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ヨーロッパで活躍する日本人ジャズ・ピアニスト

2014-12-28 | JAZZ
現在、海外で活動している日本のジャズ・ミュージシャンは数多くいますが、今回はフィンランドとフランスで活躍しているピアニストを取り上げました。

その人は、小樽市生まれの後藤理子さん、
彼女の経歴は最初のアルバムにも記載されています。

14歳からピアノを始めクラッシクを故・森安耀子氏に従事、その後、19歳で単身フィンランドに渡り、2003年までの6年間ヘルシンキでジャズ・ピアノ及びジャズ理論を学んでいます。
留学中にクラシックからジャズ&フリー即興へ転向、また、2001年からイロ・ハールラ氏に従事、2002年にフィンランド出身のミュージシャンとトリオを結成、ヘルシンキを中心にライブ活動を開始し、2003年には活動拠点をフランスに移しています。
なお、ローリング・サンダーの所でも書きましたが、イロ・ハールラさんは、フィンランド・ジャズの重鎮であるドラマーのエドワード・ヴェサラの奥様です。

理子さんの初期のアルバムでもある最初の3枚は、ある出会いを通じて直接本人から頂きました。

最初のアルバムから名演の連続で、随所で前衛的なアプローチも展開されています。
初期のアルバムでブラインド・ホールド・テストをすると、ポール・ブレイのトリオと答える人がいるかも知れません。
そして録音も良いです。

「RIKO GOTO TRIO / THREE COLORS」 MADHOUSE RECORDS MHRI CD 1003
 
RIKO GOTO(p) TAPANI VARIS(b) ERKKI JOUTSENO(ds)
2002年10月

次のアルバムで、彼女はピアノを弾いていません。
「Tree Spirit / Great Angry Determination」 MADHOUSE RECORDS MHRI CD 1004
 
RIKO GOTO(sampler, phlicorda) 
MIKKO IVANAINEN(g) 
TAPANI VARIS(b, shanai, guimbarde, voice) 
ERKKI JOUTSENO(ds, perc, accordion) 
MERI TIITOLA(voice) 
2002年10月
全6枚の中では編成も大きく、電子音も取り入れて、多彩な音作りとなっています。
タイトルの「Tree Sprit」の如く、森林の中から不思議なサウンドが聞こえてくるような演奏で、最後の曲では複数の女性による「つぶやき」も聴かれます。

次のライブ・アルバムは、10年程前に本人から直接送って頂き、前後して我が家にも来て頂きました。
「RIKO GOTO TRIO / LIVE」 MADHOUSE RECORDS
 
RIKO GOTO(p) TAPANI VARIS(b) ERKKI JOUTSENO(ds)
2003年3月13日
こちらは北欧の香りがする演奏で、静寂の中で澄んだ響きが美しいです。
ライブと言っても、拍手が聞こえるのは最初の曲だけで、演奏以外の音を出すのが惜しいのかも知れません。


ここからの3枚は、国内で購入したものです。

「LA PENDULE DU VOYAGEUR / タビビトノオキドケイ」
  
RIKO GOTO(p) KENTARO SUZUKI(b) GUILLAUME ARBONVILLE(ds)
2008年、自作曲の自主制作盤として発売されたこのアルバムは、同年11月の「ジャズ批評 NO.146」でも紹介されていました。
ちなみにジャケット・デザインは彼女の妹さんが担当しています。
 

「BALLOONING SOUND」 RAW SOUND
  
RIKO GOTO(P) KENTARO SUZUKI(b) GUILLAUME ARBONVILLE(ds)
録音 2009年6月
こちらは著名な演奏家の作品も取り入れた意欲的アルバムで、3者のコラボは一層綿密になっています。
中でも2曲目のローランド・カークのペンによる「Fingers in the Wind」は、ドビッシーのピアノ曲のような雰囲気をかもし出しながら、後半は日本的な展開も聴かれます。

「UNBALANCE」 KARKIR MISTIKA RECORDS
  
RIKO GOTO(p) TAPANI VARIS(b) EKI JOUTSEND(ds)
録音 2013年2月
プレイヤー3人のペンによる曲集、
そこから出てくる演奏は、甘さを抑え、優しくも硬質な魅力ある「音」です。


掲載した5枚のピアノ・トリオの中のベーシストは、いずれの作品においても単にリズムを刻むことはせず、ピアノと対等に渡り合っています。
繊細・端正で、クリアータッチのヨーロッパの香りのするトリオ演奏、
メリハリの利いたサウンドで、バラードからアブストラクトな音を織り混ぜた曲の数々・・・

皆さん、機会があったらぜひ彼女の演奏を聴いてみてください。

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