ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

ふてんまの琉球松

2012-12-09 10:09:21 | 日記

                 琉球松


                       さましたの
                       のだけの
                     

                         ふてんまぬぅ
                         まーちぃ や
                         うまぬぅ あっちゅぬぅ
                         みちぬぅ はたー
                         みちぬぅ あがた までぃん
                         ならでぃ みぐとぅ

                       ある日
                       ヤギの眼のような色をした瞳の
                       背の高い迷彩服の
                       みたこともない人たちが来て

                       大きな丸い鉄のローラーで道を踏み固め
                       半身裸になった若者の
                       首に身分を示す光る鎖が揺れ
                       チェーンソーで

                        ふてんまぬぅ みぐとぅな まーちぃー
                        あるっさ むる
                        きり とぉーちぃ
                        わらとーたん

                       モノクロの
                       フィルムから
                       琉球松の
                       叫び声が聞こえる

                       切り倒された
                       400年の
                       琉球松が
                       泣き叫ぶ


                        さました ぬぅ
                        のだけ ぬぅ

                        ふてんま ぬぅ


                        亀甲墓 ぬぅ
                        くらがい かい

                        なまん なだ すすてぃ
                       
                        琉球松 が たっちょーん



         
                 琉球松

                  

                     さましたの
                     のだけの

               
                       ふてんまの
                       松は
                       馬が歩く
                       道の端に
                       道の向こうまで
                       並び 見事(な並木道)

                     ある日
                     ヤギの目のような色をした瞳の
                     背の高い迷彩服の
                     みたこともない人たちが来て
                     
                     大きな丸い鉄のローラーで道を踏み固め
                     半身裸になった若者の
                     首に身分を示す光る鎖が揺れ
                     チェーンソーで

                       ふてんまの見事な松(並木)
                       あるだけすべて
                       切り倒し
                       わらっていた

                     モノクロの
                     フィルムから
                     琉球松の
                     叫び声が聞こえる

                     切り倒された
                     400年の
                     琉球松が
                     泣き叫ぶ

                      さましたの
                      のだけの
                  
                      ふてんまの

                      亀甲墓の
                      暗がりに

                      今も涙をふき

                      琉球松が立っている