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ジョージ アンド スリーピー

2020-10-30 | JAZZ
宮沢 昭と実力を二分した松本英彦が、ジョージ川口と共に録音したアルバム。
「GEORGE AND SLEEPY」 SMJX-10073
  
1. THE BREEZE AND I
2. ON GREEN DOLPHIN STREET
3. TUESDAY SAMBA
4. SWEET AND LAVELY
5. VIET NAM
6. LOVER
7. G. S. BLUES
8. CHARADE
松本英彦 (ts, fl) 菅野邦彦 (p) 鈴木 勲 (b) ジョージ川口 (ds)
録音 1969年9月30日
このレコードは、日本ビクターの「日本のジャズ・シリーズ」の1枚として、宮沢昭の「いわな」と同時期に録音されています。
このカルテットはビック・フォアと呼ばれ、1953年(昭和28年)5月に結成され、オリジナル・メンバーには中村八大 (p) と小野 満 (b) が参加していました。

全8曲において、スタンダードを除く3曲は全て松本英彦が提供しており、そのいずれもが佳曲ですが、エキゾチックな曲想の「VIET NAM」が特に印象深いです。
ジョージ川口のドラミングは、バスドラを多用していることから雷の様に一寸うるさい感じはしますが、これが彼の特徴であり、このバンドのテーマ曲でもあった「LOVER」でのソロは特にそう感じます。
また、4拍子の2拍目と4拍目のアクセントにも特徴があり、「G. S. BLUES」や次の「CHARADE」ではその強いアタックが、演奏にインパクトを与えています。
一方の松本英彦のテナー・サックスは、宮沢のそれより洗練された音色で、速いテンポもゆったりとしたスローバラードも、次から次へと続くスムースで澱みのないアドリブを聴くことが出来ます。
また、火曜日のサンバで吹くフルートは、意表をついて声も出しています。
菅野邦彦はこの録音の1年前、タクト(コロムビア)に初リーダー作の「FINGER POPPING」を録音していて、それに続くものですが、随所で聴けるスイング感が演奏を引き立てています。
しかし、ここでは彼の特徴である繊細なピアノタッチは未だ現れていません。
また鈴木勲のベースは、ピッチの正確さに加え、躍動感を持ったプレイでしっかりしたサポートを行っており、このアルバムを聴いた後で、1973年録音の「BLOW UP」を取り出して、彼のベースとチェロを堪能しました。

改めてこのアルバムを聴き直しましたが、40歳代の2人のリーダーと、30台半ばのピアノとベースによる非常にフレッシュな印象が残る演奏でした。
1970年前後に録音された日本のジャズは、日本ビクターの他、キング、テイチク、コロムビアにも優れた演奏と好録音盤が数多くあり、当時は食事代を削って買いあさったことが今となっては懐かしい思い出です。

余談ですが、松本英彦については、今から20数年前に、彼のカルテットのコンサートを開催した時に控室で頂いた「THE SESSION」を、今でも大事にしています。
その時のピアニストは北島直樹でしたが、他の2人は思い出せません。

コメント
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