あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

私の愛聴盤 (第41回)

2014-06-08 | 私の愛聴盤
第41回はビル・イングリッシュの、その名も「ビル・イングリッシュ」です。
ビル・イングリッシュ(Bill English) 1925年8月27日 ニューヨーク生まれ
1960年代に活躍した非常に地味な存在のドラマーで、本格的なプロ活動は1953年のE・ホーキンス楽団への参加からと言われています。
レコーディングは56年のベニー・グリーン(tb)のリーダー・アルバム(ウォーキング・ダウン)が最も初期のもので、以降70年代中盤まで、他人名義のものを含め10数枚あるだけです。
ケニー・バレル(g)のサポートを務めたものは、ヴァーブ、プレスティッジ、ブルーノートにあり、その中でもミッドナイト・ブルー(BN 4123)は名盤とされています。
プレイヤー名がそのままタイトルとなった今回のレコードは、スイング系プレイヤーの演奏が多いヴァンガード・レーベルからのもので、モダン・ジャズの演奏が楽しめます。
「BILL ENGLISH」 VANGUARD VRS-9127 
   
1. 222
2. FLY ME TO THE MOON
3. ROLLIN’
4. HEAVY
5. 7TH AVE. BILL
6. A BLUES SERENADE
7. SEL’S TUNE
8. MAKIN’ WHOOPIE
BILL ENGLISH(ds) SELDON POWELL(ts, fl) DAVE BURNS(tp)
LLOYD G. MAYERS(p) MARTIN REVERE(b) 録音 1963年 
このアルバムは、リーダーだけでなくメンバー全員のプレイが素晴らしく、度々ターンテーブルに乗っています。
リーダーの唯一のオリジナル曲(セブンス・アベニュー・ヒル)は、ベースのイントロに導かれ、一風変わったリズムとテーマが現れ、直ぐに4ビート演奏となりますが、4拍子でしっかり刻むハイ・ハットが心地いいです。
このレコードのもう一人のお目当ては、サックス、フルート奏者のセルダン・パウエルで、2曲目のフライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンでは、ディブ・バーンズのミュート・トランペットと共に、絶妙なバラード演奏を聴くことができます。
セルダン・パウエルは、ローリン、メイキン・フーピーの2曲でフルートも披露していますが、録音数が少ないので貴重な演奏です。
また1曲目の222や、4曲目のヘビー・ソウルは典型的なハード・バップの演奏で、各人がソロを取りますが、ロイド・G.メイヤーのピアノが活躍する場面では、ラウンジのカクテル・ピアノ・スタイルから、レッド・ガーランドばりのブロック・コードまで、多彩な演奏が楽しめます。
そして、リーダーが全曲に渡ってハイ・ハットで刻む確実なリズムが根底にあり、全員がリラックスしながら好演している楽しいレコードです。

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我が国ギタリストのソロ・アルバム

2014-06-05 | JAZZ
我が国にも優れたジャズ・ギタリストは大勢いますが、その中でアルバム1枚を全てソロで演奏している3人を取り上げました。

『川崎 燎』(かわさき りょう) 1947年2月25日 -
大学時代からジャズ・ギタリストとしての活動をスタートし、1973年からは拠点をニューヨークに移して世界を股に駆けて活躍しています。
燎(Ryo)の音楽理念は、その時々の流行のサウンドや、曲想をベースとして作曲・演奏することを信条としてきており、70年代後半にはギター・シンセサイザーを開発した第一人者でもあります。

このアルバムの生まれた経緯について、本人が語ったところによると、
自分の家に友人やお客さんを招いた時、何か一曲弾いてみてと、言われて・・・
居間にあるアコースティック・ギターを手にして単に好きな曲や、思いついた曲をその場の雰囲気で演奏するといった感じで作られたもので、現在のハイテク、エレクトロニクスが氾濫している時代に、音量も小さく、発生原理もきわめて原始的で且つ、知れば知る程、その奏法の難しいアコースティック・ギターという楽器の良さ、美しさ、そしてジャズのインプロヴィゼイションとスイングすることの楽しさ等を、リスナーの方達と何らかの形でコミュニケートできたらとのことです。

