備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

流雫へ その2 ~ 備前産ベンガラを作る ~

2020-06-25 19:58:21 | 陶芸


今回の個展では流雫(るな)シリーズを始めています。それらについて少し……。

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◆備前産のベンガラを作る◆

採取した湖沼鉄を精製してベンガラ(弁柄)を作ることにしました。しかも出来るだけシンプルな工程で作りたい。
その後、ベンガラを使って黒い備前焼を作る方針です。

ゴミを取り除き


乾燥させて


有機物を燃やすと~~~~


鉄ゥ!! 

(磁性が発生して磁石にくっつく)


これで、備前産のベンガラが出来ました。簡単に作りましたがキチンと『鉄』です。

これを使って伊部手を再現してみます。まずは全面を均一に黒くする。基本は大事。

薄い塗膜での黒い発色です。刻文の小さな凸凹も損なっていません。


出来るね、うん。よし。

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◆別の可能性◆

黒がベンガラによるなら、他の可能性としては高梁市成羽町で作られていた『吹屋ベンガラ』があります。
それをヤキモノ屋が入手した? または、池田の殿様が呉れた? 
誰も見ていないので真偽は判りません。
鉱物由来のベンガラは釉薬的観点からしても安定していて大いに可能性はありますが、そこには興味ない。キッパリ。(……だって結果が判ってるもの)

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という事で、『近所で採った素材で黒備前が出来るのか?』という検証は終わり。

素材としての正否は不明ながらも、ひとつの方向性として示せるものではあるかな。


さて、検証は出来た。
次は自分の表現として使いたいよねぇ。解体&リミックスがモットーなので。
……という事で、色々と始めちゃうのよさ。ぐへへ。 


(その3へ、続く~~~っ!!)


ちょっとCM
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◆流雫シリーズは下記で展覧中◆

タイトル : Sturm und Drang 2020
会期 : 6/26(金)~7/1(水) 11:00~19:00
会場 : 備前焼ギャラリー夢幻庵 銀座店
       〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目6−10
       TEL 03-3289-8585

※在廊しませんが、会場からZOOMでウチと繋いでお話できるようにしています。ご希望ありましたら是非!
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