朝、布団の中で目を覚ますと、壁に差す光が長く部屋の奥まで差し込んでいるのに気がついた。
斜めに感じる朝日。冬が近いな。
起きて外を見る。窓の外の山の稜線が青空とのコントラストを作っている。
山の木は朝露で濡れた葉っぱに朝日を反射させて、侘びた風情とは裏腹な光沢感を伴って山に彩り添える。
「艶やかな侘び」というのが成立するのか、もっと他に言葉があるのか……ふと頭によぎるけれど、ひとまず言葉は脇に置いてしばし佇む。
窓を開けると、清涼な空気が一気に部屋へとなだれ込む。
空気を入れ替えつつ朝のコーヒーを飲むべく薬缶を火をかける。外から覗き込む番犬福助と朝の挨拶。
こやつは朝御飯の催促なんだけど。
この辺りはドングリ系が多いので、赤い色の紅葉は少ない。ヤマザクラやヌルデぐらいなもの。
その中で一際赤いのが、庭木にしているカエデ。
朝日を透かしているのがキレイなぁ。葉っぱの上に、葉っぱの影が出来るという構成が良いなぁ。
何かヒントを貰った感じ。
シュンシュンといい出した薬缶を火から下ろして、朝のコーヒーをドリップ。
子供達は学校へ。福助くんと朝御飯。
「落ち着いたら今日の予定をチェックして……」と漠然と思いつつ、ハムエッグを自画自賛。
PCの起動を待つ間、コーヒー片手にしばし庭先へ。福助とボールを行き来させて少し遊ぶ。
コーヒーの香りと踏んだ朝露に混じる草の香り。拡散する強さではなく穏やかに収束するmp(メゾピアノ)のトレモロみたいな感じ。
「今日は、ヴィヴァルディ/マンドリン協奏曲 ハ長調 第一楽章ではじめるか……」
ふと、季節はずれのスモモの花に気がつく。
春には感じない寂びがあるな。
やはり日陰は寒く体が冷えるので、部屋に入って今日の予定を確認。
PCのウインドウを開ける。
「ぬぉ~、( ̄□ ̄;)!! cvgbhjkl;・lkjhgfふじこghjkふじこvbンjkl!!! \(◎o◎)/」
メッチャ、今日は忙しいじゃん!
のんびりとコーヒー飲んでる場合じゃなかった。
コーヒー2杯目を速攻チャージ。
業務始動!
(ということで、ショスタコ革命:4楽章。一気にトップスピードで)