「RYO KAWASAKI PLAYS SOLO JAZZ GUITAR」 ONE VOICE VACV - 1001
  
録音 1991年8月~11月 (サトライト・ステーション・NYC)


『宮之上貴昭』(みやのうえ よしあき) 1953年10月7日 -
彼のプロ活動は、米軍横田基地での演奏から始まっています。
デビュー当時からピックを一切用いず、親指を中心とする独特の奏法は、ウェス・モンゴメリーの流れの中にあって、それをさらに発展させ、比類のないテクニックと歌心で、自己のスタイルを確立しています。
78年9月発売のデビュー・アルバム「ソング・フォー・ウェス」以来、20枚を超えるリーダー・アルバムをリリースしていますが、全曲ソロ・アルバムはこれが初めてです。

このアルバムのコンセプトは、指弾きである特有の奏法を生かしたアルバムを作ろうと、持ち替え無しの一本のギターで、アンプは使わず「生の音」で、チューニングやオーバー・ダブも一切なしのジャズの楽しさを表現したものです。
収録は、秋田県にある知人のスタジオでテープを回しっぱなしにして、好きな時、気分の乗った時に演奏するとの考えのもとに出来上がったもので、このアルバムは、2時間×12本(24時間分)の録音テープの中から選択されています。

「ミー・マイセルフ&アイ」 KING RECORD KICJ 373
  
録音 1999年2月1日~7日 (河内スタジオ/秋田)


『岡安芳明』(おかやす よしあき) 1962年7月12日 -
19歳で宮之上貴昭に師事し、23歳でプロとして活動を開始した日本を代表する正統派ジャズ・ギタリストの一人です。
また、同じギタリストのケニー・バレルの信望者でもあり、ソウルフルでブルージーなサウンドに特徴があります。
岡安は、世界で最も美しい音色を持つギタリストの一人とされています。

今回のアルバムは、彼の記念すべき10作目に当たる作品で、3本のギターを使い分けて演奏されていて、その点も聴きどころとなっています。
その3本のギターとは・・・
*ギブソンSuper 400 CES(1962年製)
*Kヤイリのフォーク・ギター(矢入一男の名に由来するもので、30人の職人による手作り品)
*ディアンジェリコ(ニューヨーカー / 1949年製で、ジャズメンのために限定生産された逸品)

「AZURE」 What’s New Records WNCJ - 2221
  
録音 2011年3月24, 25日 (グルーヴ・スタジオ東京)

日本人の3人によるアルバムはそれぞれに特徴があり、小さな音量でも楽しめます。

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英国人ギタリストのソロ・アルバム

2014-06-03 | JAZZ
英国出身の2人のギタリストのソロ・アルバムです。

『 マーティン・テイラー 』 (Martin Taylor) 1956年10月20日 -
マーティン・テイラーの音楽人生は、幼少時代にミュージシャンであった父からギターを与えられたことに始まりますが、フランスの伝説的なジプシー・ギタリストであるジャンゴ・ラインハルトからも大きな影響を受けています。
23歳になって、アイク・アイザックスを通じジャズ・バイオリニストのステファン・グラッペリのバンドに入り、北米ツアーにも参加したところで、チェット・アトキンスを知ることになります。

自己を表現するにはソロが一番ということで、1987年頃からは本格的にソロ活動を開始し、93年に発売されたアルバム「アーティストリー」は、英のジャズ・チャートで6週1位に君主していたことからも、実力は実証済みです。
彼のアルバムの多くは、英国のHi-FIオーディオ・メーカーLINNの自社レーベルから発売されており、下記はここからの6作目となります。

