備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

寒風の麦畑

2006-05-26 22:51:47 | 陶芸

麦秋。
金色の平原となった風に揺れる麦畑。


写真の場所は、『寒風(さぶかぜ)』という場所。岡山県の南部の旧 牛窓町。

ここは、備前焼の母体となった須恵器の窯跡が多く点在しています。
時代が下がって、窯業の中心は次第に北上し、旧 長船町の須恵、やがて、備前市浦伊部、熊山へと移動していきます。

そのスタート地点がこの『寒風古窯址』。今、備前焼作家は鉄分の少ない土を求めて
寒風の土を使う事があります。長い歴史の変遷の中で、グルッと一巡りして帰ってきた感じ。



やがて琥珀色のビールへと変わる麦。
この下の粘土で作るジョッキで呑むのも何かの『えにし』か

寒風産の粘土とビール。これが本当の『大地の恵み』


歴史の流れの中で生きている実感がわきます。