備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

パーツ作り

2009-02-05 19:53:46 | 陶芸
お茶を淹れるアイテムのバリエーションは多い。
急須・ポット・土瓶・宝瓶(ほうひん)…。

目的、人数、お茶の種類によって実に様々で、なおかつデザイン性が加わると、際限なくバリエーションが広がる。

ひとつ作る為には、部品をそれぞれ作ってから組み立てる。
パーツの数は、ボディー・蓋・注ぎ口・取っ手・茶漉し…と5、6種類にのぼる。そのパーツ全てをバランスよく一発で作れると名人。
……なのだが、そうは行かず、余裕を見て多めにパーツを作っておく。

パーツの数が予定よりも多目なので、組み立ての最後あたりになると、余剰パーツが必ず出てくる。それらで組み立てると、意図しなかった偶然の組み合わせの急須やポットが出来る。
後日、この余剰パーツ製が定番になったりする事もあるので、偶然とはいえ侮れない。

バランスやサイズを厳密にしないと心地良い使用感を得られないので、作るとなると細部に気を使う。…実際、疲れる。
でも、バッチシ上手く決まった時の快感は、他では得られないのでまた作るという循環になる。


このアイテムに生涯の仕事の全てを掛ける方もいらっしゃるほど、実に奥深い。
作家によって、仕事上の満足感を得る部分が違うのだろうが…。

小生の場合は、イレギュラーがお楽しみのひとつか。