「PORTRAITS」 LINN RECORDS AKD 048
   
録音 1995年7月26日、11月24日、12月12日 (米ナッシュビル、独ハンブルグ、スコットランド)

ここで演奏している曲目は、エリントン、ガーシュイン等のスタンダードから、ビートルズ・ナンバーまでと幅広く、ソロの他に自身のオーバー・ダビングによるデュエットや、チェット・アトキンスとの共演も含まれています。
1曲目のフランク・フォスターのペンによる「シャイニー・ストッキングス」はミデアム・テンポの軽快な演奏で、ベース・ラインが気持ち良く入っています。
ギター演奏では珍しい「クリフォードの想い出」(8曲目)や、チェット・アトキンスとのセッションの「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホェア」(10曲目)など興味深い演奏が目白押しのアルバムです。
なおマーティン・テイラーは、しばしばスコットランド製のヴァンデン・ギターを使用するのですが、このアルバムは「Yamaha AEX 1500」で演奏しています。


『 デレク・ベイリー 』 (Derek Bailey) 1930年1月29日 - 2005年12月25日
11歳よりギターを始め、1950年代には地元シェフィールドでプロのギタリストとして活動を開始しています。
1966年にロンドンに移り、エヴァン・パーカー(reeds)等のフリー・フォーム系の奏者との共演を経て、インプロヴァイズド・ミュージックのレーベル「インカス」を立ち上げ、ここでギター・ソロ・アルバムも数枚録音しています。
1976年にはカンパニーを結成し、アンソニー・ブラクストン(reeds)、ハン・ベニンク(ds)、スティーヴ・レイシー(ss)等と共演し、ここでもフリー・ミュージックの演奏活動を行っています。
そんな中で、ディレク・ベイリーにもスタンダード曲によるソロ・ギター・アルバムがありました。

「BALLARDS」 TZADIK  TZ 7607
   
録音 2002年
これは、彼の晩年に製作された唯一のスタンダード・バラード集ですが、
フリー・ミュージック出身者が演奏することからお分かりのように、普通のバラード集ではありません。
この手の演奏は好みが分かれるところであり、興味のある方には一聴の価値があると思います。  

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ジョー・パスのソロ・ギター・アルバム

2014-06-01 | JAZZ
ジョー・パス(Joe Pass) 1929年1月13日 - 1994年5月23日 
ニュージャージー州出身

幼少でギターを始め、卓越したテクニックによる数々のアルバムが制作され、後年はオスカー・ピーターソンとの共演や、エラ・フィッツジェラルドとのデュエットでも好演しています。
ジョー・パスは、シナノンの更生施設にお世話になった時期がありましたが、復帰後の1965年に、ジャンゴ・ラインハルトに捧げたアルバム「フォー・ジャンゴ」が出世作となり話題を呼びました。
1973年には、ギター・ソロによる「ヴァーチュオーゾ」が発表され、その後同じタイトルでシリーズ化されています。

ギターは小さなオーケストラとも言いますが、1本のギターでメロディ、コード、それにベースラインも弾くことが可能ですが、パスはそれを超絶的テクニックと、完璧な構成で演奏する優れた奏者の中の一人で、下記はその最初のソロ・アルバムです。

「VIRTUOSO」 PABLO 32310 708
   
 1. NIGHT AND DAY
 2. STELLA BY STARLIGHT
 3. HEAR’S THAT RAINY DAY
 4. MY OLD FLAME
 5. HOW HIGH THE MOON
 6. CHEROKEE
 7. SWEET LORRAINE
 8. HAVE YOU MET MISS JONES
 9. ’ROUMD MIDNIGHT
10. ALL THE THINGS YOU ARE
11. BLUES FOR ALICAN
12. THE SONG IS YOU
JOE PASS(g) 録音 1973年12月

上記のソロ・ギター・シリーズの他、晩年にはアコースティック・ギターによる全曲スタンダードのアルバムも制作されています。
 
録音 1992年8月7日、11日、20日

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