備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

窯焚き手伝い

2011-01-11 10:29:36 | 陶芸
窯焚きのお手伝い中です。明け(0:00~8:00)の担当。
明け方のシンシンとした冷えを背中に感じつつ、正面は『火』焼けしています。

外気温は氷点下ながら、窯の中は1200℃を越える世界。先人の知恵の偉大さに感服であります。

さて、この窯のオーナーとウチとは割り木屋さんが同じです。この割り木屋さんは真面目に仕事をされているのですが、まだ経験が浅く、時々面白い割り木が混じっています。
今回多いのが、『ためらいキズ』のある割り木。

備前焼の薪の規格サイズは、2尺(約60cm)の長さが標準です。割り木屋さんが仕入れる原木が概ね4mあって、それをまず2尺づつの長さに切ります。この玉切りする時に寸法を間違えるのでしょう。チェーンソーで切りかけた痕跡です。





『人間らしさ』と言えばそれまでですが、手順的、道具的に、間違わない簡単な方法は無いものなのでしょうか?
まぁ、こういうのがあると、ちょっと楽しい気分になりますが。


ヤキモノでも箆目(へらめ)を入れる時に、ためらったり迷ったりすると、焼いた後でそれが露見します。
自作の場合、『ためらいキズ』が見えると凄く恥ずかしい気分になります。他人の作品の場合は、ニヤッっとしてしまいますが……。


自信を持って高い完成度で事に当たりたいものですが、手馴れた作業と惰情とは紙一重の存在なので、そこが難しいところ。
……とか考えてると『ためらい』が出るんだよなぁ。知るほどに迷う事多し。


窯焚きでの判断も同様。しかも、窖窯(あながま)は勝負が早いのでシビアな判断力が必要。ためらって決断を先延ばしにすると「過ぎたるは…」となる。
なので窖窯オーナーには、性格の向き不向きがあるような気がするなぁ。


ん? 

小生は、『窖窯向き』と自負しておりますが?