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アトランティック時代のオーネット・コールマン

2023-07-16 | JAZZ
7月に入って、オーネット・コールマンに関するアルバムを連続して掲載してきましたが、時代を少し戻してアトランティック時代の2枚も聴いてみました。

「CHANGE OF CENTURY」 ATLANTIC 1327
  
1. RAMBRIN
2. FREE
3. THE FACE OF THE BASS
4. FORERUNNER
5. BIRD FOOD
6. UNA MUY BONITA
7. CHANGE OF THE CENTURY
ORNETTE COLEMAN (as) DON CHERRY (p-tp) CHARLIE HADEN (b) BILLY HIGGINS (ds)
録音 1959年10月8日、9日

アトランティック時代の2作目となるこのアルバムの邦題タイトルは「世紀の転換」で、発売当時は “なに、これ!” と、そのタイトルが注目に値するものでした。
ここで演奏されている7曲は、ジャケットの裏面にオーネット自身のコメントが掲載されており、それによると1曲目の「RAMBRIN」は、ブルースを基本としているが、従来のそれより自由発想的な表現で演奏しているそうで、16小節と12小節のパターンが交互に現れます。
続く「FREE」は、音階練習のようなテーマから自在に飛躍していくオーネットとドン・チェリーのソロが素晴らしいし、「BIRD FOOD」はチャーリー・パーカーを念頭に置いた作品で、テーマ部のビ・バップ風なアレンジも粋です。
また、「UNA MUY BONITA」は、ボビー・ハッチャーソンが自身のアルバム「STICK-UP」の中で取り上げており、こちらもドラマーはビリー・ヒギンズで、オーネットのアルバムではリズミックなベースがリードしているのに対し、ハッチャーソンのアルバムの方は、ヒギンズがタムタムを活用した軽快な曲に仕上げています。

タイトル曲である「CHANGE OF THE CENTURY」の2管によるフリー・インプロヴィゼイションは、デンマークのグループである THE CONTEMPORARY JAZZ QUARTETの「ACTION」等への影響も大いにあったと思われます。

アルバム全体を通して、オーネットのアルト・サックスとドン・チェリーのポケット・トランペット(コルネット?)を目いっぱい吹く音が上手く溶け合ってサウンド効果も上げており、チャーリー・ヘイデンのサポートは、オーネットの音楽をよく理解していて完璧で、「THE FACE OF THE BASS」でのメロディックなベース・ソロも魅力的です。
一方のビリー・ヒギンズは、コンテンポラリー時代と、アトランティックの最初のアルバム「THE SHAPE OF JAZZ TO COME」でも共演していますが、従来の4ビートの感覚から抜け切れていないため、ドラマーが変わっていたらもっと違った形のサウンドになっていたことと思います。


続いては、日本でのみ発売された未発表集です。
「TO WHOM WHO KEEPS A RECORD」 ATLANTIC P-10085A
  
1. MUSIC ALWAYS (*)
2. BRINGS GOODNESS
3. TO US
4. ALL
5. P. S. UNLESS ONE HAS
6. SOME OTHER
7. MOTIVE FOR ITS USE
ORNETTE COLEMAN (as) DON CHERRY (p-tp) CHARLIE HADEN (b) 
BILLY HIGGINS (ds) (*) ED BLACKWELL (ds)
録音 1959年10月8日 (*) 60年7月19日、26日

1曲目は、上記の「CHANGE OF CENTURY」と同日の演奏となっていますが、聞いた感じのインパクトが薄く、レコード収録時間の関係から外されたのでしょうか。それにしてもビリー・ヒギンズのドラミングはこの演奏に合わないと感じます。
2曲目以降は、それから凡そ9ヶ月後の演奏で、ドラマーだけがビリー・ヒギンズからエド・ブラックウエルに変わっただけで、サウンドは明らかに変化しています。
また、テーマとなる最初の提示部はいずれもオーネットがソロを取っており、アドリブに入ってもアルトが主役となりイマジネーティヴで力強い演奏を披露していますが、ドン・チェリーの演奏部分は音量も小さくなぜか影が薄く、まるで「オーネット・コールマン・トリオ」のようです。

それにしてもこのレコード、どこから発掘してきたのかは分かりませんが、演奏はまともなのに曲によって楽器毎の音量に差があり、それが残念です。

コメント
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