団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

1800カロリー

2010年06月07日 | Weblog

 添付写真を見て欲しい。私のある日の昼食である。わけぎのぬた、切り干し大根の煮つけ、メザシ3尾、味噌汁、3分づきのご飯。これで約500カロリーになる。自分の食べるもののカロリー計算ほど難しいことはない。「このくらいなら大丈夫」 このくらい、があぶないのである。どうしても一品一品の数字を過小評価してしまう。私が持つ欲で、食欲はもっとも節制が難しい。

 1800カロリー、私の一日の理想摂取カロリーの総計である。世界統計図鑑で私がかつて暮らした国々の一日摂取カロリーの平均値を調べてみた。カナダ3608カロリー、ネパール2529カロリー、セネガル2513カロリー、セルビア2907カロリー、チュニジア3408カロリー、ロシア3363カロリー、日本2838カロリーとなる。数字からこれらの国々の食事生活は、見えてこない。私は実際にそこで暮らしたことがあるので、人々がどのような食生活か一部を体験を通して分析できる。あくまでも平均値である。私は統計数字をあまり信じていない。

 糖尿病発症率は①ナウル②アラブ首長国連邦③サウジアラビア④モーリシャス⑤カタール⑤バーレン⑦クウェート⑧セーシェル⑨ツバル⑩オマーン⑩トンガとなる。日本は137位である。糖尿病の発症率の高い国々は、アラブ諸国と太平洋諸国である。油脂と砂糖の消費の多い国々である。

 私は、糖尿病患者である。幸い妻がまだ働いているので、私が食事の用意をする。幸いと言ったのは、自分で調理しないでいると、更にカロリー計算は、難しくなる。母親や妻は、息子に夫に優しい。どうしても美味しいモノを食べさせて、喜ばせたい気持ちが強い。結果、カロリーも自然に過剰摂取することになる。愛情や思いやりが、糖尿病を悪化させるとなれば、悲しすぎる。糖尿病患者が自分の健康維持に厳格に対処するには、食事療法と運動療法が最善である。その点で私は幸いと言った。おかげで血糖値の管理がうまくいっている。糖尿病の進行を何とか抑えている。

  日本の調理法には、生のまま食べる、茹でる、蒸かす、煮るがある。さっぱりした調理があり、甘さや油の過剰摂取を防ぐことができる。世界のどこの国でも、一般の人々の食生活は、まだ慎ましい。人々は、もっと多くの油脂と砂糖と肉の食生活を望んでいる。特に貧しい国々のどこに住んでも感じられた庶民の願いである。食べられるか否かが問題で、食事ごとのカロリー計算などするはずもない。日本で暮らすことによって、食事療法がとてもやりやすいことに感謝している。

 食事療法の基本にしているのが、GI値である。GI値は、同じカロリーの食品でも、血糖値が消化・吸収され方が異なる。同一カロリーの食材を同じ条件で食し、約2時間後に血糖値を計測する。ブドウ糖を消化吸収した時を100とする。この差を数値化したものをGI(グリセミック・インデックス)値と呼ぶ。パン・ジャガイモ90-95 うどん85 ごはん70 玄米50 ライ麦パン40 蕎麦54である。蕎麦のGI値は54である。GI値が低い食べ物を摂るようにしている。ゆっくり血糖値があがると空腹感を長く抑えることができる。腹持ちが良いのである。蕎麦は理想的な食事だと思う。同じ蕎麦でも最近、うどんを黒くしただけのそばもどきが多い。蕎麦は、店で打った本物が良い。蕎麦は、GI値も低く、カロリーも300カロリー近辺だ。てんぷらをつけると簡単に500カロリーを超える。私は、揚げ物、生クリーム、バター、練り物、魚卵類をなるべく口にしないようにしている。さみしいと思うが、「もう十分食べたのだから」と自分に言い聞かせる。しかし日本に住むおかげで、また自分で調理するおかげで、実に多種多様な食材を、これまた多種多様な調理方法で食べることができる。世界で日本だけでしか食べられないモノで、糖尿病の私にも害のないモノを口にする時、私の目尻は、下がりっぱなしとなる。

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