよね。米国って、飲酒して運転する展開って普通にでてくる。
下57 陪審員。選択の場面。ひじょうに精密に描写。なるほど。
下98 法廷の弁護側1列目の予約席。弁護士の娘の席を用意する。サイド・ストーリーなのだが、この娘や元妻=検事とのやりとりも秀逸。
下108 弁護士の冒頭陳述。うまい。陪審に語りかける演説。誰に何を伝えるか、重要点を把握した簡潔明瞭さ。