ミュージカルの映画化「レ・ミゼラブル」に 鹿島茂サンでも「泣いた」らしい

2013-01-08 10:18:34 | 世界
何か月かぶりの映画館で、わたしも おろおろ泣いた。
最後の「民衆の歌」が、圧倒的な 民衆の蜂起の映像と共に流れたときは 恥ずかしながら 嗚咽していた

いろんな映像化作品は見たが 音楽・歌の力は大きいな
原作のエッセンスを良く伝えていたようにも思う

パンフレットも 良く出来ていた。

そうか、鹿島茂でも泣いたのか。

    
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毎日新聞・風知草から
レ・ミゼラブル=山田孝男

 安倍晋三首相(58)の正月の息抜きは映画「レ・ミゼラブル」だった。2日午後、昭恵夫人(50)と東京・六本木のシネコンを訪れ、全編2時間38分に及ぶ大作を見ている。

 この選択は興味深い。人気ミュージカルを映画化した話題作だから見た−−というだけのことかもしれないが、返り咲きの自民党首相には、とりわけ示唆に富む一編だったろう。

 なぜなら、この映画は今、猛烈な勢いで観客動員数を伸ばしている。老若男女の涙を絞っている。無償の愛、報われざる徳行が、いつか人を変え、社会を動かすというビクトル・ユゴーの原作の主題が、大震災後の日本人を揺さぶっている。

 しかも、物語の背景は復古政治だ。フランス革命に疲れた民衆は、ナポレオンの帝政と戦乱を経て王政復古に安定を求めたが、うまくいかない。

 1814年、ルイ18世が即位したが、時の首相タレーランの言う「なにひとつ(経験に)学ばず、なにひとつ(特権を)忘れぬ」王族の時代錯誤が次の暴動を呼ぶ。「民主党革命」からようやく政権を奪還した自民党にとって、これほど教訓に満ちた史劇はあるまい。

 配給元の「東宝東和」によれば、昨年12月21日の日本公開以来、正月三が日までの観客は137万人で、興行収入が既に16億7600万円。ヒット作品の目安である10億円をあっさり超えた。私も2日、近所のシネコンで見たが、深夜11時半終映の最終回でも最前列まで満席。パンフレットは売り切れ、増刷につぐ増刷という盛況だ。

 暮れの27日、「感動しないはずの私まで泣いた」という仏文学者、鹿島茂(63)の映画評が読売新聞に出た。私はそれにつられて映画館へ行った。

 ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイら、オーディションをくぐり抜けた人気俳優たちが演じながら熱唱し、ナマで収録する。作品の迫力が増した大きな理由はその手法にあろうが、原作の力もあずかって大きい。

 1冊600ページの邦訳文庫版で全4巻という大河小説に、ユゴーがこめたメッセージの核心は何か。「『レ・ミゼラブル』百六景」(87年文芸春秋、94年文春文庫。原書の挿絵を多く収録した要約版)の著者でもある鹿島に聞くと、こう答えた。

 「ユゴーは、初めはゴクつぶしというような否定的なニュアンスでレ・ミゼラブルという言葉を使ってるんですが、しだいに社会の弱者という意味合いに変わっていく。愛を受け取ったことがない惨めな人々、それがレ・ミゼラブルです」

「19世紀前半のフランスは産業革命が加速し始めた時で、格差社会が生まれた。貧困にあえぎ、犯罪に巻き込まれるレ・ミゼラブルを、ジャン・バルジャン(主人公)に象徴される<だれか>が、見返りを求めぬ無償の愛によって救わなければならない。現代においてはその<だれか>は<あなた>でなければならないというのがユゴーの主張の核心です。だれもがグローバル資本主義の矛盾を感じている今、ユゴーの訴えが共感を呼ぶのは当然でしょう」

 「国土強靱(きょうじん)化」にせよ、原発回帰にせよ、「矛盾はカネで解決」の復古調はもはや通用しない。選挙で自民党が勝った以上、経済さえ上向けば何をしたっていいはずもない。「レ・ミゼラブル」の人気は単なる娯楽作品のヒットにとどまらず、国民意識の変化の底流に触れていると私は思う。(
http://mainichi.jp/opinion/news/20130107ddm002070058000c.html

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 「ああ無情」ゆたかな調べ圧巻だ ラッセル・クロウ歌うたうしさ/千恵子@詠む... もどうぞ。


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