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私の愛聴盤 (第90回)

2016-06-26 | 私の愛聴盤
第90回は、スティーヴ・レイシーがドン・チェリーと共演した「エヴィデンス」です。
「EVIDENCE」 日本ビクター SMJ-6272(NEW JAZZ NJLP-8271)
  
1. THE MYSTERY SONG
2. EVIDENCE
3. LET´S COOL ONE
4. SAN FRANCISCO HOULIDAY
5. SOMETHING TO LIVE FOR
6. WHO KNOWS
STEVE LACY(ss) DON CHERRY(tp) CARL BROWN(b) BILLY HIGGINS(ds)
録音 1961年11月1日

1950年代後半から始まった、モダンジャズの新しいムーヴメントの中で、その中心となったのはセシル・テイラー、オーネット・コールマン、ドン・チェリー等が作る創造的音楽でした。
オーネット・コールマンとドン・チェリーの競演は、コンテンポラリー・レーベルやアトランティック・レーベルにその記録がありますが、ここではオーネット・コールマンに代わり、ドン・チェリーがスティーブ・レイシーとピアノレスで演奏しています。
元来古典的なミュージシャンであるスティーブ・レイシーは、ソロ・アルバムも多く残していますが、この組み合わせは珍しいです。

全6曲中、デューク・エリントンとビリー・ストレイホーンの作品が各々1曲で、他はセロニアス・モンクの作品です。
スティーブ・レイシーは、晩年に至るまでモンクの曲を数多く取り上げていますが、ドン・チェリーがオーネット・コールマンや自身の曲以外で演奏していることも聴き所となっています。
このアルバムで演奏される6曲は、全てモダン・ジャズのパターンであるテーマ ~ 各人のアドリブ ~ テーマの構成となっています。
1曲目の「ザ・ミステリー・ソング」はエリントンの作品らしく、ドラムスのタムタムをバックに2人がユニゾンでテーマを演奏した後、スティーヴ・レイシー ~ ドン・チェリーのソロへと受け継がれますが、ここでのドン・チェリーは奇抜な音は発せず、オーソドックスな演奏に徹しています。
それはアルバムのタイトル曲である「エビデンス」において一層顕著であり、次の「レッツ・クール・ワン」では、更にコード進行に添って演奏していることが、素人の私にも良く分かります。
ラストの「フー・ノウズ」は、6曲の中では一番新しい解釈の曲で、後半では2人の2小節づつのやり取りもありますが、今聴くと普通のモダン・ジャズです。
ここでのドン・チェリーは、偉人の曲を演奏しているためなのか、、オーネット・コールマンと組んだ時よりオーソドックスな演奏に徹しています。
こうして書いていると、ドン・チェリーのリーダー・アルバムのようになってしまいますが、それだけ彼のプレイに注目して聴く1枚でもあるからです。
このアルバムのもう一人の主役は、当時オーネット・コールマンとも共演していたドラムスのビリー・ヒギンズで、彼の刻むリズムがいずれの演奏をも引き立てています。

これは1980年に日本ビクターから発売された国内盤ですが、購入した当時を思い出しながら、今でも時々ターンテーブルに乗る1枚でもあります。

スティーヴ・レイシーとドン・チェリーの共演は、富樫雅彦とのライブにも収録されています。



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