備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

採寸中

2008-05-17 11:22:50 | 陶芸

桐箱製作の発注の為に採寸。

備前焼のような窯業地には桐箱製作の木工所がいくつかある。作品を個別に採寸してそれぞれに丁度良いサイズの桐箱を製作する。

毎度の事ながら、寸法間違いがないか内心ドキドキしている。ついうっかりミスというのが数年に一回の割合である。単純に寸法の読み間違いの原因が多い。

採寸にはノギスが便利。必要以上に精密過ぎると面倒なのでヤキモノ屋はかなりザックリ測定するタイプを使う。小生の使うのは、師匠譲りの道具(イロイロとあって、今、手元にある)。指物師製作の美しさ。ホームセンターなどで金属製のモノを見かけるけれども、ヤキモノ屋は木製が標準仕様。金属でヤキモノを傷つけたりするといけないので……。



ちなみによく聞かれるので……

●桐箱作りのポイント

 ・『寸・分』で発注が基本。
  『センチ』で発注しても良いけれど、判り易い表示が親切。

 ・仕上がりの内寸での発注が基本。(作品より大きめになる。)

 ・幅×奥行き×高さの順で表示。
 (木取りの木目に関係する→箱書きの向きが決まる)

 ・余裕の見方は、
  幅は、三分。
  高さは、五分~七分。(小さい物は五分。花入などは七分見当で)

 ・ご家庭で大きな壷などを測る場合は、襖などで挟むとやり易い。
 (無作法にて失礼。建具屋さんゴメンナサイ)

 ・蓋の種類、箱のグレードを表示。


●参考までに……
小生のHPの『notebook』のコンテンツに、『 箱の種類 』・『 紐の結び方 』などを掲載しています。

『紐、共布、掛紙』などは、各自(本来は作品所有者)のお好みで準備する。
一般に調達が難しいので、今はヤキモノ屋さんが自分の好みで付帯するパターンがほとんど。


……と言うわけで、
桐箱製作は、作品を作ったヤキモノ屋本人、またはギャラリーにオーダーするのが、手っ取り早いと言う事になります。



測り終えて安心する前に、早く発注しなきゃ……。